今回は、最近世間を賑わせている二つのキーワード「ボルボ」「LサイズSUV」について、検証してみたいと思います。
単純にボルボのSUVを紹介しても仕方がありませんので、ライバルとの比較を行うことにしました。
もちろん、どちらも試乗した経験がありますが、第一回目となる今回はそのスペックから比較していってみたいと思います。
題して、「ボルボXC90とアウディQ7、買うならどっち?」
まずはスペックから
実は2台とも非常に評価の高い車で、ショーレースの常連です。
ボルボXC90は、RJCカーオブザイヤー2017輸入車最優秀賞に輝き、兄弟にあたるXC60が日本カーオブザイヤー2018を獲得するという華々しさ。
今まさに飛ぶ鳥を落とす勢いです。
アウディQ7も大きなタイトルこそ逃してはいるものの、各賞の候補として常にノミネートされ続けています。
そして、もうすぐPHV版となるe-tronの発売を控えているだけに、話題には事欠きません。
奇しくもどちらも2015年に第二世代にモデルチェンジを果たしたばかり。
早速気になるスペックから見ていきましょう。
■ボルボXC90のスペック
ボディ
- 全長×全幅×全高:4,950mm×1,930~1,960mm×1,775mm
- ホイールベース:2,985mm
- 車両重量:2,060~2,340kg
- トランク容量:
- 乗車定員:7人
パワートレイン
- T5
エンジン形式:1,968cc直列4気筒ガソリンエンジン+ターボチャージャー
最高出力:187kW(254PS)/5,500rpm
最大トルク:350Nm/1,500-4,800rpm - T6
エンジン形式:1,968cc直列4気筒ガソリンエンジン+スーパーチャージャー+ターボチャージャー
最高出力:235kW(320PS)/5,700rpm
最大トルク:400Nm/2,200-5,400rpm - T8
エンジン形式:1,968cc直列4気筒ガソリンエンジン+スーパーチャージャー+ターボチャージャー
最高出力:233kW(318PS)/6,000rpm(電動機:前34kW、後65kW)
最大トルク:440Nm/2,900-5,300rpm(電動機:前140Nm、後260Nm)
トランスミッションその他
- 駆動方式:quattro(フルタイム4WD)
- トランスミッション:8速ギアトロニックトランスミッション
- JC08モード燃費:12.9、12.5、13.7km/l
- フロントサスペンション:ダブルウィッシュボーン
- リヤサスペンション:マルチリンク
- 最小回転半径:5.9、6.0m
アウディQ7のスペック
- 全長×全幅×全高:5,070mm×1,970mm×1,735mm
- ホイールベース:2,995mm
- 車両重量:2,000~2,100kg
- トランク容量:890~2,075L
- 乗車定員:7人
- 2.0 TFSI quattro
エンジン形式:1,984cc直列4気筒ガソリンエンジン+ターボチャージャー
最高出力:185kW(252PS)/5,000-6,000rpm
最大トルク:370Nm/1,600-4,500rpm - 3.0 TFSI quattro
エンジン形式:2,994ccV型6気筒ガソリンエンジン+スーパーチャージャー
最高出力:245kW(333PS)/5,500-6,500rpm
最大トルク:440Nm/2,900-5,300rpm
- 駆動方式:quattro(フルタイム4WD)
- トランスミッション:8速ティプトロニックトランスミッション
- JC08モード燃費:12.6、11.7km/l
- フロントサスペンション:ダブルウィッシュボーン
- リヤサスペンション:ダブルウィッシュボーン
- 最小回転半径:5.7m
- 燃料タンク容量:75、85L
スペックからみたおススメ
約5m×1.9m超えのボディサイズからお分かりいただける通り、どちらも紛れもなくLサイズと呼ぶに相応しい体躯を誇ります。
そのため居住性は十二分に備わっており、想定される使い勝手としてはどちらを選んでも不満がでることはないでしょう。
それでは、両車の違いからどういう乗り方の人におススメか見ていきたいと思います。
お洒落でスマートかつ環境に気を配れる大人の方へ
あくまでも個人の主観が入ってしまいますが、外観や内装のお洒落さや質感はXC90が一歩リード、このあたりはドイツ車には出せない流石の北欧家具と言えるかも知れません。
また、燃費に関してもこの車体とエンジン出力からすれば驚異的とも言える数値で、平成32年度の燃費基準まで先取りで達成しています。
自然を大切にする北欧のイメージにもぴったりとマッチしているのではないでしょうか。
SUVのSを重視する方へ
やっぱりSUVというからにはスポーツしてなんぼ。
キビキビ走るのが好きだと言う方にはQ7をおススメします。
2リッター直列4気筒と実用十分ではあるものの、スポーツをするには少々物足りないXC90のエンジンに比べて、Q7には3リッターV6でボア・ストローク比が84.5×89.0mmと、平方に近くスポーティーなエンジンが搭載されています。
また、最小回転半径の小ささや前後ダブルウィッシュボーンの足回りも、スポーティーカーとして重要な要素です。
ただし、XC90もT8となれば話は別、電動モーターがもたらす圧倒的トルクはヘビー級のボディをぐいぐいと前に押し進め、特有の楽しさをもたらせてくれます。
両車を比較してみると、それぞれのメーカーの思想が見えてきます。
上質な室内空間で乗車する全ての人に安全・快適に過ごして欲しいと考えるボルボと、あくまでも車は目的地まで移動するための機械としてドライバーに正しく忠実にあるべきと考えるアウディ。
思想の違いによるアプローチは大きく異なるものの、出来上がった車はどちらも甲乙つけがたいほど素晴らしく、手に入れたすべての人にとって満足のいく出来となっています。
タイトルに「買うならどっち?」と、言っているくらいですので、私の個人的なおススメを述べさせていただきます。
ドイツ車大好きな私としては意外や意外、ボルボに軍配があがります。
スペックだけと断っておいて、反則で申し訳ありませんが、ボルボの内装表皮の滑らかさや質感にすっかりやられてしまいました。
しかも、この分野ではアウディもかなり定評があっただけに、まさか真正面から突破されるとは!と、驚いたのを鮮明に覚えています。
実はボルボ嫌いの私が、大好きなドイツ車と比較してボルボをチョイスする日がくるとは、思ってもみませんでした。どうりで、ボルボが空前のヒットを飛ばすはずです。
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