以前、メルセデス・ベンツが誇るフラッグシップW222型Sクラスのマイナーチェンジの発表をお届けしました。
その後自身の相棒としてS400とS450、これまでの集大成とこれからを牽引する技術の両者で迷っているということをお伝えしました。
そして、S450に決定し、半年後には納車レポートをお届けする約束をしていました。
半年以上時間が経ってしまい申し訳ございません。
10月の決定から少々遅れはあったもののGWを跨いで、5月22日無事にS450が納車されました。
納車後約2か月が経過しいろいろわかってきたところで、改めて詳細なレポートをお伝えさせていただくことにしましたのでお付き合いください。
これから購入を検討されている方のお役に立てるように、またこれを読んでいつかは購入したいと思っていただけるように、できるだけ詳細に包み隠さずお伝えしたいと思います。
最終の仕様確定
以前お伝えした通り3月3日にW222後期型の発表会が開催され、450がついに日本でデビューしました。
その席上で口頭による発注を済ませ、車両の枠確保を依頼、後日オプションなどの詳細決定と共に正式発注のため店舗を訪れました。
発注したのはS450エクスクルーシブのショートボディです。
エクスクルーシブとは、必要と思われる大抵のオプションをセットとして少しお得にしたパッケージです。
あらかじめ設定されているオプションは以下の通りです。
- ナッパレザー
標準装備されている本革よりも高級で耐久性にも優れるナッパレザーが前後シートやステアリング、その他内装に使用されます。 - ドライビングダイナミックシート
コーナリング時に自動的に遠心力がかかる方のランバーサポートを起こして、体を支えてくれる機能や各サポートを細かく調整可能な前席シートです。 - リラクゼーション機能
前席にマッサージ機能が付きます。
後期型では改良されたホットストーンマッサージがつきます。 - 後席シートヒーター
- クロージングサポーター
ドアやトランクを閉める際にボディに軽く押し付けるだけで、自動的にロックを引き込んでくれます。 - イルミネーテッドステップカバー
- エアバランスパッケージ(空気清浄器、パフュームアトマイザー付)
グローブボックス内にパフュームアトマイザーを配置し、エアコンの風に流すことで室内の芳香をコントロールします。 - Burmesterサラウンドサウンドシステム
13のスピーカーとツイーターを配置し、550kwの大出力による迫力ある音響を提供します。
これに加えて、AMGライン+のオプションもつけることにしました。オプション価格は784,000円です。
- AMGスタイリングパッケージ
AMGラインのフロントバンパー(サイドダクトに二本のフィンがついた押し出しの強いスポーティなもの)、サイドスカート、リアバンパー、20インチテンスポークアルミホイールがセットとなっています。
通常のAMGラインと+の差はこのホイールにあります。
3月3日の発表会以降に発注可能となった20インチホイールが+の専用装備です。
内装にも手が加えられ、アクセル・ブレーキペダルがステンレス、ウッドがブラックハイグロスポプラウッド、同色の本革巻ウッドステアリングとなります。
機能面では、ヘッドマウントディスプレイが追加されます。
なお、ショートボディにした理由はもちろん駐車場対策です。
ショートボディの5,116 mmに対して、ロングボディは5,246 mmと全長が13cm長くなっています。
この13cmの全てが後部座席の拡張に費やされており、デザイン的にも伸びやかな印象でおすすめしたいところではあるのですが、自宅マンションの機械式駐車場に入らないため断念せざるをえませんでした。
通常ならこの仕様確定後正式発注となり、デポジットを支払うこととなります。
今回はこれまでのお付き合いの実績などからデポジットは省略となりました。
このデポジットを巡っては高額車になればなるほど後々揉める要素となりますので、自分が納得いくまで説明を受けることをおすすめします。
特にどの時点までならキャンセル可能で、その際にいくら返金されるのか、など。
納期について
納期については、この時点では3月納車も可能との回答を得ていたのですが、3月に納車して直後の5月に自動車税が発生するのも嬉しくない、そして、何より新技術テンコ盛りの新車を新たな年度の始まりでもある4月から乗りたかったので、4月登録の4月納車としていただきました。
発売が噂されてからすでに半年近く待っているだけに、後1か月延びたところで問題ではありません。
ところが、いざ納車待ちに入ってみると4月になっても納期確定に関する連絡がなかったこともあり、再度ショールームに遊びにいき担当者と会うと、
「大変申し訳ございません、ドイツからの到着が遅れております。
とは、いうもののGWを跨ぐことは絶対にありませんのでご安心ください」
とのことでした。
この時点では、まさか納車が5月後半になるとは予想もしていませんでした。
いよいよ半年以上待ちに待った納車の瞬間がやってきます。
決済額の確定
仕様調整と合わせてディーラーオプションも選んでいきます。今回の場合は以下を注文しました。
- フロアマットプレミアム
どういう風にプレミアムかはわかりませんが、それほど高価なものでもないのでとりあえず付けることにしました。 - ドライブレコーダー
個人的にはそれほど人におすすめしていないのですが、自分にとってのみ有効な証拠として使うだけの知識があるのならもちろん付けておいて損はないです。
ただし、他人のため、つまり事故相手や警察に対して自身にとって不利となる証拠を提供するような結果になる可能性があるのなら、最初から付けない方がいいです。
上記以外にもレーダー探知機を悩みましたが、都内を走っているとあらゆる電波を拾うため鳴りっぱなしで意味がないと感じていたので、今回はつけませんでした。
もちろん、日頃から安全運転を心がけていれば必要もありませんので。
「GWをまたぐことは絶対にない!」
みなさまもご存じのとおり、この世の中に絶対なんてあるはずがないのです。
GW直前になって担当者から
「すいません!ドイツからの到着が遅れたせいで、GW明けの5月中旬以降になってしまいます。
もう日本には入ってきました。」
との連絡を受けました。
GWにどうしても乗らなければいけない予定もなかったこともあり、あっさりOKの回答をしました。
もしかしたら、ここで納期遅れを盾に値引きや追加装備の交渉をするのもありかもしれません。
GW明けの5月中旬になり、いよいよ今度こそ納車可能となったため、次の土曜日5月22日を納車日に定めました。
納車前の準備
正式発注から納車までの待ち時間中には以下のような準備を行いました。
- 車庫証明の準備
半年に一台は車を購入する私にとってはいつもの手続きだったため、自分で実施するつもりだったのですが、見積もりには代行費用も含まれているとのことでしたので、ディーラー担当者にお願いすることにしました。
具体的には、駐車場の使用許諾証明書(自宅車庫の場合は自認書)の提出と申請書への押印です。
記入から提出や受領手続きは全て担当者が代行してくれました。 - 委任状への押印と印鑑証明書の提出
自動車の登録を代行してもらうために委任状に実印を押印する必要があります。
また、その実印の正当性を証明するために印鑑証明書が必要となります。 - お祓いの予約
納車後すぐに神社でのお祓いを受けたいので、当日納車が終わる時間を見計らって神社に予約を入れておく必要があります。
納車当日の模様
半年以上待った上に、最新技術の塊だけあってインターネット上でも多くのレビューが出回っていました。
1か月前から国内外のモータージャーナリストによる試乗やメカニカル解説記事を読み漁りました。
あまりも詳しくなりすぎて、知識だけはディーラーメカを凌駕していたと思います。
いよいよ前日を迎えましたが、もちろん楽しみすぎて寝られるわけがありません。
しかし、寝られないのにはもう一つ理由があります。
それは、交代でW221型S550との別れが来てしまうからです。約5年7万キロも付き合っていると、全てを知り尽くした相棒であり、友とも呼べる間柄でした。
正直、嬉しさと寂しさが入り混じった複雑な心境でした。
この車と思い入れの深い友人と遊びに出かけ、結局一睡もすることなく納車の予定時刻10時を迎えました。
家族と友人をW221に乗せ、定刻通りにディーラーに到着。
挨拶も早々に担当者の持ってくる書類に次々と押印していきます。
説明を受けながら押印しているうちに徐々に実感がわきどんどん嬉しさがこみ上げてきます。
スマートキーを2本受け取りましたが、ようやくデザインが一新されてカッコよくなっています。
今回からはどちらがスペアということもないそうです。
いよいよ対面の瞬間がやってきました!
粋な計らい?で新旧隣り合わせに並んでいます。
一目みた瞬間から頭の中は真っ白、自然とカッコいい!の溜息が漏れます。
何度経験しても新車の納車は特別です。
自分のためだけに多くの人が関わって、生み出された英知の結晶がそこに存在する。特別な瞬間で、一生忘れることはないでしょう。
新車の香りと別れの哀愁の包まれながら荷物を移し替えます。
30分ほどかかってようやく移し替えたところで、いよいよ神社に向かって出発です。
(本当は神社の予約は11時でしたが、荷物の移し替えに予想以上の時間がかかり30分ずらしていただきました。)
まっさらの新車に乗り込みエンジンスタートボタンを押します。
スタート演出のカッコよさや目新しさが、これからのカーライフを予感させ期待で胸がいっぱいになります。
神社で詔(みことのり)をあげていただき、無事に納車の儀が滞りなく終了いたしました。
この後は、別の車イベントに出席するため後ろ髪を引かれつつ車を乗り換えて出発しました。
引き続き、初めて触れたS450の革新の機能や性能について率直な生の感想をお伝えしたいと思います。
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