
売るという以外の選択肢としてカーシェアリングサービスの最新動向(1-3リンク)を紹介させていただきました。カーシェアリングサービスとしては唯一無二の存在“個人間”カーシェアリングサービスのAnycaがめでたく2015年9月9日のサービス開始から1周年を迎えました。
その記念レセプションに潜入してきましたので、レポートさせていただきます。
「選ばれし100人のみが参加可能」
まず、潜入にあたっては、Anycaのスマホアプリから応募する必要があります。そうなのです。せっかく祝いたくとも、まずは限定100人の中に選ばれる必要があるのです。しかも、結局のところ定員の5倍にあたる500人の応募があったらしく、なかなかの高倍率の抽選でした。(登録会員数4万人からするとわずか1%ではあります。)
これは、まだ初めて1年しか経っておらず、事業収益の面から支出を抑えるために会場としてDeNA本社スペースを使用したことからの人数制限だと思われます。このあたりは、2周年以降に期待したいですね。
「当日のラインナップ」
会場に到着すると入場の際に1周年記念品その1としてオリジナルキーホルダーがもらえました。車のキーにつけてもかさばらずスッキリしたいいデザインで気に入りました。
事業責任者の挨拶
プロ野球チームまで擁するDeNAの中でもこのAnycaの取り組みは異例と言わざるを得ません。そんな異例プロジェクトを率いるのが大見氏です。この若さにこそDeNAという新興IT企業の社風を感じます。
スピーチも若さを感じられる内容で、ご自身の誕生日が同じ9月なことや立ち上げ当初に彼女にフラれたことなど、この1年には様々な思い出があるとのことでした。
国土交通省との独自取り決めなど立ち上げ当初に相当な生みの苦しみがあったことは想像に難しくありません。
オリジナルで手作り感あふれる各賞の授賞式
“HOSPITALITY賞”
受賞者のK氏は、貸し手として以下のホスピタリティを徹底されているそうです。
・借り手のドライバーや同乗者にドリンクをプレゼント
・自宅から20km県内であれば車を届ける
・運転席のシートが温まっているとドライバーが不快なのでシェア直前は後部座席で待つ
などなど、とにかく“どうすればドライバーに喜んでもらえるか?”を常に念頭において対応しているとのことでした。
しかも、このK氏は、Anycaでのシェアがもとで現在の車(Jeepチェロキー)を購入したとのこと。元オーナーまでもが時々借り手として利用されるそうです。
“COMMUNITY賞”
70名弱在籍するFacebookグループ「Anyca若手グループ」の管理者N氏の受賞です。
最早本業なのでは?と思えるほど、カート大会などのイベントや交流会を企画されているそうです。
“COMMIT賞”
Anycaが毎月2回開催してきた各種イベント(テスラ、デロリアン、ランボルギーニなど日頃触れる機会のない車を運転することができるイベント)に最も多く参加したS氏に贈られました。
その参加回数は最早スタッフ以上だとか。(実は筆者も12月のイベントに開催者側で関わっています。)
“PR賞”
Anycaはその目新しさからこの1年間で様々なメディアに取り上げられてきましたが、中でもテレビ東京の人気番組WBSが最も印象深いです。その番組の中でユーザーを代表してインタビューを受けていたK氏に贈られました。(先ほどのK氏とは別)
名台詞「車の維持費は払えない額ではないが、ボディーブローのようにやってくる…」だそうです。
“DRIVER賞”
借り手としてのシェア回数だけでなく、内容的にも最もシェアを楽しんでいたT氏が受賞しました。では、どうして最も楽しんでいたと判断できたのでしょうか?
シェア後には貸し手借り手がお互いの評価を書きあうルールなのですが、T氏が書いたオールドビートルに対する評価が以下です。軽く400字を上回っています。
これをスマートフォンで書いたのかと思うと頭が下がります。確かに誰もが納得の楽しまれている様子です。
“1周年記念品その2”
ロゴ入りどら焼き。その場で食べる用、お土産用の2つもいただいてしまいました。見た目だけでなく味も素晴らしかったです。
「Anycaに見るカーシェアの未来とは?」
紹介させていただいた各賞の受賞状況を見ていただければお分かりいただける通り、カーシェアという行為を通して、さまざまな付加価値が自然発生しています。これは、さすがに仕掛けたDeNA側さえも想定外というコメントが印象的でした。
今回の潜入を通して、カーシェアとは所有欲が希薄になった現代の若者を中心とした必要な時だけ借りればいいという単なる移動手段としての利便性だけを追求した寂しい世界という認識が、いい意味で一気に覆されてしまいました。
もはや、カーシェアとは・・・、Anycaとは・・・、
単なる利便性と効率を追い求めた結果の車の貸し借りという行為を超越して、一つの文化の域にまで到達し始めていると理解しました。
読者の皆様もまずは、借り手として純粋に車を楽しんでみてはいかがでしょうか?
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