東京オートサロン2019の参加レポート メルセデス・ベンツ、TWS、レイズのブースを訪問

新車・試乗情報
新年あけまして第一弾のイベントと言えばこれに決まり。
自動車業界の賀詞交換会と称される東京オートサロンです。今年の会期は、1月11日(金)から13日(日)までの3日間となっています。
しかも、今年は何と言っても平成最後の開催となるだけに、会場の熱気は過去最高といっても過言ではありません。その証拠にどうやら来場者数も過去最高を更新したようです。
その数なんと33万人!!

さすがに世界三大サロンと言われるだけあって、展示車のレベルは世界的にみても高め
中でも特に目立っていたブースについて紹介させていただきます。

 

スポンサーリンク

メルセデス・ベンツ

中央ホールの奥に一際大きなブースを構える自動車界の巨人メルセデス・ベンツ。

 

近年の展示ではそれほどインパクトの大きなリリースはないものの、着実に同展の花形として定着している感があります。今回の目玉はなんといっても、ジャパンプレミアとなるAMG GTの4ドアモデルと先日発売されたばかりの“話せるメルセデス”Aクラスです。

 

早速二台を詳しくみてみましょう。

【昨年秋に日本で発売されたばかりの新型Aクラス】

ショー専用モデルとしてA180のボディにはゴールド、ホイールにはカーボン柄のラッピングが施されています。

 

外見こそド派手に見えるものの内装や機能は市販モデルそのものとのこと。早速、最新対話式インタフェースの実力を試してみましょう。

筆者「ハイ、メルセデス!」TVのCMなどでもお馴染みの起動ワードです。
Aクラス「どうぞおはなしください」
筆者「お腹すいた」
ナビの画面上に近くにある飲食店が近い順に複数件表示される。
Aクラス「項目をお選びください」
筆者「3番」
Aクラス「では何をしましょうか?」
筆者「案内して」
Aクラス「ルート案内を開始します」

 

と、いったように見事に会話が成立し要求を満たしてくれます。

 

ここまでの正確な音声認識(音声解析)を可能にしているのはもちろん人工知能の力によるところです。

人工知能そのものがナビゲーションシステムに搭載されているわけではなく、実はインターネットを介してAIとやり取りすることとなります。

そのため新型Aクラスの購入には漏れなく3年間のインターネット回線が付帯しています

 

その他にも新型Aクラスは、センターディスプレイがタッチスクリーンになっていたりと、もはやスマートフォンと遜色ない機能を搭載しています。

会場の隅でAクラスのタッチスクリーンに貼り付ける用のフィルムが販売されているのが、ついに車にも貼る日がきたかと印象的でした。
実は欧米ではこのフィルム全く需要がないそうです。

【Mercedes-AMG GT 4-Door Coupe ジャパンプレミア】

かなり以前から動画メディアなどでリークされたり、昨年は内覧会が頻繁に既存顧客向けには開催されていたものの、ここへきてようやくの正式なジャパンプレミアとなりました。

ようやく堂々と画像を公開できるわけですね。

 

クーペのAMG GTとは異なり、この4ドア版にはエンジンの異なる複数のグレードが存在しています。今回展示されていたのは、それらの中でもトップグレードとなる63Sの4MATIC+装備版です。

 

フロントマスクは最新AMGのアイコンとなるパナメリカーナグリルで、2ドアのAMG GTの面影を匂わせています。

名前からそのまま想像すると、2ドアの生粋のクーペであるAMG GTをストレッチしてドアを2枚足したように考えてしまうかもしれませんが、実はこの4ドア版の骨格は2ドア版とは全くの無関係なのです。

ライバルはもちろんポルシェのパナメーラを想定しており、両車の日本での住み分けや直接の比較試乗が待ち遠しいです。

TWS 新素材鍛造ホイールのニューモデル

高い鍛造技術を有し品質の高いホイールを生産し続けるTWSより、気になる2019年の最新作を紹介します。

 

ホイールはクルマの個性を形作る上で存在感の大きい物であり、エンドユーザーにとっては自動車パーツの中でも比較的馴染みの深いものです。

デザイン形状やカラーリングのみならず走行性能や乗り心地といった重要な機能にも大きく影響し、その奥深さは単なる構造部品の域を凌駕します。

 

ホイール製作の工法で「鋳造」や「鍛造」といった単語を聞いたことのある方は多いと思います。金属をホイールの形状にするプロセスの事ですが、より性能の良いホイールを作るには鍛造が標準となります。

 

TWSブランドの母体である「株式会社TAN-EI-SHA」はF1をはじめとするモータースポーツのトップカテゴリーにその鍛造ホイールを供給してきました。

そこで培った技術と品質を一般市場向けの商品にそのまま応用しているため信頼性も高く、製品からは理念や自信を感じる事ができます。

 

今回、東京オートサロン2019のブースでは従来のラインナップの他2019年最新モデルの展示もあり、製品をかたわらに確認する事ができました。

 

TWS  今年の目玉はFerrari専用モデル!!

 

【TWS EXspur EX-fF+udm】
Ferrari専用設計であるこのモデルは一見シンプルな形状でありながら深く眺めてしまう美しさがありました。

特徴と言えるのが、名称にも含まれている「UDM」と呼ばれる物。

Ultra Dura Metalの略で、TWSでは2016年よりハイエンドモデルに採用してきたホイールの材質を示しています。

 

例えば一般的に「アルミホイール」と表現しますが、アルミニウム合金はアルミに数%ほど混合する金属成分いわゆる合金要素によって特性が大きく変化します。

 

鋳造・鍛造・切削で求める特性は違いますし、強度を高める成分は耐食性を落とすという欠点も足かせの一つでした。

走行性能に大きく関わるホイールは強度や耐力を重視する事が大切になり、TWSのUDMという材質はその強度・疲れ強さを向上させながら腐食に強いという相反する性能を得るために開発されたそうです。

 

何がメリットかというと、より高次元の強さや長寿命を獲得できてなお、アルミニウム素材表面の美しい金属の質感を生かした意匠が表現できる点にあります。

従来アルミニウムの腐食を防ぐには表面を厚く塗装してしまうしかありませんでした。表面を酸化皮膜で覆うアルマイト加工も材質によっては色ムラが出易く困難です。

 

UDMホイールの現物を間近で見てみると非常に薄いクリア塗装で仕上げられていて、美しい加工や研磨の「目」が全体に確認できます。これは「単なるホイールのカタチをした何か」ではなく特別な技術とそれを具現化したプライドを感じます

カラー塗装の設定もありますが、この本当に美しい高性能を足元に纏う喜びはこの表面処理あってのことでしょう。

始めにこの5本スポークのデザインを遠目でみた印象として、とても「純正感」を感じました。

人によっては物足りない印象を持たれるかもしれません。

 

しかし、あえてそうしたのかもしれないと担当者にお話を伺ってみると

「頻繁に履き替えるわけにはいかないホイールなだけに長く飽きの来ないデザインは重要で、何よりも美的センスを重要視しているFerrariのデザインを邪魔したくなかった」

との回答が得られました。

 

ホイールの品質はピカイチ、車トータルとして計算されたデザイン、美しい表面処理と明確な付加価値に自信をもって商品展開していることが今回の取材でわかりました。

シンプルな外観だからこそ存在が際立っている印象です。

 

展示されていたカリフォルニアTのほか、現行のFerrari各車種の適合も随時進められてく予定です。

リム幅は純正と同サイズ。車高を落とした時などの見た目の調整にインセットは数ミリずつ5パターンの設定が用意されています。

 

完全受注生産で2019年の2月に受注開始、価格は概ね¥250,000/本。

決して廉価ではありませんが目に映る以上の内容と、それに伴う存在感が欲しい人にはとても魅力的なホイールに違いありません。

 

レイズの注目の新商品

ホイールの話題が続きます。

 

今回のオートサロンでGTのマシンお披露目を含んで、ひときわ注目を集めていたホイールブランド「RAYS」から、今年注目の新商品についてお話を聞いてきました。

【鮮やかなレッドカラーが目を引く「VOLK RACING TE37SAGA TIME ATTACK EDITION」】

TE37シリーズは多くのスーパーGTのチームにも採用されているブランドです。

 

そのTE37シリーズからマットブラックのベースカラーに艶有りのレッドカラーのラインが映える、RAYS伝統のタイムアタックカラーをまとったホイールが登場しました。

 

タイムアタックカラーのホイールの登場を熱望していた方も多いことでしょう。

ただしこの製品はかつてのタイムアタックカラーとは一味違っています。本製品に施されているタイムアタックラインは、単に外周をおおうラインではなく、スポークに合わせてラインを分けることで、よりスポークが強調され一体感のあるデザインとなっています

 

また、ホイールへの着色については従来のようにマスキングを行っての塗装ではなく、REDOT工法というアルミの地肌に直接塗装を行えるRAYS独自の技術が用いられており、その高い技術力によってマットカラーとグロスカラーという対比の組み合わせが実現されています。

 

もう一つのタイムアタックカラー「gram LIGHTS 57シリーズ REV LIMIT EDITION」

 

 

先ほどご紹介したTIME ATTACK EDITIONと同様にタイムアタックカラーをまとった新しいホイールが登場しました。

 

軽量・高剛性で高い人気を誇っている「gram LIGHTS」ブランドに新たに仲間入りを果たします。外周に施されたタイムアタックラインがホイールのアクセントとなり、また違った魅力を引き出しています。

 

さらに本製品はリム部分のカラーだけでなく、スポーク側面へもRAYSのロゴをタイムアタックカラーで施すという難度の高い塗装が施されています。スポーク側面への着色というのはこれまでの技術では実現が非常に難しかったのですが、最新のE-pro Coatと呼ばれる切削箇所にのみ電気着色を行う塗装工法によって実現されています。

 

伝統あるタイムアタックカラーと最新技術によるロゴのアクセントが融合した本製品は「TIME ATTACK EDITION」ではなく、新たに「REV LIMIT EDITION」としてラインナップに加わりっています。

進化した技術にあわせてブランドネームまでも新しくするというところに、RAYSの本気度合いが伺えます。

 

同じく57シリーズからランフラットタイヤに対応した「57Xtream SPEC-D」

先ほどと同じgram LIGHTSブランドから、「57Xtream」の新しいラインナップ「SPEC-D」が加わることが東京オートサロンで発表されました。

 

本製品は、従来のホイールとは異なっておりランフラットタイヤや、近年のドリフト競技で用いられている低空気圧のタイヤにも対応したホイールです。

ホイールの何が違っているかというと、リム形状を工夫することにより空気が少ない状態でもタイヤが抜けてしまわないような仕様となっています。

 

カラーラインナップはブラックとホワイトの二色展開となっており、ブラックの方は2本のスポークにレッドカラーが、ホワイトはブルーカラーがアクセントとして施されており、特徴的なデザインが目を惹きます。

「57Xtreme」シリーズに特徴的な二色のモデルがラインナップに加わったことで、ホイール選びに頭を悩ませることになりそうです。

 

まとめ

大手自動車メーカーも人気ホイールブランドも町の改造屋さんも時代の潮流を積極的に取り込み、常に新しい技術を惜しみなく投入してチャレンジングな新商品を展開していっていることを肌で感じました。

 

世間では益々の車離れが叫ばれるなか、メーカー以上に苦戦が予想されるはずのアフターパーツ市場の意外なほどの勢いに嬉しくなりました

日本の車文化を支えているパーツブランド各社の熱意は、世相や大勢などといったものとは無関係であり、意識しないで済んでいることこそがこの先の車業界の一筋の光明でもあるのかもしれない、そう感じさせてくれた2019年のオートサロンでした。

 

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました