
妊婦のシートベルト着用義務は?
臨月までいかなくとも腹部にあれだけの重量物があれば妊婦さんはさぞ大変で、特にシートベルトの圧迫感は相当なものだと想像できます。
しかし、苦しいからといって緩めて装着したのでは、万が一の事故の衝撃に耐えられず妊婦さんもお腹の中の赤ちゃんもどちらも守ることができません。
時々、「妊婦はシートベルトをしなくてもよい」という話を聞きますので、念のために道路交通法を調べてみました。もちろん装着義務がなかったからといって付けないのは自殺行為に近いです。
道路交通法を要約すると「妊婦は健康保持上やむを得ない時のみ着用の義務が免除される」と表現されていました。
やむを得ない時のみということですから、特段の理由なくただ楽だからしなくてもよいとかそういうものではありません。
もちろん理由がない場合は妊婦さんでも違反にもなります。何よりも乗員の安全が最優先ですので。
道路交通法違反どうこうの前にシートベルトの装着義務は衝突時の安全、および走行中の体をシートに固定し安定させるために存在しています。
「お巡りさんに捕まりたくないから仕方なくベルトを着ける」という考えの方はここの読者にはいないと思いますが、後部座席は未だに着用率が低いのが現状です。
シートベルトをつけないことが一体どれだけ危険なことかをご理解いただくために統計を調べてみました。
警視庁が発表している事故統計です。
シートベルト非着用時の交通事故致死率は着用時のなんと15倍にもなります。そして、非着用で事故を起こしている人が年間2万人以上もいることに驚きを隠せません。
何度も言いますが、シートベルトは絶対に着用してください。
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/anzen/seatbelt.html
シートベルト着用関連統計より 出典:警視庁WEBサイト
妊婦用のシートベルト補助用品を活用
妊娠中の正しいシートベルト着用方法は警察や産婦人科学会などの各機関から紹介されていますので、圧迫を避けた方がよい部位など身体の何処に負担をかけないようにすれば良いか、参考にしてみるといいです。
また、それでも苦しく感じる場合には、腹部に対する負担を和らげてくれる「マタニティシートベルト」などのグッズも市販されています。こういったものを活用する事でよりストレス無く車に乗る事ができます。
マタニティシートベルトの基本的な構造としては、腹部やその周辺にかかる部位を避けつつしっかりと身体を支えられる様にシートベルトを迂回させる仕組みになっています。
この迂回のおかげで、例え臨月の大きなお腹になっても窮屈さや圧迫を軽減し余裕をもってシートベルトを着用できるのです。
妊婦さんにとって腹部への圧迫は、体が苦しいだけでなく精神的にも大変な負担となります。
その両方を軽減できるのですから使わない手はありません。
取り付け方法も簡単です。車のシートに乗せる様に固定するだけで、脱着も手間は掛かりません。
ひとつ買っておけば、車を複数台所有していても容易に付け替える事が可能です。
手頃な価格の物から世界中で販売されている高級品まで
マタニティシートベルトのため使用期間や対象が限定的です。
そのため市場規模が小さくそれほど種類が豊富に準備されているわけではありません。
購入にあたっては予算と好みが決まれば迷うことなく商品を選定できそうです。
価格としては、3千円程度で購入できる物から1万円を軽く超えるような高級品まで幅広くあります。
私の経験上では、比較的安価なものを選んだからといって機能的には全く問題ありませんでした。
そもそもがデザイン性や表面素材よりも機能を最優先すべきものですので、機能性最優先で選べばよいと思います。
製品によっては、構造上、長いスカートを履いている場合は利用できないなどファッションを制限される場合があるので気にされる方は注意が必要です。
なお、期間が限定されているだけに他の赤ちゃんグッズなどと同様に、マタニティシートベルトを扱うレンタル業者もあります。
一度レンタルで使ってみてから購入するのもありかも知れません。
使用期間も把握しやすい物なので所有への拘りが無い方は気軽にレンタルを利用してみるのもよいでしょう。
シートベルトの装着について
私が車に関わる仕事をしていることも理由の一つではありますが、シートベルトの装着と飲酒運転に関してはかなり煩いです。
日頃から周囲の友人達に対しても、口うるさくシートベルト着用を説きます。
理由はもちろん誰しも事故の可能性はあり、万が一の事故の際に誰にも死んで欲しくはないからです。
メーカー各社が心血注ぎ込み車の安全性向上に努めています。
しかし、それらを正しく使わなければ、いくら最新の安全装備が備わっていても無意味になります。
交通事故死ゼロを目指して、もう一度安全について考えてみてください。
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