
日常では路面電車の傍を走行することが滅多にないため、どうすればいいのか少々戸惑ってしまいました。
このことから普段当たり前に運転していても、教習所で習うレベルの交通法規を案外忘れてしまっていることに気付かされました。
そこで、今回は運転中に不安を覚えないためにも忘れがちな交通ルールについて、振り返ってみたいと思います。
路面電車に関わる際の交通ルール
実は路面電車に関わる際の交通ルールを、私達は自動車教習所で教わっています。
覚えている方どれくらいでしょうか?
冒頭でお伝えしたように私も忘れてしまっていた一人です。
さすがに教わったという事実くらいは覚えていましたが。
日常的に路面電車に遭遇する機会がある方はもちろん覚えているでしょう。
それほど難しいものではないので、一度思い出しておけば慌てることはありません。
線路を跨いでもよいのかどうか
路面電車に慣れていない人が運転すると、線路を跨いではいけないような気がして、右折の際に困ることが予想されます。
確かに原則として路面電車の軌道敷地内を走行することは許されないのですが、右折をする時などやむを得ない場合は通行することができるのです。
もちろん、右折を待っている間は、まだ軌道敷地内に入ってはいけません。
軌道敷地内の走行について
道路交通法第21条3項には
「軌道敷内を通行する車両は後方から路面電車が接近してきたときは、当該路面電車の正常な運行に支障を及ぼさないように、すみやかに軌道敷外に出るか又は当該路面電車から必要な距離を保つようにしなければならない。」
と定められているため、軌道敷地内を走行する際には路面電車が優先ということを忘れてはいけません。
安全地帯
路面電車を利用する人が乗り降りするための区画として安全地帯が存在しています。
中洲のように車道の中に孤立して存在している場合が多く、人の往来が頻繁な場所となっているため特に注意が必要です。
信号がない場所では、駆け込み乗車のために突然人が飛び出して来る可能性があります。
安全地帯に関しては、もう少し知っておくべきルールがあるため紹介させていただきます。
- 車両は安全地帯に侵入してはいけない
- 歩行者がいる安全地帯の側を通る時は、徐行する
- 安全地帯の左側と、その前後10m以内は駐停車禁止
路面電車が身近にない人はすっかり忘れてしまっていたかも知れませんが、この三つのルールさえ覚えていれば、突然安全地帯を見つけても慌てずに運転することができるはずです。
忘れがちな追い越しに関する基本ルール
自動車の追い越しは、実は様々なルールが設けられており最も複雑な行動の一つです。
それくらい追い越し時における事故も多く発生しており、基本のルールを再認識しておくことは、交通違反を犯さないためにも事故に合わないためにも重要です。
追い越し禁止に関するルール
「追い越し」は進路を変更して前の車両の前方に出ることであり、「追い抜き」は進路を変更せずに前の車両の前方に出ることです。
忘れられがちですが、道路交通法上両者の違いは重要なので認識しておいてください。
以下の場所での追い越し(追い抜きではなく)は法律で禁止されています。
- 標識により追い越しが禁止されている場所
- 道路の曲がり角付近
- 上り坂の頂上付近や勾配の急な下り坂
- トンネル内(車両通行帯のある場合は除く)
- 交差点とその手前から30メートル以内の場所(優先道路を通行している場合を除く)
- 踏切とその手前30メートル以内の場所
- 横断歩道、自転車横断帯とその手前30メートル以内の場所
さらに、最後の⑦では「追い越し」だけでなく「追い抜き」も禁止されています。
よく渋滞している道路でオートバイがすり抜けしているのを目にしますが、横断歩道などの前では違反に問われることもある上に、危険ですので注意が必要です。
追い越される側にもルールが存在
追い越される側にもルールがあるのをご存知でしたか?
- 車両は他の車両に追い越されるときは、追い越しが終わるまで速度を上げてはいけない
- 追い越しに十分な余地がない場合は、追い越される車両はできるだけ左に寄り、進路を譲らなければならない
意外とこのことを知らない方が多いですが、これも自動車教習所で学習する範囲です。
追い越しは危険を伴う運転であるため、追い越される側も十分注意が必要です。
自分を追い越そうとしている車両に気づいた時には、安全な範囲内で進路を譲りましょう。
追い越しに関する標識問題
最後に追い越しに関する標識について、皆さんは二つの標識の意味の違いがわかりますか?
追い越し禁止の補助標識がついている方は、言わずもがな「車両は追い越しをしてはいけない」という意味です。
問題は補助標識がない場合です。
この場合は「車両は、道路の右側部分にはみ出して追い越しをしてはいけない」という意味になり、補助標識がない道路標識では追い越しそのものは禁止されていないのです。
この違いを理解していないと追い越しが禁止されていると思っていた道路で、突然追い越しをしてきた後ろの車両に対処できない危険があるので要注意。
まとめ
特に追い越しは普段何気なく行っている行為です。
それだけにこれらの基本的なルールを知らずにいると、事故に発展してしまう恐れがあります。
運転中に少しでも疑問に思う事があれば、すぐに知識の穴埋めをすることを心がけましょう。
交通ルールを知ることは自分の身を守ることに繋がるのだから。
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