最近の車はよくできていて、車検を通しているだけでメンテナンスはほぼ不要だなんて話も聞きますが、それって本当なんでしょうか。
確かに、車を買ってボンネットを開けるなんてほとんどなくなってしまったような気もします。というか他の人がボンネット開けて点検してる姿をほとんど見たこともありません。(本当は日常点検しなきゃダメでしたよね…)
国産車は壊れないという神話がいつ頃生まれたのかは定かではありませんが、あれほどたくさんの車が走っているのにもかかわらず、国産車が故障で停まっている姿は、それほど多くは見かけません。実際に見かけるのは、せいぜいバッテリー上りでJAFが駆けつけるくらいでしょうか。
初回&2回目の車検まではトラブルフリーが当たり前!?
エンジンカバーを開けてみると…こうなっていたのかGDIエンジン
乗っている距離にもよりますが、新車で購入して最初の車検や、2回目の車検程度では、エンジンオイルやエレメント、ワイパーブレードの交換程度でメンテナンスが済んでしまう場合も多いです。ディーラーや整備工場の言われるがままにメンテナンスして、あとは何も確認したりしない方も多いのではないでしょうか。
ですので、5年おきくらいに国産車の新車を乗り継ぐという方は、ほとんどメンテナンスフリー状態で乗っていても、大きなトラブルに遭う可能性は限りなくゼロに近いということもできるのでしょう。(時々リコールなどはありますが)
しかしながら、走行距離が10万キロを超えると一気に中古車価格が下がってしまうことが示すように、なんとなく「10万キロ」に心理的な壁が存在するような気がします。
たとえばタイミングベルトは10万キロで交換などと明示されていることも多く、そこそこの費用も掛かることから、10万キロを迎えるあたりで乗り換えを検討する人もかなり多くなってきます。車種によりますが、査定額も限りなく0に近づいてしまう場合も多いようです。
それでは実際に10万キロ走った車は、かなりメンテナンスが必要な状況にあるのでしょうか。
10万キロ走った車に必要なメンテナンスとは
10万キロというと地球を2周半できる距離…足回りは大丈夫なのか?
結論から先に言ってしまうと、当たり前ですが、使用状況や今までのメンテナンスの具合などでかなり変わってくるので、いずれにせよ信頼のできる整備工場やディーラーなどでやや本格的な整備点検を受けるのがおすすめです。
車検を通していれば問題ないでしょうという考えもあるにはあるのですが、やはり法定で定められた点検項目だけではカバーしきれない点検個所もたくさんあるのが実際のところなのです。
車検自体は、法定項目さえクリアしていれば問題なく通過してしまいます。しかしながら車検に通ったから車が健康であるかといえば、必ずしもそうとは言いきれません。
10万㎞走った車は、人間でいえばちょうど40代の壮年期に差し掛かっているとたとえることができるかもしれません。人間の40代といえばまだまだ元気盛りですが、簡単な健康診断からより本格的な人間ドックへと移行していく時期でもあります。精密検査でいままで見つからなかった隠れた疾患が見つかることもしばしばです。
車でも同じことで、ちょっと本格的に検査してもらうことで、故障につながるような消耗や不具合を見つけ出し、大きなトラブルを未然に防ぐことが可能になってきます。
サスペンション周りにも経年劣化の足音が…
普段こんなところをチェックする人は少ないはず…
実際、私も10万㎞すでに走っていた中古車を購入したことがあるのですが、購入と同時に重整備をしてもらいました。というか付き合いの深い整備工場だったので、車検と同時にサービスでやってくれたというのが本当のところなんですが。
その時の検査ではオルタネーター(発電機)を分解して内部の消耗をチェックしたり、かなり細かいところまでチェックしていただきました。
オルタネーターのブラシは半分くらい摩耗していたようですが、まだまだ問題なく使えるということでしたが、ダストブーツに亀裂が入っていて、このままでは破れてグリースが飛んでベアリングが故障する恐れもあるということで、交換してもらいました。
そのほかにもここのパッキンがちょっと劣化してきていて、すぐに心配はないけれども、次回の車検の時にもチェックしておいたほうがいいとか、ATのミッションオイルはむやみに交換するとかえって調子が悪くなることがあるとか、いろいろと教えてもらえました。
15万キロを前にATに異常発生…
FF車の前輪ダストブーツはトラブル発生率高し!
その後4万㎞ほどは、何事もなく無事に乗れていたんですが、14万㎞を超えたあたりでATの動きが不調になり、日に日にその度合いが増してきてしまったため、泣く泣く乗り換えることになりました。
後でよくよく調べてみると、もともとレグナムはATに脆弱性を抱えていて、故障事例がそこそこあるようでしたので、14万㎞持ってくれてまだ良かったのかもしれません。さすがにATミッションをオーバーホールなんてすると大事になってしまいますので、残念ですがこれは運が悪かったのだとあきらめることにしました。
実際の経験も踏まえて消耗品と考えたほうが良い部品とは
最近の車は電装品の塊のようなもの…バッテリーの負担も大きい
交換を伴うメンテナンスで最も頻度が高いと思われるのがエンジンオイル交換でしょう。
5000㎞ごとに交換したほうが良いという話もありますが、車検のたびに交換という方も多いかもしれません。
確かにエンジンオイルを交換すると、見違えるようにエンジンの吹け上りがスムーズになったりするので割と律儀に5000㎞で交換していたころもありましたが、5000㎞は意外とすぐにやってきてしまいます。また廃オイルの発生、時間もお金も掛かるので、いつの間にか車検ごとになってしまってます。車のメーカーによってはそれで良しとしている所もあるようなので、あまり神経質にならなくても大丈夫そうです。ただし、その場合は車検時の交換は必須でしょう。
バッテリーは、車の電装品がますます増加していることもあり、交換のサイクルも短くなりがちな部品ですね。普段車に乗る機会が多いと、それほど心配なく、長持ちするみたいですが、週末ドライバーで、しかも乗らない週末も結構あるなんて場合は自然放電など、劣化が進んでしまう場合があります。
またルームランプのつけっぱなしなどでは一発で上がってしまいます。最近の車では、オートオフ機能が付いた車も増えてきていますが。
寒い冬の朝など、セルモーターが元気なく、焦る場面もありますね。
タイヤも代表的な消耗品のひとつです。なぜか国産のタイヤは欧米のタイヤよりも消耗が早い傾向があるようで、これがミニバンなど車重の重い車だとみるみる溝が減っていってしまいます。経験的には3万㎞~4万㎞ほどで交換を検討するイメージでしょうか。
年間走行距離によりますが、車検2~3回に一度くらい交換の機会がやってくるかどうかといったところでしょうか。
またブレーキパッドは残り1mmまで使用できますが、限界に近づくとキーキー耳障りな音を発して交換を促します。安全にかかわる装備ですので、ここはあまりギリギリまで攻めないほうが良いかなと思い、若干早めに交換するようにしています。
点火プラグは、昔は良く交換したほうが良いですみたいに奨められることも多かったパーツですが、これは交換まで必要なケースはほとんどないといって良いと思います。せいぜい清掃くらいでしょうか。
まとめ
なかなか、一度には書き尽くせないところもありますが、やはり10万キロも乗った愛車はいっそう愛情をもってメンテナンスしてあげる必要があると感じます。
海外の車は30万から50万キロは当たり前に乗るそうですので、10万キロくらいで見切りをつけてしまうのはちょっと寂しい気もしますね。
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