中古車売却実例:フェラーリ・カリフォルニアを高く売る方法 各社の査定結果と考察

今回の実例は一見するとそのまますぐには皆様のお役にたたないように思えますが、実はそんなことはありません。
フェラーリという趣味性の高い車の極地ともいえる売却事例を知ることで、一般的な売却方法についての差を最大化してみたいと考えました。
その差が必ず他の趣味性のある車の売却方針を立てる際のお役に立てるはずです。
また、今回は試験的に査定に出す前に査定額を予測し、答え合わせをしてみたいと思います。
高額商品のため買い手側も必死、一括査定での査定士との攻防も必見です。

 

 

対象車両の紹介

今回の対象車両は、スーパーカーとしてその名を全世界にとどろかせるフェラーリです。

世界最高のブランドの称号を持ち、昨年ニューヨーク証券取引所に上場も果たしています。

 

フェラーリの中でも、大人気モデルのカリフォルニアが今回の対象となります。

私も所有し、記事の中でも度々登場していますが、今回は私の所有車両ではありません。色違いです。

フェラーリ初のFR8気筒、
フェラーリ初の電動格納式ハードトップ、フェラーリ初の直噴エンジン、
フェラーリ初のツインクラッチシステム、
フェラーリ初の電動格納式ドアミラー、
フェラーリ初のトランクスルー、
フェラーリ初の・・・・・。

 

 

と、初めての試み満載で画期的でありながら、ほとんど故障しないという素晴らしい車です。

 

また、2+2のシートを持ち、トランクスルー機構を備えることからも日常ユースも視野にいれたユーザフレンドリーさを持ち合わせています。

 

その為、フェラーリとしては異例ともいえる台数が生産されており、その分リセールは少々お安めかも知れません。先日、後継車種となるポルトフィーノが発表されたことも売却価格には大いに影響してきます。

  • メーカー名:フェラーリ(Ferrari)
  • 車種名:カリフォルニア(California)
  • 年式:2010年式
  • 走行距離:31,500km
  • 車検:平成31年4月まで
  • ボディカラー:ロッソコルサ(定番の赤)
  • 購入:2年前に車買取大手の高級車部門リベラーラで中古車を1800万円で購入
  • その他:
    -禁煙車
    -新車価格は3000万円程度
    -コーティングが効いているものの、長年ボディカバーがかかっていたせいでヘアライン多め

 

売却準備

売却にあたっては、セオリー通りに以下の順で準備を進めていきます。

 

売却理由の確認

売却を迷っていたり、売却の意志が鈍ってしまったのでは売り時を逃してしまうことにも繋がりかねません。

ここでしっかりと自分の中での整理をつけておくことが重要です。

そのためにも

  • 売却理由はなんだったのか?
  • それは回避できないことなのか?
  • 他の代替案はないのか?

を明確にしておきます。

 

今回売却を考えているのは医師の友人です。

 

カリフォルニアは2+2であり、大人2人と子供2人までなら楽に乗れます。

ところが、3人目の男の子が生まれ全員での乗車が限界に達したというのです。

 

もちろん普段使いの車は別にあるので、家族全員で乗車できることは必須ではないのですが、家族で風を浴びるためにこの車を購入したという経緯からすると、存在意義そのものが失われつつあるということです。

 

売却は必須ではないものの、納得がいく価格がでれば売却するという方向に落ち着きました。

 

売却以外の方法がないか

売却以外にもカーシェアなどで維持していく方法もあることを過去に紹介しました。

 

しかし、フェラーリはほとんどの場合、保険会社から引き受けてもらえないことが理由でカーシェアには登録できません

できたとしても、心配で心配で人に貸すなんて不可能だと思います。

 

その上、万が一の事故時にはカーシェアの場合の大方の車両保障限度となっている300万円で治すことは到底不可能です。

 

過去に知人が渋滞で止まり切れずにフロントバンパー破損程度の追突事故(物損)を起こしたことがありましたが、修理に半年の期間と400万円を要しました。

 

そもそも、フェラーリの場合は金銭的に維持費に困っての売却ではないため、売却以外の方法を模索することすらナンセンスでしたね。

 

車両確認

改めて売却理由や条件を確認できたところで、現車の確認ステップに移りたいと思います。

 

高額車のため、間違いがあれば大きな揉め事に発展してしまいかねません。

丸2日間お預かりして、入念にチェックしてみました。

特にオプション、装備品などのアピールポイントを正確に自分の目と感覚で把握しておくことが重要となります。

 

確認のポイントと結果は以下のとおりです。

  • 客観的にみて内外装の綺麗さ(傷や剥げ等がないか)
    ⇒もちろんなし。内外装ともに非常に綺麗な状態です。
  • 車検証上の走行距離とメーター上の走行距離が逆転していないか
    ⇒これももちろんなし。実質2オーナーで履歴もハッキリしています。
  • 装備品や車内備品が全て揃っているか(取扱説明書、スペアタイヤ、車載工具など)
    ⇒全て揃っています。
  • 後付の装備品は何があるか(ETC、エアロパーツ、社外ホイール、ルーフキャリア、ドライブレコーダー、社外カーナビなど)
    ⇒レーダー探知機がついています。オプションとして以下が新車時に選択されていました。
    イエローレブカウンター、イエローブレーキキャリパー、20インチホイール、メモリー付パワーシート、内装ホワイトステッチ
  • 機関や機能に不具合箇所がないか(エアコン、オーディオ、ヘッドライト、エンジン、変速機の振動や異音がないかなど)
    ⇒もちろん不具合なしです。
  • 消耗品の残量(タイヤの残り山、ブレーキ残量)
    ⇒タイヤの残り山は7分山といったところ、ブレーキやクラッチに関してはカーボン複合素材が使用されており、この距離程度では3割も減りません。
  • 定期点検の履歴(車検時期、エンジンオイルや各油脂類の交換時期)
    ⇒オールディーラーメンテナンスのため全ての履歴が残っています。

 

準備の中でも一番大事な意志の再確認と現状チェックができました。

 

引き続き、車両の状態を少しでもよくすることから見ていきたいと思います。

 

車両補修

安価に実施できる範囲で簡単な補修を行っておきます。

 

写真映りという意味でも意外と無視できないほどの効果があるので、必ず実施しましょう。

ただし、ここでお金をかけすぎるのは禁物です。

 

いつもなら板金塗装はかけた費用を回収できないためNGと言っていましたが、今回は別です。

一か所だけイタズラによるひっかき傷があったため板金修理に出しました。

この一か所だけのために傷ありとみなされることを避けたかったからです。

 

例えば傷のため5%の値引きがされたとします。

一般的な車ならそれが数万円で済みますが、今回の車の場合売値は確実に1000万円超になります。

そうすれば数%ですら数十万円にもなってしまうからです。板金修理する価値が十分に見込めることになります。

 

書類のチェック

いくら車が綺麗でもこの書類が揃っていなければ、ここ日本ではほぼ価値が付かないものと思ってください。

それだけに書類の確認は非常に重要で間違いが許されません。

 

チェックポイントは以下です。

  • 売却に必須となる書類(車検証、自賠責保険証書、リサイクル預託証明書、印鑑証明書、譲渡証、委任状など)が揃っているか
    ⇒全て揃っています。
  • 車検証上の車の所有者は誰になっているか
    ⇒個人所有であり、友人本人の名義になっています。
  • 売却時に有利になる書類があるか
    ⇒正規ディーラーメンテナンスだったため、記録簿に全履歴が残っていました。

 

洗車、磨き

当然ですが、綺麗な車の方が汚い車より高値がつきます

手間を惜しまず時間をかけてじっくり洗車しましょう。

 

実際に行った作業とかかった費用は以下です。

マンション付帯洗車施設での水道代300円のみ。

非常に塗装状態がよく、撥水加工も効いていたため、手持ちのコーティング車専用洗剤を使用しました。

 

写真撮影

車を売却する際に必ず必要になるのが画像データです。

 

お見合いと同じで、まずは外見しか判断基準がないため画像からくる第一印象は非常に重要です。

どれだけ中身がよくても、この画像でNGだと、後からの挽回はもはや不可能とも言えるほどです。

 

ボディの全ての面が見えるように、前から順に1周撮影していきます。

最後に自分がもっともカッコいいと思える角度から2,3カット撮影します。

 

次は、内装の画像です。

走行距離や警告灯の点灯状況がわかるようにメーターパネルを撮影します。

シートの破れや特筆すべき場所があれば合わせて撮影しておきます。

この際、売却する予定にない装備品(チャイルドシート、レーダー探知機など)は全て取外しておきます

 

後は、エンジンルームやトランクスペースなど、スペアタイヤや車載工具、マニュアル類などの付属部品を撮影します。

いろいろ揃っていることでオリジナルの保管状態がいいことをアピールします。

 

 

車両価格の調査

一通りの売却前準備ができたところで、一体いくらくらいになりそうなのか各方面での流通価格を調査し、目標価格を試算します。

 

今回の様な少量生産の車、フェラーリですらある程度のあたりをつけることは可能です。

 

ただし、さすがにヤフオクの落札履歴を何十年振り返ったところで実績を見つけることは不可能だと思いますので、代わりとなる方法を解説させていただきます。

 

ほとんどの車で当てはまる方法ですので参考にしてみてください。

 

車両流通価格の調査

大手の中古車販売サイト(CarGooやガリバー、カーセンサーなど)で、同車種の中から年式や走行距離、その他の条件が似た個体を探し店頭価格=エンドユーザーへの流通価格を調査します。

 

ここで調査した価格はあくまでもエンドユーザーによる購入価格となります。

そのため、この価格が付くことはほとんどの場合でありえないと考えてください。

 

なお、オーナーである友人からは売却希望額として1500万円が提示されましたが、即答で不可能と回答しています。

 

理由については、①をみていただければわかります。

 

① 店頭価格

今回のフェラーリの場合は、概ね1400~1500万円といったレンジでした。

この価格には販売店の利益が含まれています。その利益を抜いた仕入値が業者間で扱われる価格ということになります。

 

② 中古車店の仕入値

本来なら複雑な計算式が存在するのですが、そこまで精緻に算出する必要はございませんので、便宜上25~30%見込まれていると考えておけばいいでしょう。

1500万円の25%で375万円の利益と仮定しそれを差し引くと、1125万円の仕入値ということになります。

(業者間オークションの直近の履歴で答え合わせしたところピッタリでした。)

 

③ 査定価格

実は、一括査定に出すまでもなくこの時点でだいたいの査定額までわかってしまいます。

自社直販の経路を持たない買取店は、査定で買い取った車を業者間オークションに出品します。

 

ということは②の価格での販売を目指すということです。

販売価格がわかっているなら、さらに見込まれている利益を差し引けば仕入れたい価格となるわけです。これが査定額です。

さすがに、店頭販売ほどの利益が見込めないことはわかっているので、ここでは15~20%とします。

 

1125万円の20%で225万円の利益を差し引くと、査定額900万円となります。

果たしてこの予測はあたっているのでしょうか?高い方に大きく外れてくれるといいのですが。

 

 

話が少々脱線しますが、店頭で中古車を買うということは②③の二段階において利益を加算されてしまっているということです。

売り手としても買い手としても考えさせられる内容ではないでしょうか?

得られたこれらのデータを元に次は目標売却額を決定したいと思います。

 

調査して得られた価格データを元にして目標売却額を決めるところから始めます。

 

目標売却額決定

調査結果を念のため振り返ってみます。

 

店頭価格:1400~1500万円
仕入値(予想):1125万円
査定額(予想):900万円

 

店頭価格を超えることは不可能ですが、業者間流通価格くらいは上回りたいところです。

そこで、目標売却額を少々強気の1300万円としたいと思います。

オーナー希望の1500万円にはかなり隔たりがあるものの、納得のいくレベルだと思われます。

 

売却目標額が決まればいよいよ実売に入っていきます。今回はどのような売り方が最適なのでしょうか?

 

 

下取り

今回は次に買う車が全く決まっていなかったため、下取りを検討することはできませんでした。

 

次もフェラーリなら正規ディーラーが少しは頑張ってくれた可能性もありますが、認定中古車として扱うには距離が伸びすぎているので、あまり期待はできなかったことでしょう。

(認定中古車として販売するには最低でも3万キロ以下、それ以上なら業者間オークションで売却するため他店と全く同じ構図となる)

 

 

一括査定

まずは相場観を養うためにも一括査定から始めていきましょう。

車両価格の調査結果からの予想が当たるのか外れるのかわくわくします。

 

今回はせっかくですので、査定予約時の対応から査定士との会話まで、全てを開示させていただきます。

名言はしませんが、どの会社の対応がよりよく、どの会社には出すべきではないのかが少し見えてしまいますね。

 

総じて、少し腰が引けた対応になっていると感じましたが、超高額車となると在庫として抱えることそのものが大きなリスクにもなるので、仕方ないかもしれません

 

査定士の見解を楽しむくらいの気持ちで臨んでください。

ほぼ不当な扱いを受けることになりますが、いちいち腹を立てずに査定士の知識のなさを多めにみてあげましょう。

 

一括査定申し込み

インターネットから思い立ったその場で申し込みができる点については、一括査定のメリットを感じます。

ただし、申し込み後の電話攻撃を覚悟した上で、電話をとることができるタイミングを見計らってください。

 

今回使ったのは“ズバット車買取比較”です。
https://www.zba.jp/car-kaitori/appraisal/

 

画面の案内に従って、必要事項を入力していくだけのはずですが、肝心のカリフォルニアが選択肢にありませんでした

自分の車種が出てこないと少々がっかりですよね。

 

一括査定申し込み直後からの電話

一括査定に申し込むと電話が鳴りやまないと聞いたことがあるかたが多いかと思います。

初めての方なら驚かれること間違いない程に、本当に電話が鳴りやみません。

 

大手から順番にかなりの回数の電話が、つながるまでかかってきます

スマホなら留守番電話やショートメッセージまで活用してきます。

電話番号ももちろん複数使ってくるので、この時点で会社を選択することは不可能です。

 

諦めて、全ての電話に最後まで応対するしか方法はなさそうです。

 

○G社

最初に電話がつながったのは、やはり業界最大手G社でした。

おそらくは独自の電話発信専用システムを持っているのだと思われます。

人の手では不可能なくらいの速さです。

<質問を受けた内容>

  • サイトに入力済みの内容の振り返り
  • モデル名
  • グレード⇒フェラーリは単一グレードです。この残念な質問をしたのはG社のみでした。
  • 車検の残り
  • 希望売却額⇒決めていない。納得のいく価格なら
  • 売却か乗換えか⇒売却
  • 車検証を見ながら質問に答えることによって、電話で査定が完了するとのことでした。
    車検証が手元にある状態の時間帯に再度電話をもらう約束をしました。

 

○B社
次はG社に次ぐ大手のB社です。

<質問を受けた内容>

  • サイトに入力済みの内容の振り返り
  • モデル名
  • 車検の残り
  • ローン残債がないか⇒なし
  • 走行距離について、年式の割に少ないが間違いないか?
    フェラーリで3万キロ超えに対して少ないというのは、車のことを知らなさすぎて呆れてしまいました。)
  • 現車確認がしたいというので、当日夕方に職場近くのショッピングモール駐車場で待ち合わせの約束をしました。
    どうしても単独1社で実施したいため、他社のアポを同じ時間に入れるのは避けて1時間確保してほしいと依頼されました。
    一括査定を利用しているのを知っていながら、少々わがままな気がします

 

○U社

<質問を受けた内容>

  • サイトに入力済みの内容の振り返り
  • モデル名
  • 車検の残り
  • ローン残債がないか
  • 希望売却額
  • 売却か乗換えか
  • 現車確認がしたいというので、B社の後の時間を指定したところ、「B社とはいつも一緒にやっているから同じ時間で大丈夫」とのことでした。
    どちらの言い分を聞けばいいのやら。

 

○O社
最近買取専門店をオープンさせた自動車用品大手のO社です。

<質問を受けた内容>

  • サイトに入力済みの内容の振り返り
  • モデル名
  • 車検の残り
  • ローン残債がないか
  • 希望売却額
  • 売却か乗換えか
  • 現車確認がしたい。
    こうなったら2社も3社も同じだろう、ということで他社と同じく18時に待ち合わせの約束をしました。
    ただし、職場近くのショッピングモールを指定したところ、使用許諾がとれているのかに拘りを持ち始め、電話を保留で長い時間待たされました。
    コンプライアンスの厳しさが伺い知れます。

 

大手としては以上の4社となりました。

引き続き比較的小規模な買取各社の電話対応を詳しく見ていきます。

 

一括査定を申し込んだ直後からくる電話の嵐、各社との応対について、ここからは個性的な比較的小規模店舗についてみていきましょう。

 

○T社
あまり名前に聞き馴染みがないグループ企業です。

<質問を受けた内容>

  • サイトに入力済みの内容の振り返り
  • モデル名
    「凄いですねー!」「カッコいいですね!」とのほめ言葉をいただきました。
    お世辞の可能性ももちろんありますが、やはり人とは違った車に乗っている身としては嬉しいです。
  • 車検の残り
  • 走行距離⇒3.1万キロと伝えたところ、「走っちゃいましたね~(笑)」とのことだったので、B社との認識が真逆なことに笑ってしまいました。
    こちらの反応が正解です。
    高年式のフェラーリは3万キロを境に価値が下がってしまう傾向にあるため、2万キロ代で手放す方が多いのです。
  • 車の状態⇒不具合箇所なし、修復歴なし
  • オプションを詳細に確認されました。
    質問の内容からも相当フェラーリに詳しいことが伺えます。
    ようやく本命の登場かと感じました。
    ⇒20インチホイール、イエローキャリパー、イエローレブカウンターが入っていることを伝えました。
    カーボンステアリングやデイトナシートがないことに少々がっかりしているようです。
  • このT社だけは、当日都合が悪いため翌日現車確認させてほしいとのことだったので、翌日18時に他社と同じ場所で会う約束をしました。
    当日ではなく翌日というのも、他社の金額が出揃うのを待つための戦略かもしれません。

 

○K社

  • サイトに入力済みの内容の振り返り
  • 「素晴らしいお車なので当社でお取扱いできるかどうか確認してみますので、折り返しをお待ちください」と、言ったきりその後二度とかかってきませんでした。
    サイトに入力済みの内容で十分判断できるはずなので、わざわざ電話してこないでほしかったです。
    時間の無駄で怒りを覚えました。

 

 

振り返ってみると、T社のみが男性で電話口の男性が自ら現車確認にもこられるとのことでしたので、早速詳しい内容を会話することができました。

 

電話応対は女性の方が安心感はあるかもしれませんが、単なるオペレーターに過ぎず話の内容も当たり前の質問とアポ取りのみのため、少々時間の無駄に思えました。

 

 

① いよいよ査定1日目

待ちに待った査定士との直接対決のお時間がやってまいりました。ワクワクしますね。

各社あの手この手で攻めてきますが、想像以上に会社のカラーや戦略に違いがありましたので詳細に振り返ってみたいと思います。

査定にあたっては、最初に以下の内容を参考情報としてお伝えしておきました。

 

  • 売却するかどうかは金額次第であり、納得いかなければそのまま乗り続けるという選択肢もあり得る。
  • リベラーラで2年前に1800万円で購入した車であり、2年しか乗っていないのにそれほど価格が下落するとは思っていない。
    1400万円前後なら即決してもよい。
  • ある程度中古車業界のことは理解しており、直販でなければ納得のいく価格は出ないと思われる。

 

 

○U社

約束の時刻10分前にまずはU社が到着しました。早めに仕事を片付け準備も整っていましたし、個人的に10分前行動派なので、好感が持てました。

 

このU社のみ顧客シートへの記入を頼まれました。

内容はほとんど電話で伝えたことの重複です。

 

確認していた内容は以下の通りです。

  • 外装チェック(写真撮影)
  • 車検証チェック(写真撮影)
  • エンジン始動
  • メーターパネル、ナビの画面チェック(写真撮影)
  • エンジンルームチェック(写真撮影)
  • 特徴
    本社とのやり取りに使用する端末の画面にはオプションリストが表示されており、それと現車を見比べて入念に確認していました。
    20分現車確認をしては、自分の車に籠って20分本社とやりとりする。というサイクルを何度か繰り返します。
  • 金額提示
    現車確認終了した時刻がすでに営業が終了している時刻だったこともあり、その日の金額提示は不可能で後日電話提示とさせてほしいとのことでした。
    その日の概算としては、1000万円前後が限界だろうとのことです。
    後日の電話はかかってきませんでした。

 

 

 

○O社

U社に遅れること10分、O社査定士が到着しました。

他社とバッティングすることに不都合がないか聞いてみたのですが、「いつものことなので顔見知りだし問題ございません。」との回答でした。

 

確認していた内容は以下の通りです。(オリジナルのポイントに★)

  • 外装チェック(写真撮影)
  • 車検証チェック(写真撮影)
  • エンジン始動
  • メーターパネル、ナビの画面チェック(写真撮影)
  • エンジンルームチェック(写真撮影)
  • ★特許技術の塗膜厚センサーによる塗装修復チェック
    O社だけの特許技術でもあるセンサーを用いてボディ各所の塗膜の厚さを測定することにより、板金や修復箇所がないかを見極めます
    計測値を見せていただいたところ、赤字が異常値に対して、ほとんどが赤字となっていました。
    もちろん、修復箇所が多いわけではなく国産車やドイツ車と異なりイタリア車の塗装が最初から均一ではないということです。
    とりわけ左ドアの数値が高めだったことから、その箇所を入念に確認していましたが、特に修復履歴は見当たらないとのことでした。
  • 7つのお約束と題した紙の説明を受けました
    要約すると、大手ならではの看板を生かした安心できる取引が可能ということです。
    特に売買契約をしっかり締結し、引き取り後は一切のクレームを申し立てないというところに好感を持ちました。
  • 特徴
    個人差だとは思いますが、車の扱いが少々雑に思えました。
    手に持っている懐中電灯が音を立ててボディに触れていたり、塗膜厚センサーも金属の端子部分を直接ボディに押し当てて計測するため傷になりかねません。
  • 金額提示
    U社同様に即日の金額提示は控えさせてほしいとのことです。
    このクラスになると社内でも相当な権限者の決済が必要なようです。
    概算はU社同様に1000万円前後とのこと。
    後日の電話はかかってきませんでした。

 

次に来たB社の査定士は少々面白い方でした。

査定よりも人生相談の方がメインだった気がします(笑)

 

引き続き査定士との攻防の様子を見ていきましょう。

B社からはとても査定士には見えない若者がきました。

 

○B社

おおよそ査定士には見えない若い男性が現れました。

25歳の社会人2年目でフェラーリに触れることすら2回目とのことです。

手袋を忘れたため、買ってきますとのことでしたが、時間がもったいなかったので素手OKを出しました。

 

確認していた内容は以下の通りです。(オリジナルのポイントに★)

  • 外装チェック(写真撮影)
  • 車検証チェック(写真撮影)
  • エンジン始動
    自分で始動させるのが怖いので、始動してほしいとお願いされました。
  • メーターパネル、ナビの画面チェック(写真撮影)
  • エンジンルームチェック(写真撮影)
  • ★人生相談
    詳しい内容はあまりにもプライバシーに抵触するため差し控えさせていただきますが、仕事上での悩みや生き方、好きなアーティストなどいろいろなお話をしました。
    礼儀正しい若者で好感が持てました。
  • 金額提示
    前2社同様に1000万円前後が限界とのこと。
    正式な金額提示は特にしないので、本当に売却したくなったら電話をする約束をしました。
    2日後にも確認の電話がありました。

 

 

○G社

業界最大手のG社から他社の査定中にも何度か電話がありました。

  • 1回目
    車検証をみながら質問にいくつか答えました。
  • 2回目
    900万円の金額提示があったので、リベラーラ(G社の高級車販売店)で購入したことを伝えると、再考するとのこと。
  • 3回目
    1020万円と一気に120万円査定額がアップしました。
    見込みの買い手が現れればもっと上乗せできるかもしれないが、今の限界はこのあたりだそうです。

 

②査定2日目

二日目はT社のみです。

○T社

電話での対応を見る限り本命のため期待が高まります。

 

確認していた内容は以下の通りです。(オリジナルのポイントに★)

  • 外装チェック(写真撮影)
  • 車検証チェック(写真撮影)
  • エンジン始動
  • メーターパネル、ナビの画面チェック(写真撮影)
  • エンジンルームチェック(写真撮影)
  • ★ルーフオープン
    この項目がオリジナルのポイントになることに一番落胆しました。
    カリフォルニアはフェラーリ初の電動ハードトップを備えたオープンカーです。
    そんな最も重要なポイントを確認したのがT社だけだなんて。
    他社はクーペだとでも思っていたのでしょうか。
  • ★ドアモール外し
    ドアのゴムモールを取外してスポット溶接の跡を見比べていました。
    特に問題はないとは思われるものの、左右で少し差があることに気付いていました。さすがはイタリア車と言うべきかもしれません。
    査定士により判断の分かれるポイントでもあるのですが、この点をここぞとばかりに修復有だと決めつけて騒ぎ出す査定士も存在しています。
    あくまでも可能性があるというだけでこの時点で断定することは不可能ですので、言動に惑わされないようにくれぐれもご注意ください。
  • 特徴
    懐中電灯を持たず、スマホのライトで済ませた点や、そのスマホを手袋を嵌めた手で持ったが故にサイドシルに落とした点はいただけなかったです。
    4社の中では断トツでフェラーリに対する知識がありました
    グループの代表者自身が相当な車好きだそうで、共通の友人もいました。
  • 金額提示
    残念ながら他社同様1000万円前後の概算でした。

 

各社の査定結果と考察

電話査定まで含めると全5社の査定を受けてみての結果は、最高で1020万円でした。

しかし、その金額を出したG社は現車確認をしていないので、おそらくはそのままの金額を支払うつもりはないと思われます。

この金額に至るまでのプロセスを私なりに解説させていただきたいと思います。
事前調査や査定士全員の証言から、業販オークションの落札相場がズバリ1100~1200万円です。
そこから自社の利益やリスクヘッジを差し引くとどうしても1000万円が限界となります。
本当は20%前後の利益を見込んで900万円を提示したいところではあるものの、他社との競争もあり1000万円前後とお茶を濁しています。
何よりも4社にとって誤算だったのはG社の提示金額です。
本来なら殿様商売で最も低い金額を提示するはずのG社が、過去に自社で販売していたことから取り扱い二回目となる今回の利益を削って1000万円以上を提示してきたことです。
この内容からご理解いただける通り、5社とも自社直販は不可能と諦めているということです。
これが、もし仮に1社でも自社での販売を覚悟していれば事情が一気に変わります
現在のユーザー市場での価格が1500~1600万円となっています。例え利益やリスクヘッジを300万円乗せたとしても1200~1300万円で買い取れる計算となります。(消費税等もあるためここまで単純ではありませんが)

一括査定の詳細なやりとり、いかがだったでしょうか?

 

最後に一括査定の結果から得られたメリットや、査定に出す際の重要な注意点について解説させていただきます。

 

 

一括査定の結果と予測

一括査定の結果は、事前に立てた予想を10%以上も上回る1020万円でした。

 

予想をした私にも提示した各社にも予定外だったのは、前回購入していたG社の意外な頑張りでした。

売買が二度目ということもあり、今後のリピートへの期待も含めて自社利益を減らす判断ができたのだと思います。

 

ただし、仮にそうだとしてもわずか2年前に自社販売した車を44%(800万円)もダウンさせてもう一度買い取ろうなんて、少々暴利だと思いませんか?

 

 

一括査定における注意点

今回は高額車両だっただけに、一括査定における注意点がいつもにも増して際立ちました。

O社の7つの約束には実は理由があります。

 

わざわざ“引き取り後のクレーム申し立てはしない”と宣言するということは、逆に言うとクレームによるトラブルが発生しているという事実が見えます

とりあえず他社より高額な金額を提示しておいて、車と書類を引き上げた後に瑕疵担保責任を追及することで、減額を迫る業者も車業界には残念ながら存在しています。

 

高額車両では特に要注意です。

相手が大きければ大きいほど、訴訟の際の体力差から泣き寝入りせざるを得ないケースに発展する可能性が高いため、個人のユーザーは特に気をつける必要があります

 

具体的な対応方法としては、

 

  • 売買契約を締結するまでは車両も書類も渡さない。
  • 引き渡しは、現金との交換、または事前の振込みを原則とする。

などが挙げられます。

 

 

一括査定を終えた素直な感想

最初からある程度覚悟はしていたものの、不動産バブルに代表される好景気やフェラーリのブランド力から過度な期待があったのも否定できません

 

1800万円で購入して2年で800万円も値下がりしてしまったことはショックです。

(中古で購入しているため、実際には仕入値予想1400万円との差額は400万円、本来は年間200万円の下落とみるべき。)

 

査定を受けることで、市場価値をハッキリ知ることができたこと。

そして、一括査定により各社が1000万円という基準額に対して、オークション的に値段を更新しあうこともあり得るという点はメリットを感じました

中には現車確認のやりとり中に自社販売を匂わせるような発言もあったので、結果からみると明らかに嘘ということになります。

このあたりは査定士の言うことを全て鵜呑みにせずに疑ってかかることが大切です。

 

相手は1円でも安く買い取ろうとするプロだということを忘れずに戦う姿勢が求められます

駆け引きを楽しめる余裕をもってぜひ一度試してみてください。

 

一括査定の結果は、少しの想定外があったものの基本的には予想からそれほど乖離のない残念な結果となってしまいました。

 

ただし、事前に予想できていた=最初からわかっていただけに、もちろん別の売却手段を検討していました。

 

個人売買

中古車を高値で売るためにはどうしても中間マージンの存在しない個人売買に頼らざるをえないのですが、今回のような高額車両の場合、ヤフオクでは役不足です。

 

ヤフオクが活躍できるのは、10万円を切るような低価格車両~せいぜい300万円以下となります。

それ以上となると、やはり匿名性の高さや閲覧者の年齢分布的に難しいと言わざるをえません。

 

Ancarやエンスーの杜等の個人売買仲介サービスへの登録も視野に入れて検討していたのですが、出品する前に並行して声をかけていた後輩から手が上がりました。

以前からフェラーリ、特にカリフォルニアに強い憧れがあり、今すぐ現金が用意できるわけではないので、ローンが通るようなら購入したいとのことでした。

 

オーナー、買い手双方の間で要望を聞きだし、歩み寄った上で極力要望を満たせるよう調整した結果、売買価格は1300万円となりました。

売り手としては希望の1500万円には届かないもののG社の出した1020万円を約300万円上回り、買い手としても中古車店の相場1500万円から200万円安く買えることになります

 

そして、何よりも双方にとって信頼できる相手との取引となる上に、同じ車好き同士の仲間が増えることとなります。これには、お金には換算できない価値があります

 

個人売買のデメリット

個人売買のいい側面だけを述べましたが、もちろんデメリットも存在しています。

例えば、間に入る人の信用です。

間に入るのが付き合いの浅い友人だったり、それほど知らない間柄の場合は、売買代金の受け渡し時に持ち逃げされたり、登録書類を悪用されるようなリスクも考えられます。

このあたりは、相手方がどれだけ信頼していたとしても、自身はそれに頼り切らずに常にリスクをヘッジしておくことが重要です。

 

方法としては、やはり現物確認と書面による取り決めが一番です。

また、書面を交わす際には、受け渡し後の見落としや故障に関しても取り決めておくことをお勧めします。

あくまでも中古車の個人売買である限りは現物優先の保障なしが原則となります。

 

普段あまり耳にすることの少ないスーパーカーの売却について細部にわたってお伝えしましたが、いかがだったでしょうか?

 

金額の大小こそあるものの、どんな車にでもすぐに応用できるノウハウをたくさん解説したつもりです。

フェラーリというキーワードを入口として興味をもっていただけることで、売却方法や注意点が少しでも多くの方のお役に立てれば幸いです。

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