ハイブリット車の先駆け!プリウスの買取相場はいくら?

現在、販売中の現行モデルも、売れに売れているこのプリウスですが、どういう過程をたどって市民権を得てきたのでしょうか。
歴代モデルの変遷と、それぞれの気になる買取相場などについて、今回はたっぷりと説明・紹介していこうと思います。

今やトヨタの顔として、世界中にそのユーザーがいる超人気ハイブリット車種のプリウス
ですが、1997年12月の初代登場時点で、これほどの隆盛を極めると予想できた方はどれだけいたでしょうか?

 

プリウスというクルマとトヨタのポテンシャル

冒頭でも述べた通り、その誕生と進化について紹介し、プリウスとはどんな車なのかよく知っていただいておこうと思います。

 

21世紀に間に合いました!が・・・

初代が登場した20世紀直前、世の中は2000年問題などについて騒がしく、筆者はその自動車業界でのキャリアを始めたばかり、ガソリンスタンドのアルバイトをしていた頃でした。

ややこしいメカニズムを説明しても伝わらないので、簡単に当時のプリウスのハイブリットシステム(スプリット方式)を大まかに説明すると、

1.エンジンの動力を分割
2.発電機へ送り発電し大型バッテリーに貯蔵
3.作られた電力でモーターを動かす
4.燃費の悪い発進時や低速走行時はモーターで走行
5.高速走行になったらエンジンにスイッチ

 

といった流れで走行し、大幅に燃費がアップ、環境にも優しいというのが、初代プリウスの売りでした。

ただ、正直、この世界初の量産型ハイブリットカーは、それほど世間に認知され受け入れらていたわけではなく、接客するお客様の中に1台、2台ほど見かけていたのが本当のところです。

走行性能に至っては、軽自動車並みとの辛辣な批評もあったうえ、

大きなバッテリーが故障すると修理費がかさみそう
メカニズムが複雑でメンテナンスが大変なのでは

という心配の声が多く、事実当時のCMではそんな悪いイメージを脱却するためか、

「難しく考えないで、普通に運転してください」

という、今のハイブリット全盛時代では考えられないアナウンスがされていました。

 

時期尚早だったのか

初代プリウスの販売価格は値引きを加味しても230万円ほどで同じトヨタのカローラと比べると70万円以上高く、肝心の燃費性能で元が取れてくるまでには長い期間が必要でした。

実は、初代プリウスが発売された20世紀最後の時期は、レギュラーガソリンの市場価格がここ数十年で最も安く、時に1L辺り100円を切ることもあった頃です。

仮に、レギュラーガソリンが1L辺り100円として、初代プリウスのカタログ燃費である28km/Lで計算。
前述で、その新車価格の差が70万円以上あると紹介した、カローラの燃費14,6km/Lと比較すると、年間2万kmを走行したとして、

初代プリウス・・・1年の総ガソリン使用料、約714L×100円=71,400円
8代目カローラ・・・1年の総ガソリン使用料、約1,370L×100円=13万7,000円

となり、燃料代の差額は1年で約65,600円、これでは大きな新車価格を埋めるには、10年以上は最低でも乗り続けなければならないことになってしまいます。

こういった計算を、当時の大人たちがしていたかどうかは知りませんが(筆者の父親はしていました)、はっきりとそのハイブリット車としての低燃費メリットが、一般ユーザーに伝わりにくかったのは事実です。

また、4ドアノッチバックの車体も何か重ったるく、筆者はいち消費者として初代プリウスを見たときに「カッコ悪い」と感じてしまいました。

正直な話、同年代の車好きからの評判は、どこか往年の人気コンパクトスポーツ「CR-X」を彷彿とさせる、スタイリッシュなホンダのインサイトの方が、同時期に販売されていたハイブリット車種としての人気は上でした。

結果、年間2万台を超えるセールスを記録することはなく、末期モデルは約千台しか売れない状況のまま、初代プリウスは2003年その姿を消します。

 

大爆発の地盤固めをした2代目

このままハイブリット車は、「未来の乗り物」として消滅するのかとさえ思っていた矢先のことです。

トヨタは2代目プリウスを初代と間髪空けず同年9月に市場投入してきますが、ここからがトヨタとプリウスの快進撃の始まりです。

初代は、あくまでもハイブリットが市場に認識されるための布石でしかなかったことを感じさせる、目新しい5ドアハッチバックスタイルの車体はスペースシップを思わせ、初代の重々しく鈍重なイメージは感じられませんでした。

肝心のハイブリットシステムも燃費が35,5km/Lにまで上昇し、これは当時4人乗り以上のハイブリット車種としては、世界最高を記録しました。

真の汎用ハイブリット車として、

インテリジェントパーキングアシスト・・・広報カメラ映像による場所指示のみで、駐車時のハンドル操作を自動化できる装備。
S-VSC・・・パワーステアリングと、ESC「横滑り防止装置」を総合制御し安全性を高める。
電動インバーターエアコン・・・エンジン停止中もバッテリー電源を利用してエアコンを作動させることが可能。

 

などといった安全・快適装備を世界で初めて搭載し、その乗用車としての機能性の高さはとても初代と比べることができないほどアップします。

その他にも、以後プリウスの代名詞になり多くの車種が採用する、カギをポケットに入れたままの開錠しハイブリットシステムをボタン1つで始動できる「スマートエントリー」も採用され、買い物中の子供連れなどにもその便利さが注目の的になりました。

それまでの主なユーザーだった長距離ドライバーや社用車としての利用以外の街乗り派やファミリー層からの支持も得ていくことになります。

また、エンジンのパワーアップ、さらに、モーター出力の上昇などを施し、「軽自動車並み」とまで言われた初代とは隔世の感がある走行性能も大好評でした。

トヨタはどこまで計算してこの2代目を送り出したのか分りませんが、時代がガソリン代の上昇による家計への負担を悩みだしたタイミングの良さもあり、2代目プリウスは大ヒット車種の仲間入りを果たします。

販売初年度ですでに、初代の記録をはるかにオーバーする5万台近くを売り上げ、以後トップ10車種の常連になっていく事になります。

一番すごいと思ったのが、プリウスとして初めて年間新車販売台数のトップに立った2009年というタイミングです。

大きく世界経済を揺るがしたリーマンショックがこの年に勃発、プリウスのようなハイブリット人気の原因の大きなものだったガソリン価格がこの年を境にグングン下がっていきます。

車だけでなくすべての工業製品はその生産台数が増えるほど生産ラインが安定し、コストが下がって価格を抑えることや次世代商品の開発費を多くとることができるようになります。

もし、プリウスがこの2009年に爆発的売り上げを記録していなかったら、もしかしたら、現行まで変わらず続く今の人気も少し変わっていたかもしれません。

 

販売台数トップになったのは3代目?

この年は、トップに立ったプリウスをはじめとしてホンダのフィットやインサイトなど、低燃費を意識したコンパクト・エコカーがその売り上げを伸ばした年ですが、プリウスが2位以下を5万台ほど引き離して断トツの販売台数でトップを奪取したのにはある理由があります。

それは、この年初登場した3代目と前述の2代目がこの年から2011年まで、なんと併売されていたのがその大きな理由です。

この頃、以前は一部マニアしか知りえなかった発表前の新車スペックなどが、ネット情報などで多くのユーザーの目にも触れるようになってきていました。

そのため、同年発表が知られていた3代目プリウスは販売前から予約殺到、同年適用されていたエコカー減税も追い風となって、その新車予約が10ヶ月以上待ちになるなど空前の大ヒットとなります。

異例の事態にトヨタは大衆車としては珍しいメジャーチェンジ後の全世代モデルの併売という手段に打って出たわけですが、結果、2台目と3代目の新車販売台数が合わさった数が「プリウスの年間販売台数」として発表されたのです。

我々自動車業界経験者でよく言う、

  • カローラ
    カローラフィールダー
    カローラレビン
    スプリンタートレノ
    カローラ2
    カローラワゴン

などといった、挙げるときりがないカローラファミリーの販売台数をすべて合わせての年間販売台数トップの発表した「カローラ作戦」に似たような現象が図ってか図らづか起こったわけです。

この2代目と3代目の併売時期というのが、意外にそれぞれの中古相場を左右することになるのですが、それについては次項から初代のそれも含め、詳しく実例を挙げてみてみましょう。

 

歴代プリウスの買取相場

詳しくプリウスの進化や売れ行きの変遷について述べてきましたが、それと絡めてそれぞれの世代モデルがどれほどの価格帯で取引されているのか見ていきたいと思います。

初代は安いですが…

売れ行きがそう伸びなかったことを伝えましたが、それに合わせて中古車市場で非常に玉数が少ないのが初代プリウスです。

初登場が1998年ですから、古いものなら20年近くを経過しているうえ、もともと長距離ドライバーが乗っていることの多いモデルなので、既に廃車になっていることも多いのですが、若干ですが最終モデルの出物は見かけます。

その販売価格は軒並み20~40万円程度で、「安いからハイブリット車入門に購入!」なんて考えている方が知り合いにいたら、元プロの筆者の立場からすれば間違いなく止めます。

初代プリウスのバッテリーは、その自然放電が現在のものより激しく寿命が短い場合があり、その交換となるとかなり高額な費用がかかります。

走行性能も、軽自動車ともいわれているものが経年でさらに劣化、はっきり言って今のガソリン車を購入したほうがいいでしょう。

もちろん、買取査定額もびっくりするぐらい安くなっているのを覚悟しなければいけませんので、現在もお乗りの方は走れなくなるまで乗りつぶして、その使命を全うさせてあげましょう。

 

程度のいい2代目はねらい目!

一方、その人気が不動のものとなった2代目は2011年まで生産されていたため、乗りゴロの7年落ちで年間1万km以下と考えられる走行距離10万km以内の出物も多くあります。

ただし、爆発的なヒットとなった3代目の出物が2015年の4代目登場から徐々に増え始めていることから、急激な値崩れを起こしています。

通常の場合、先代の生産が終わり次期モデルが販売されるのですが、このプリウスの2代目と3代目は約2年間同時販売されていたため、この次世代中古出物と被るのがほかの車種より早くなりました。

そのため、値が崩れる度合いとスピードの速さがより顕著になってしまいました。

2017年時点で3回目の車検を終了する7年目、平成21年式で走行距離6万km程度とまだまだ元気で活躍できる「グレード1.5S」の車体がおおむね60~70万円で販売されています。

このことから、車の買取もしていた経験を駆使して推定すると、ボディーの程度やカラーリングにもよりますが、

「32~40万円」

辺りが買取相場になってくると考えます。

これは、新車価格と経年を考えると他のガソリン車種より安い水準で、やはり3代目人気の影響が色よく出ています。

売却という点からアドバイスするならば、時期を待っていても相場が上がっていく可能性は、爆発的に売れた3代目が次に控えているため皆無です。

時間の経過で玉数が減ったことでのプレミア感が発生する車種でもないので、売るなら一刻も早めに、もしくは乗りつぶしてしまうのもありかと考えます。

ただし、「安く中古で状態のいいハイブリット車をを買いたい!」という方には、この価格帯にそぐわない高性能さと、初代よりかなり長寿命となったバッテリーも相まって断然おすすめできるのがこの2代目プリウスです。

また、プリウスはその車の特性上、他の車種より走行距離が伸びやすい車です。

同じグレードで同じ年式でも、走行距離が2万km以下なんてことになると、中古での販売価格が100万円を超えていることもザラなので、併せてその買取相場も、

「55~65万円」

辺りにアップすることも、十分考えられます。

 

3代目はまだまだ高い

値崩れが顕著な2代目に比べると、その相場がまだまだ高止まりしているのが3代目です。

ただし、2014年時点でデビューから5年目という大きな乗り換え時期の2回目車検終了の車体が出てきだした初期モデルは、徐々に値下がりしてはきています。

平成24年式で今年ちょうど5年落ち、走行距離は5万km以下ですからあと3回は車検いけそうな車体でも100~120万円がその販売相場で、そこから導き出せる買取相場は50万円をちょっと超える程度かと。

しかし、内装などに改良を加えられ2011年に登場した後期モデルは、前期と全くの同条件でも10万円ほど高く買取されている傾向にあります。

 

現行モデルの売れ行きはどうなの?

現行プリウス、つまり4代目の登場は2015年12月のことです。

TNGA~トヨタ・ニューグローバル・アーキテクチャー~」を初めて採用した車種として、世界に向けて大々的に発信されました。

TNGAとは簡単に言うと、

●低重心化で乗り降りの良さを向上
●ベストな運転姿勢の保持
●流ちょうなデザイン性

などといった、トヨタ独自の46にも及ぶ項目に沿って考案・デザインされたプラットホームが採用されています。

「売れるためではなく、客目線に立ったクルマを創る」という、日本のものつくりをリードし続けてきた「ザ・MADE・IN・JAPAN」トヨタの理念が詰まっています。

その他、一部グレード除き、先代まで使用されていたニッケル水素電池からリチウムイオン電池に変更、更に、エンジンの熱効率アップやハイブリットシステムの小型化などでもともとトップクラスだった燃費性能も向上させています。

その結果、「売れるためではなく…」と言ってたのが本音かはわかりませんが、2013年以降アクアに明け渡していた販売台数トップの座も発表翌年の2016年には10万台近くの差をつけて奪還する驚異の売れ行きを見せています。

また、2017年2月には3代目の後期から採用されている、電気をプラグから充電可能な「プリウスPHV」も登場しました。

先代より伸びた68,2kmのEV走行距離や通常タイプと大きく変えられたクールなグリルデザインなども好評で、こちらも順調すぎる売れ行きを見せています。

 

その販売価格と将来のリセールバリューとは?

新型プリウスの新車価格は通常HVの最安グレードでも242万円PHVモデルであれば326万円程度はします。

登場したてのPHVの出物は新古車を除いてほとんどありませんが、通常HVなら新車から1年ほどが経過し1万km走った車体が200万円を少し切る値段で出ていることもあります。

ですので、新車時タイミングが合わずゲットできなかった方は、それらをターゲットにしてもいいかもしれません。

反対に言うと、同程度の新型プリウスを手放すとなると高くても130~140万円での買取となってくるので、そのリセールロスは100万円以上とかなり大きなものになってきます。

 

リセールロスとはなに?

話に出たところでここで少し、リセールロスに対する考え方を紹介しておきましょう。

新車を購入するときは多くの方がカーローンを組むはずですが、売却時と新車購入時の価格差がリセールロスで、この額とすでに支払ったローンの総額との関係が、その車種の売り時を決める大きな要素になってくるのです。

新型プリウスを購入時に5年60回のローンを組むと仮定すると、その毎月の返済額は金利にも左右されますが、おおむねボーナス併用無しで、「43,000円」辺りが想定されます。

単純に、1年の時点までの総返済金額を計算すると、

「43,000円×12ヶ月=516,000円」

ほどとなり、100万円を超えるリセールロスに大きく届かない。

この場合、約50万円分の期間しか支払いをしていないのに、100万円のロスが出てローンの残債が売却益だけでは整理できない事態になります。

つまり、残り50万円分は、車が無い状態でローンを支払わなければいけなくなるというわけです。

一方、この新型プリウスと言えば、現時点では2年経過した車体でもその販売価格の違いが出ていないので、仮に2年たつまで待てば、

「43,000円×24ヶ月=1,032,000円」

と、かなりリセールロスをカバーできる水準になって、債務が残らないケースが増えてくるというわけです。

 

長く乗り続けるのもおすすめ

 

そもそもプリウスは長く乗ってこそその真価が出てくる車種ですので、最低でもローンが終了することも多い5年、1回は車検を受けて乗り続けるほうが筆者としてはおすすめです。

 

プリウスに限ったことではありませんが、ハイブリット車はモーターがエンジンを補助してくれるため、負担が少なくなるエンジンがガソリン車より長持ちする傾向にあります。

草創期ではモーターや電気系統の方がエンジンの寿命についていかなかったので大きなポイントとなりませんでしたが、近年登場したものは改良され長寿命の補助性能を持ってきています。

「TNGA」のコンセプトの中にもこの長寿命は含まれていて、現行プリウスは長持ちしてくれる車の最たるものです。

少々走行距離が伸びたり使用年数が経過しても、現行の新型プリウスについては、PHVモデルも含めて、一定のリセールバリューを有するモデルの1つということができます。

仮に、5年ローンを組んでそれを払いきり5年落ちの新型プリウスを将来売却しても、それなりの買取査定を受けられる可能性が高いというわけです。

その売却益が50万円あったとすると、それは儲け分と考えることもでき、次期車両の頭金などに充てることができるのです。

まとめ

初登場から20年近くがたち、現在のハイブリット・エコカー全盛を築き上げた日本を、いや世界を代表するプリウスという車種。

2代目以降はその販売台数も多いため、新型が登場するとその買取相場が崩れていく傾向が予測されるので、マメに車情報をチェックするなどしながら乗り換えタイミングをはかるといいでしょう。

また、最近ではガソリン車種もコンパクトカーや軽自動車を中心に、その燃費性能が大幅にアップして人気を奪いかけています。

電気自動車や水素自動車の普及も含めて、プリウスはじめハイブリット車の立ち位置の変化も、その相場を左右するきっかけとなってくるかもしれないと考えます。

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