
一体どのくらい話題を集めているかといいますと、実は2016年9月の1ヶ月だけで2つのメーカーが新型のお披露目を都内で開催しました。
既存のハイパーカーが10車種にも満たない程度ということを考えると、これは異例といえます。
「AM-RB001」
まずは、英国貴族の車アストンマーティンとF1コンストラクターとしてお馴染みのレッドブル・レーシングの共同開発による全くの新しいロードカー“AM-RB001”です。
名前の由来はもちろんアストンマーティンの“AM”とレッドブル・レーシングの“RB”、その最初のプロダクトモデルという意味の“001”です。(まだ正式名称ではないようです。)

デザインに負けず劣らずの注目すべきその驚愕の中身は以下の通りです。
すでに600件の購入希望が寄せられ、その中からこれまでのアストンマーティンのスペシャルモデル“One-77”、“ヴァルカン”、“ラゴンダ・タラフ”を購入した方から優先的に割り当てられるとのこと。
・パワーウェイトレシオ1.0ps/kg!
1000馬力に車重1000kgと想定されています。しかもこの数値をV12自然吸気エンジンで達成するとのこと。
・公道走行可能なクルマとしては前例のないレベルのダウンフォースを発生!
F1マシンデザイナーでもあり、空力の魔術師の異名を取るエイドリアン・ニューウェイ氏の設計によるものなので、本当に驚異的なレベルに仕上がることは想像に難しくありません。
・価格は200万ポンド〜300万英ポンド(2億6500万円~4億円ほど)!
正直な個人的価値観を述べさせていただくと、“安さ”に驚きました。
アストンマーティンほどの成熟した世界的高級ブランドで、現役最高峰のF1デザイナーが設計した妥協なき最高のロードカーがこの価格で手に入るのです。
驚きのバーゲンプライスではないでしょうか?(開発費を考えるととてもペイできるとは思えません。)
「ケーニグセグ・アゲーラRSR」
9月にお披露目されたもう一台がこちらです。
ご存知ない方もまだまだ多いと思いますので、念のためおさらいしておきますと・・・
ケーニグセグは、1994年にスウェーデン南部、エンゲルホルムに設立された自動車メーカーです。
1971年生まれ(創業時若干23歳!)の実業家・クリスチャン・フォン・ケーニグセグによって設立されました。
設立わずか20年程度と伝統や信頼が重んじられる高級車の世界では非常に珍しい存在です。
2005年に発売されたケーニグセグ・CCRが当時市販車最速となる395km/h(806馬力 0~100km/h加速3.2秒)のギネス記録を樹立して一躍有名になりました。
そんなケーニグセグから日本正規代理店(ケーニグセグジャパン)の発足を記念して、アゲーラRSを元に空力などに改良を加えて作られたのが今回の“RSR”です。
気になるスペックは以下の通りです。
最高出力:865kW(1160bhp)/7800rpm、最大トルク:1280Nm/4100rpm
・トランスミッション:オートモード付き7速パドルシフト
ケーニグセグ電子制御デフ(KED)
ケーニグセグギアボックスコントロールモジュール(KGCM)
・全長×全幅×全高:4,293mm×2,050mm×1,120mm
・ホイールベース:2,662mm
・最低地上高可変:低速走行時の地上高105mm、トラックモードでの地上高85mm
フロントリフティングシステム作動時150mm
・乾燥重量:1295kg(車両重量:1395kg)
「ハイパーカーの定義とは」
まだあまり聞きなれないハイパーカーというジャンル。
その定義は、スーパーカー同様にどこかで標準規定されているわけではございません。
ですので、受け取る方それぞれによって異なってくるかとは思うのですが、あえて定義するとすれば次のようになるかと思います。
- スーパーカーやスーパースポーツすら圧倒的に超越した性能
最高速度が400km/h程度、出力合計が1000馬力程度 - 見るものを圧倒する奇抜なスタイリング
- 圧倒的な高価格:日本円で1億円以上
- 極少数の限定生産台数
「メーカーの威信をかけたライバル争い」
9月に発表された上記2車種以外にも世界には次のようなハイパーカー達が存在しています。
- フェラーリ:ラ・フェラーリ
- ポルシェ:918スパイダー
- ランボルギーニ:センテナリオ
- アストンマーティン:One-77、ヴァルカン
- ブガッティ:ヴェイロン、シロン
- マクラーレン:P1
- パガーニ:ゾンダ、ウアイラ
- グンペルト:アポロ
- ライカン:ハイパースポーツ
どの車もそのメーカーを代表する一台として、一切の妥協なく最新技術の粋を集めて開発された傑作ばかりです。
スーパーカーがある程度のビジネスとしての側面を持つのに対して、これらは採算度外視といっても過言ではありません。
これらの車種単一での利益よりも、メーカーとしての技術力のアピールやイメージリーダーとしての意味合いが大きいです。

根拠は現在のクラシックカー達の価値を考えれば明らかです。資金力に余裕のある方はぜひ一台いかがでしょうか?
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