東京オートサロン2018 メルセデスベンツ・ブース、ケンブロックのデモランやRECAROの最新シートの紹介

新車・試乗情報
車業界の賀詞交換会ことオートサロンの模様を今年もお伝えしたいと思います。どうやら今年のオートサロンはいつもと少々様子が異なるようです。詳しくお伝えします。

 

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東京オートサロン2018の概要

東京オートサロンはメーカー主体のモーターショーとは異なり、町の車屋さんが主役のカスタムカーの祭典となっています最大の特徴はやはり、その華やかさではないでしょうか。他

のモーターショーがメーカーを中心にノーマルの車両を展示しているところ、オートサロンでは色とりどりのカラーリングやド派手なエアロ、そして際どい衣装を身にまとったキャンペーンガール達がショーを盛り上げます。

ドイツのエッセンモーターショー、アメリカのSEMAショーと並び世界三大カスタムカーショーと言われています。

毎年取材しているなかで近年特に感じることは、海外からの来場者の多さです

東京モーターショーと比較しても圧倒的とも思えるほどに中東やアジア諸国からの来訪者が目につき、海外からみた日本という国のチューニング文化に対する関心の高さが伺えます。

やはり、ランボルギーニに電飾等施した派手な一団や超高級車を惜しげもなくワイド化してしまう手法などが、図らずもチューニングこそが日本を代表する文化として根付きつつあるものと思われます。

中国の経済的市場的台頭に押されるがままに規模が回を追うごとに縮小されていくモーターショーとは裏腹で、このオートサロンは年々拡大の一途をたどっています

もう一つの特徴が出展車両の特徴の移り変わりです。

東京エキサイティングカーショーと呼ばれ始まった第一回からカスタムカーと言えば性能重視のチューニングカーを表していました。

ところが、近年では明らかにドレスアップカーの割合が増大しています。車にはやはり機能性を重視してほしい私個人的には若干複雑な思いもあるものの、それでも車業界が盛り上がるということならよいということにしておきましょう。

2018年は1月12日(金)・13日(土)・14日(日)の3日間の開催です。

なんと言っても、2018の目玉は、BHacutionのプレス発表です。

そして、海外で大人気のカーエンターテイメント『ガムボール3000』の20周年を記念する初日本開催発表まであります。車好きとしてはお年玉ともいえる内容でしょう。

もちろん、後ほどお届けさせていただきます。

 

メルセデス・ベンツのブースを訪問

例年のごとく今後に期待できるブースや最新の内容をお伝えしていこうと思っていたのですが、今年はどうしてもがっかりブースを一つ紹介させてください。

読者のみなさまはお気づきだと思いますが、私はメルセデスが大好きです。個人的に常に普段使いはメルセデスですし、今乗っているW221型S550は走行16万kmという気に入りようです。

そんな私からどうしても一言、愛するが故の苦言を呈させてください。

以前からお話ししている通りW222後期型のS450を購入予定で、その発売を2017年夏から待ち続けています。プレス発表の予定も見逃さないように常に気を配っています。一部の噂では2018年1月中旬に発売と言われていたため、年始の時点でプレス発表の予定がないということは、逆にサプライズでオートサロンを発表の場にするのではないかと内心密かに期待していました。

勝手な期待に胸を躍らせながら、中央ホール中心の巨大なメルセデス・ベンツブースに急ぎました。ワクワクしながら探し回ったもののどこを見てもスマートとCクラスばかりでS450 どころかSクラスの影すらも見当たりません

広報担当者にSクラスの展示を聞いたところ、『ございません。今回は発表できることは何もございません。』だそうです。

もちろん、S450を期待していたのは私の勝手ですので、裏切られたとかいうつもりはありません。

ですが、出展場所も逼迫するほどの大人気のオートサロンにおいて、どの出展者よりも巨大なブースを持つメルセデス・ベンツがなんの目新しいこともなく、すでに見慣れて久しい全国どの田舎のディーラーにも置いてあるようなモデルばかりを展示するってどうなのでしょう?

海外からこれほどまでに熱い視線を送られる同イベントに対する世界の先端を行くブランドが取る姿勢とは凡そ思えません。必死に企業努力を積み重ね少数精鋭で新商品を展示する町のショップに対して失礼だとすら思いました。私が熱すぎたり、業界の慣習をわかっていないだけでしょうか?オリンピックのように参加することに意義があるのでしょうか?少なくとも私や同行した編集部員は一様に落胆しました。

そして、数か月前の東京モーターショーでは顧客であることが誇らしくなるほどのどのメーカーよりも素晴らしいブースで華のある発表内容だっただけに、今回の出展内容が日本法人単独の判断による同イベントを軽んじた結果に思えてしかたありません。

これならメーカーとして参加しない方がよっぽどましでした。非常に残念です。

国家戦略であるクールジャパンを代表するようなイベントだけに出展する企業には最善を尽くしてほしいと思わずにはいられません。

続いても、東京オートサロン2018の華やかな出展の中でも私の目に留まったものについて紹介させていただきます。

 

世界のドリフト王

本業のラリードライバーとしてよりも、最近では過激なドリフト動画の知名度の方が高い感のあるあのケン・ブロック。

なんとデモランを行うと聞きワクワクしながら会場に急ぎました。

 

ケン・ブロックとは?

ご存じない方のためにケン・ブロックについて紹介させていただきます。

アメリカ出身のラリードライバー。幼少時から車の運転に並々ならぬ興味を示しており、車を運転するようになるとすぐさま両親の車でジャンプやドリフトなどの過激な走行を始めました

ですが、意外なことに世に名が知られるようになったのは実は車ではなく、スケートボードやモトクロス、スノーボードなどのエクストリームスポーツが最初でした。

1994年には他のプロ選手達と共にスポーツ用品メーカーを設立。後に同メーカーは買収されるものの、それにより得られた資金を元手に本格的にラリー活動を開始していきました。

2005年はラリーアメリカに初参戦し、見事新人王を獲得。2006年には2位に輝き、これが最高位となっています。

順調にステップアップし、2007年からは世界最高峰のWRCに連続参戦。アメリカ人としてWRCに複数年連続参戦したのは初めてです。

また、2011年にはF1のテストドライバーとしてトヨタ・TF109に乗る予定でしたが、183cmという恵まれた体格がコックピットに収まらず中止となってしまいました。

動画をご覧になった方はお分かりいただける通り、パフォーマンス精神も旺盛で、競技のために身に着けたドライビングテクニックを惜しげもなくファンを楽しませることに使います。マシンを大ジャンプさせたり、時にはスノーボードパークをスノーボーダーと共演しながら駆け抜けたりといった過激なドライビング動画を披露しています。

さらに、世界的に有名になるきっかけとなった自身の企画“ジムカーナ”と題したドライビング映像をネット上で公開し始めました。

この映像はシリーズ化されており、中には世界で9000万回以上閲覧され、見事2009年の“世界で4番目に多く閲覧された動画”となりました。

今回の東京オートサロンのデモラン用に持ち込まれたマシンは、直近の動画で活躍するマスタングではなく、前述のシリーズ最多閲覧数を記録したフィエスタST RX43です。直列4気筒ターボで600馬力以上の出力を誇ります。ジムカーナシリーズだけでなくラリークロスでも活躍したマシンとなっています。

 

デモランの様子

私もF1やWRCを含め数々の競技やデモランをこの目で見てきましたが、迫力という点においては最高だったのではないでしょうか?

あの会場に居合わせた観客はラッキーです。主催者側の配慮なのか、考慮不足なのかは定かではありませんが、とにかく車両と観客の距離が近く時折タイヤカスさえ飛んでくるほどです。ケンが操る本物のラリーマシンの迫力とあまりの壁との近さに少々腰が引けたのはここだけの秘密です。

そして、それを助長するのがケンのミスです。わざとだとしたら素晴らしすぎる演出ですが、時々失敗してドリフトが戻ってしまってアンダーステアがでたり、フラッグを倒してしまうのです。そう言った点を含めてもやはり四駆のドリフトは難しく会場の広さも少々狭かったのだと思われます。

また、画像からもおわかりいただける通りすべてのシーンがタイヤスモークで真っ白です。迫力が行き過ぎて、煙の中で何が起こっているのかわからない時間もそれなりに長かったです。

「カメラマン泣かせ」とはいうものの、あのいつも動画で見ていたケンの走りが生で見ることができたのは本当に大きな収穫でした。

 

政府関係者の来場

プレスデイならぬプレスタイム?(オートサロンは初日の14時までだけがプレスのため)中の会場ではちらほらと著名人の姿をみることができますが、中でも今回異例だったのが石破茂前大臣をはじめとする政府関係者の来場です。挨拶やPRのためではなく個人的に来場している様子でした。

国会会期前とはいえ、決して物見遊山で来られるほど時間に余裕があるとは思えませんので、おそらくは、今後の日本の道路事情や目前に迫った自動運転技術をはじめとする自動車技術の情報収集が目的だと想像できます。かなり熱心に各ブースの説明に耳を傾けられていました。

 

RECARO

レースをはじめとするあらゆる車のシートで有名なRECARO社から最新モデルのお披露目がありました。

モデル名“RECARO PRO RACER RMS”です。RECAROのシートをご存じの方にとっては驚きではないでしょうか?

これまではスポーツシリーズやレースシリーズSP-Gの延長線上にすべてのモデルが存在しており、名前にも継承されてきました。ところが今回のモデルのそれらと全く脈絡のない名称が示す通り、すべてゼロからの新開発とのことです。

革新の新技術をもちいたISFパッド構造で、シェル全面をスポンジが覆っていません。一見すると座り心地が固く思えますが、座ってみるとこれが程よい固さでホールド性が抜群なのです

ただただ体が動かないように固定するわけではなく、本当に必要な可動域についてはしっかり確保されています。シェルの剛性も飛躍的に向上しています。他社のシートとのあまりの差に驚き、思わずフェラーリ用をその場でオーダーしそうになったのですが、現状では外国車についてはシートレール開発中とのこと。今後の展開に期待したいと思います。

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