代理店型VS通販型!自動車保険を加入タイプ別で比較してみた!

加入する自動車保険を、店舗をしっかりと構え信頼と実績が売りの代理店型にするのか。それとも、CMなどをバンバン流しそのスピード感と、安い保険料が魅力の通販型にするのか、悩んでいる方は多いはずです。
そして、一般ユーザーがネットなどで情報を集め易いのはやはり通販型で、代理店型について詳しく知っている方は少ないのが現状です。

 

そこで今回は、両者をその成り立ちや特徴から比較、自動車保険の勧誘と加入手続きの代行ができる、「損害保険募集人資格」を持つ筆者が詳しく徹底解説をしてまいります。

 

代理店型自動車保険の概要と特徴

まずは、老舗の多い代理店型自動車保険について、その仕組みや概要を説明してまいります。

 

実はシェアの8割以上は代理店型

もともと古くから、日本国内で自動車保険を取り扱っていたのは、この代理店型と呼ばれるものだけ
1996年ですから今から約20年前、アメリカに本社を置くAIG傘下のアメリカンホームダイレクトが、国内で初めて自動車保険の通販販売許可を得るまでは、そのシェア100%でした。
そして、現在においても知名度先行・低価格重視の通販型よりも、従来の代理店型に加入している方の方が断然多いのですが、それは信頼性や安心感について「プライスレス」なものとして捉え、重要視する日本特有の特徴ともいえます。

例えば、日本に先行すること約10年、1985年から通販型自動車保険の参入が始まったイギリスでは、日本がまだ1割強の通販型シェアなのに対し現時点でそれが半々、約50%が通販型という状況になっています。

また、世界的に見て任意保険加入率が87%近くある国は日本ぐらいのもの、しかも他国は

  • 盗難
  • イタズラ

などの発生に備えた、車両保険にまず加入するのが基本スタイルで、他人への賠償責任への補償は後回し。
さらに、通販型を日本に持ち込んだアメリカでは、自動車保険を取り扱う企業が日本の約50社程度に対して約3000社。
人口と自動車の総数が多いといっても、あまりにその数が違いますが、これは州ごとに道路状況や事故・犯罪件数が異なることに対応するためです。


そして、どこも日本の自動車保険より、かなり違反歴や、事故歴による保険料の割増率が高いのが特徴です。
そのため、事故や犯罪の多い州であればあるほど、自賠責も含め保険未加入の車が走り回っていて、州によっては道を走る車の3割以上が無保険車両という、日本では考えられない状況になっているのです。

要するに、自動車保険は犯罪やもらい事故から自分を守るための最低限補償にとどめているのがグローバルスタンダード、日本人がこだわっている「安心・安全・信頼」などは二の次。
とにかく、価格の安い保険商品にニーズが集まっているのも、日本の自動車保険と大きく違う所です。
つまり、代理店型がここまで支持をされているのは単に価格面だけのことではなく、日本人がその奥底に持っている国民性が大きく関わっているのです。

その証拠に、国内の保険・損保会社も参入してきだした2000年時点では、わずか1%のシェアだったのにもかかわらず、

「10年もたたないうちに、10%に達して、将来的には30%まで伸びるのではないか。」

と、各通販損保関係者は口をそろえて自信をのぞかせていたものの、全くそれには達していない。

価格面で人件費や店舗維持費、代理店手数料などで有利なはずの通販型にして、まだまだ代理店型の牙城を崩し切れていないのが日本国内の自動車保険業界の現状です。

 

主な代理店型保険会社・損保会社

ここで、代理店型と言われても「どこがそうでどこがそうでないかわからない」というユーザーのために、主だった代理店型自動車保険について紹介をしておきたいと思います。

会社名 概要
損保ジャパン 日本興亜 単体の損保会社としては日本最大、ジャパンと日本という同じ意味を持つ単語が入っていて、社名が「長すぎる」と一時話題に。
三井住友海上 2016年3月期での正味収入保険料が1兆5,000億円を超える、「3大メガ損保」の一角。2015年、単日自動車保険の「1DAY保険」を日本で初めてコンビニで販売。
東京海上日動 旧安田財閥系の日動火災を、三菱財閥系の東京海上が吸収することでできた、前述2社とともに3大メガ損保と呼ばれる会社。過去には長期にわたって、文系大学生の「入りたい会社ランキング」トップに立っていたこともある。
あいおいニッセイ同和損保 2010年あいおい損保とニッセイ同和損保が合併してできた企業。実は三井住友海上と全くの同企業グループで、取り扱っている保険商品も共通している。
AIU保険・富士火災 どちらも独立した損保会社だったが、2018年アメリカンホーム保険が属するAIGグループとして合併、AIG損害保険として再スタートすることが決まっている。

この他にも、共栄火災や朝日火災など中堅どころの会社もありますが、上記の5社で国内の自動車保険の約7割は占められています。
また、保険・損保はその合併や再編が頻繁な業界、「あれ?自分の自動車保険知らないうちに会社名が変わってる!」、なんてこともよくあります。

ただ、それによって保険料や定款・約款の内容が若干変化することもあるので、たまには公式HPをチェックしておいた方がいいでしょう。
特に、AIU・富士火災の自動車保険に加入している方は、必ず定款・約款などを合併後は見直しておいてください。

 

サービス向上への取り組み

昔は、個人経営の自動車販売店なども代理店として機能していましたが、最近はかなりその店舗数が減少してきた感のある、代理店型自動車保険。
事実、日本損害保険代理業協会の統計によると、2003年に305,836店あった代理店の数が、2012年には194,701店まで減っています。

この原因には大きく2つの事柄があり、まず1つ目は代理店型自動車保険が、通販型の台頭を防ぐために始めた安心感や信頼性の回復への取り組みです。
実は2000年に入ったころから、通販型が徐々に入り込み認知度が上がってきたのに合わせて、個人経営の中古車店などによる、自動車保険代理業務に対してのクレームが殺到しだしたのです。

  • 「保険のプロではない」
  • 「接客がなっていない」
  • 「言葉遣いが雑で乱暴」
  • 「相談してもはっきりとした回答が無い」
  • 「事故対応がお粗末」

など、本来代理店型が維持していなくてはいけない安心感や信頼性が低下、そこに通販型の入り込む隙を与えてしまいました。
そのことが原因で、大元である保険・損保会社が代理店について選抜、併せて保険市場で通販型に敗れ自然淘汰、小さな代理店は保険業務から撤退し始めたため、店舗数の減少につながったのです。
そもそも、そのスタイルの名前にある通り、代理店型とは保険会社と顧客との間に代理でその業務を行う人間、もしくは店が存在します。

通販型、別名、ダイレクト型のように直接的に保険・損保会社と顧客が接触することなく、

  • 保険勧誘
  • 保険料の受領
  • 申し込みや契約内容の変更
  • トラブル時の初期相談対応

などが、代理者によって行われる自動車保険が代理店型自動車保険です。

代理店のスタッフの質が、そのまま保険会社の評価に繋がっていることに危惧を覚えた各代理店型企業は、

  • 他の保険商品も取り扱う複合型保険代理店
  • 資格試験にパスしたスタッフのいる車ディーラー・大型中古車販売店などといった法人
  • 直営の営業所・支店

での、保険業務しか許可・認可せず、それ以外の店とは代理店契約をしない様になってきました。

この流れを決定的にしたのが、代理店型の店舗が大減少したもう一方の理由、2006年に巻き起こったほぼすべての保険・損保会社が絡む「大不祥事」です。
「保険金不払い事件」として、ウィキペディアにも掲載されているこの一大スキャンダルは、2005年2月富士火災による自動車保険特約の不当な不払いがあったことの端を発し、次々と他の保険・損保会社にも、似たような不当不払いがあったことが判明していきます。
結果的に、2007年時点で保険会社37社、損保会社27社で不当な保険金不払いが判明しますが、これはすべてが悪意と故意によるものではなく、末端にいる担当者の不勉強と手続きの不備などが原因であるものも多かったのです。
また、過剰な顧客獲得競争が生んだ業界全体の問題であり、この不祥事によって評判を落とし経営が悪化・破たんする中小規模会社や、合併して経営を立て直す企業が増加しました。

しかし、結果的に現在残っている代理店型自動車保険は、業界空前の大不祥事を乗り越え保険業務体制を見直し、さらに信頼と安心を回復する努力をしたところばかり。
そして、そこには保険の知識を積みユーザーの相談にしっかりと適切に乗ってくれる、「損保募集人」がいます。

 

募集人の存在

上記で触れた事柄が発端で、現在自動車保険を勧誘斡旋・代理をして業務を行っている代理店は、

各保険会社が実施する研修を受講

代理店試験を受験・合格

代理店委託契約を締結

財務局による審査通過・登録

代理店業務開始

という手順を必ず踏んで営業をし、徹底した保険業務の健全化に努めています。

そして、自動車保険の場合顧客との面談による商品説明と勧誘は、「損害保険募集人資格」の試験にパスををし、上記の要領で代理店登録を行った店で、募集人届け出をしたものしかできない決まりになっています

それ以外の方ができるのは、非募集行為と呼ばれる業務で、

1. 商品案内チラシや満期案内ハガキ、パンフレットなどの配布や郵送。
2. コールセンターのオペレーターが行う、自動車保険申し込みの受付や解約・中断などの手続き説明。
3. 客との接点をもつことのない、契約申込書・保険料領収証・保険証明書の作成。
4. その他店舗運営に必要な、経理などの自動車保険と直接関係しない事務業務。

などが、それにあたります。

よく見るとわかりますが、2番の業務は通販型の自動車保険の加入手段に似ていませんか?

そうです、通販型の電話受付で応対しているスタッフのほとんどが、募集人資格を持っていない可能性があるのです。
自動車保険に対する知識や手続きの正確さを認められた代理店が選抜されその中で有資格者が商品説明をする、その安心感と信頼性が何とか通販型の成長を現時点では食い止めています。

 

最大の加入タイミングを押さえている強み

日本人の国民性、復活しつつある信頼感、そして保険のプロである募集人の存在などの代理店型が認められ、いまだその支持率が高い理由を分析しました。
ですが、実は、最もそれに繋がっている理由について触れている情報はありません。
なぜかずっと疑問だったのですが、ここで筆者が突っ込んでおきます。

それは、「新車購入という最大の保険加入タイミングを、代理店型3大メガ損保が独占している。」からです。
国内で、1年間で売れる新車の台数ご存知ですか?大体毎年、軽・普通車含めて500万台は売れているんです。
通販型のトップ、ソニー損保でさえ1999年の設立から積み上げてきた総保有契約者は、200万件にも届かない。
そんな中、この数の勧誘機会を何もせずに毎年ゲットできるのですから、実は信用も信頼もあったものじゃありません。
新車ディーラー各社と代理店型はその結びつきが強く長いため100%絶対に代理店型自動車保険を進めてきますし、大きな買い物であるピカピカの新車を大事にしたい心理が働くのでその加入へのハードルがめっぽう低い。

しかも、トヨタでは、三大メガ損保の保険と自社のクレジット(トヨタファイナンス)を組み合わせて、ローン支払いと保険料支払いをセットした商品なども準備しているほどの力の入れようです。

 

通販型自動車保険の概要と特徴

まだまだ代理店型のシェアに遠く及びませんが、積極的な宣伝などで少しずつですが、そのユーザーも増えている通販型自動車保険。
保険料の安さが良く言われていますが、その理由も含めて、まずは概要からみていこうと思います。

利便性は代理店型を圧倒!

その申込はすべてネットと電話で完了できるうえ、数社を一括で見積もりできるサイトなども多く存在するなど、加入や商品選択について非常に簡単なのが通販型。
わざわざ店舗に行かなくても良い、というより、店舗が基本存在しないので時間もかからず、契約内容の変更なども電話と郵送で可能、解約手続きもなく概ね1年契約で満期が来たら自動的に解約されます。
そのため、慣れた方なら満期の前になると一括見積りを利用、より保険料の安い自動車保険に乗り換える続ける方もいます。

 

確かに保険料は安い!その理由は…

先ほどの、次々と自動車保険を乗り換えるユーザーもそうですが、通販型をチョイスする方はその安い保険料に魅力を感じている方が多いのがやはり特徴。
もともと自動車保険料が高い若い世代や一家で何台も車を保有し、保険料の節約が家計に直結する世帯などから強い支持を集めています。

通販型であれ代理店型であれ、すべての自動車保険の保険料は、実は2つの要素で決定しています。
1つ目は「純保険料」と呼ばれるもので、事故などが発生した時に加入者に支払われる原資となるものなのでどの自動車保険でも基本的に一定額です。

問題はもう一方、

その用途が、

1. 利潤・・・保険会社の利益となる部分、要するに儲け。
2. 運営費・・・テレビCM・雑誌の広告などの宣伝費・店舗維持費・人件費。
3. 代理店の手数料・・・新車ディーラーや中古車販売店などへ保険会社から支払われる手数料。

などである、付加保険料です。

どの自動車保険も商品であり保険・損保会社は基本株式会社ですからそれを売って利益を出さないといけないのは当たり前なので、1番については必ず発生しどこもそれほど変わりません。(一部全労済やJAなど利潤重視でない自動車共済もある)
2番については、宣伝広告にお金を使っているのは通販型の方ですが、人件費などその他の運営費は代理店型に比べるとずいぶんと安上りですし、3番の代理店手数料については一切要らない。
このことが、通販型の自動車保険の保険料を安く設定できる、大きな要因となっているのです。

 

ネットや電話で申し込み完了、なら募集人はどこに?

ネットでの申し込みの場合は、その入力データを保険の専門家がいる通販型自動車保険会社本部が一括管理するので、募集人と話す機会はありません。
また、電話での問い合わせなどをした際に話すスタッフも、基本的にはテレフォンアポインターとして雇われた方で募集人資格は持っていませんが、上記で紹介した非募集行為の項目に入っているので一切問題ありません。

主な通販型保険・損保会社

通販型と呼ばれる自動車保険会社は、代理店に比べて芸能人を起用したCMなどがよく流れているので、名前は知っている所も多いはず。

会社名 概要
アクサダイレクト 世界最大の保険事業グループであるアクサグループの一員でその設立は2006年。
元はSBI損保とは同グループだったが、経営方針の違いから2010年独り立ち、通販型自動車保険売上2位グループの筆頭格。
チューリッヒ保険 アメリカンダイレクトと並ぶ外資系通販型自動車保険、世界170ヵ国以上に保険事業や金融事業を展開、総従業員数5万5千人の「チューリッヒ・インシュアランス・グループ」の一員。
ソニー損保 現在の通販型自動車保険のトップ企業、グリーンモンスターがその美声でCMソングを歌い話題なり、現在はクリームシチューや内田有紀さんがCM出演をしている。
三井ダイレクト損保 社名でわかるとおり三井系の通販型自動車保険であり、代理店型である、三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保とは同じ企業グループ。一部商品を同じくしているが、保険料は違う。
SBI損保 設立当初はソフトバンクの傘下、SBIとは「SoftBank Investment」の略だったが現在はグループから脱退。
せっかく上がった知名度を生かすためSBIという社名は変えていないが、「Strategic Business Innovator」(戦略的事業革新者)の略に変更したと同社は称している。

公平を期すために、有名どころを代理店同様5社挙げましたが、この他にも「おとなの自動車保険」という商品名が、俳優の香川照之さんが登場するCM が流れているセゾン自動車火災や、代理店型メガ損保の東京海上グループに属する、イーデザイン損保なども有名です。

 

あれあれって思いませんでした?

前項を読んで、外資系や一部損保を除くと、実は代理店型3大メガ損保の傘下あるいは同一グループに属している通販型が多いことに、皆さん気が付いたでしょうか。

SBI損保は、その設立にあいおいニッセイ同和損保が絡んでいますし、国内の大手通販型の中で、全く代理店型の息がかかっていないところと言えば、ソニー損保ぐらいのものです。

ですので、代理店型が主張する、

  • 補償内容の充実
  • 巨大企業としての安心感
  • 長く自動車保険を扱ってきた経験とノウハウ

などについて、通販型か代理店型かという事実だけで、それに違いが出ることはあまりありません。
だって同じ会社の場合があるわけですし、下手をすると全く同じ商品を使っているところまであるのですから。
確かに設立が若い通販型は多いですが、代理店型のノウハウがしっかりと奥底に流れているため、すべての通販型が経験不足と考えるのも無理があります。

ただし、通販型の場合、

  • 特約のセット・内容確認
  • 保険金の支払い条件確認
  • 支払われない免責項目の確認

などを、自分の力でしないといけません

また、通販型は確かに通知は来ますが、それを見逃し何もしないと満期が来れば自動的に失効してしまします。(自動更新する特約もありますがその説明やチョイスも自分で確認しないといけない)

代理店の担当者とは、長い付き合いになることも多く、ユーザーを繋ぎとめるため満期が近づくと結構しつこく電話などをかけてくるので、良くも悪くもうっかりと加入し忘れる心配が少ない。

結論的に、ここまでのそれぞれの特徴を踏まえると、自己管理ができしっかりと自分に合った自動車保険をチョイスできるのであれば保険料の安い国内の通販型をということになります。
少々値段は張ってもプロに設計を依頼してジャストフィットな自動車保険を選びたい方は、相談だけならば一切料金も発生しないので、一度代理店を訪れて実際に話を聞いてみるといいでしょう。
ただ、外資系通販型だけはちょっと毛色が違うので、これについては機会を見て詳しく別記事にしたいと思います。

 

まとめ

確かに、通販型自動車保険の方が、その保険料がかなり安上がりなのは、紛れもない事実です。
しかし、保険料だけで自動車保険を選ぶべきなのか、それぞれの事故対応能力は…、ロードサービスはどうなの?、なんて疑問が噴出するのが自動車保険選びです。

今回は、大きなくくりで両者を比べてみましたが、同じ代理店型・通販型でも千差万別、こちらには合うけれどこちらの方には合わない、といった具合にケースごとに選ぶべき基準が変わります。

今後当サイトでは、今回紹介した保険・損保会社を中心に、通販型代理店型問わずそれぞれの自動車保険ごとの詳しい紹介もして、皆さんの保険選びの手助けができればと考えています。

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