故障発生直後の対応
故障発生の瞬間は様々ですが、大きく分けて道路を走行中、出かけるためにエンジンをかけようとしたときの二通りではないでしょうか。
走行中だった場合
故障への対処の前に安全確保が最優先です。もし、道路を走行中に故障が発生した場合には必ず安全な場所に退避させましょう。
安全が確保できたところで、故障原因を切り分けていきましょう。切り分けのポイントは以下の通りです。コツは動力が伝わっていく順番に従って確認していくことです。具体的にはエンジン→トランスミッション→足回り→タイヤの順です。
-エンジンはかかっているか?
そもそもエンジンが勝手にストールしてしまうようだと、その場での応急処置は絶望的です。考えられる原因としては、主に燃料ポンプの故障やエアマスセンサーの故障などが挙げられます。
エンジンはかかっているものの、異常な振動が感じられたりアイドリングが不安定な場合には、やはりエアマスセンサーが異常値を示している、または、点火コイルの故障、吸気ラインの劣化等による二次エアーの吸引などが考えられます。
どれもエンジンにとっては良くない状態ですので、無理に動かすことは控えた方がよいでしょう。
-トランスミッションのギアチェンジができるか?
エンジンはいつも通りかかっているものの肝心の動力をタイヤに伝えるためのトランスミッションが不調では走ることはできません。
ギアが2速などで固定されてギアチェンジができない場合には、辛うじて走行することは可能です。
しかし、固定されるのが低速ギアの場合にはエンジン回転数が高い状態がキープされてしまうためエンジン本体や冷却機関への負担が大きくなってしまうため要注意です。
原因としては、オートマチックトランスミッションの変速タイミングを制御するバルブボディ本体や電子制御基盤の異常が考えられます。走行距離が多い個体ではトランスミッション本体の経年劣化もあり得なくはないですが、そういう場合には突然ではなく徐々に故障していくものです。
どの原因にしろ修理費が高額になる傾向にあります。
-タイヤがパンクやバーストしている
エンジンやトランスミッションが正常でも路面と接している肝心のタイヤが機能しない状態ではまともに走ることはできません。
また、無理に走行を続けると他のタイヤや足回り(特にデファレンシャル)にも悪影響を及ぼすため、直ちに走行を中止した方がよいでしょう。
この場合には発生直後にも応急処置が可能です。安全に作業できる場所ならその場でスペアタイヤに交換したり、パンク修理材を使用して穴を塞いでしまいましょう。
応急修理後はその状態での走行可能速度が規定されていますので、よく確認の上で遵守しましょう。
駐車中だった場合
この場合には、もともと駐車中のため特段の安全確保の必要はございません。
走行中と同様に、動力が伝わる順に原因を切り分けていきます。
-エンジンがかかるか?
駐車中の故障の8割はエンジン始動不良ではないでしょうか?一口に始動不良といっても、何パターンか考えられます。
クランキングはするのか、初爆はあるのか、キーをオンにしたときアクセサリー電源がオンになるのか。症状によって原因や対処法が異なってきます。
アクセサリー電源がオンにならない場合は、バッテリー上がりが原因だと思われます。他の車とブースターケーブルで接続しジャンプスタートを試してみましょう。エンジン始動後ある程度走行したにも関わらず再度同じ症状が出る場合には、バッテリーの劣化、もしくはオルタネータ(発電機)の故障が疑われます。
アクセサリー電源はオンになるのにクランキングしない場合も上記との程度の差があるだけで根本原因が同じ場合がほとんどです。
クランキングはするが、初爆がない場合には燃料ポンプの故障や点火系の異常、特にコイルやプラグの不良や被りが考えられます。工具を持っている場合にはプラグを抜いて軽く清掃して再度チャレンジしてみてください。
-トランスミッションがパーキングから抜けない
オートマチックトランスミッションをP(パーキング)からD(ドライブ)に変えることができない場合は、トランスミッション本体の故障に加えて、ブレーキペダルセンサーの故障も考えられます。
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