中古車を売却する際には、売りたい車の特性に合わせて売り方を選んだ方が圧倒的にお得です。
そこで、中古車の売却にまつわる例を私の実体験を元に紹介させていただきます。

このコーナー初の軽自動車の登場です。とは言っても、普通車と何も変わる点はありません。
結果的にはヤフオクで売却することとなりますが、興味があったので査定による買取価格も調査してみました。
果たしてこの車の真の価値を見定める人は現れるのでしょうか。
対象車両の紹介
今回の対象車両は友人からの委託車となります。
短期で車をたくさん乗り換える友人が、山菜取りなどのアクティブなドライブをする際の相棒として購入したものです。
購入にあたっては、こだわり抜いた点が多々あり散々探し回りました。
逆に言い換えれば、そのこだわりは同じように探している人が必ずいるはずです。
ニッチなこだわりはうまくマッチングできるよう広くPRしていくのが賢い選択です。
車の詳細は以下の通りです。
- 車名:スズキ
- 車種:ジムニー幌型(JA12C)
- 年式:1996年式
- 走行距離:133,879 km
- 車検:残り半年
- その他:
-中古購入時にエンジンとタービンをリビルト品に交換済み
-禁煙車
-点検記録簿あり
-改造多数
-公認車検2→4名乗車登録変更
売却準備
売却にあたって、いつも通りに以下の順で準備を進めていきました。
① 売却理由の確認
売却を迷っていたり、売却の意志が鈍ってしまったのでは売り時を逃してしまうことにも繋がりかねません。
この段階でしっかりと売却の意思を固めてもらいましょう。
今回の場合は山菜採りスペシャルとして購入したものの、2年間で本当に山菜採りにいったのは1度キリだったそうです。
それに気が付いたオーナーは買い替えを即決。
すでに入れ替え車両となるスマートカブリオレを購入済みということで、迷う可能性はゼロです。
② 売却以外の方法がないか
車両に改造箇所が多く、万人受けするものでもないことからカーシェアは最初から断念。
本当に欲しい人に売れれば、納得のいく価格を引き出せるはずですので全力で売るのみです。
ただし、レアな車な上、今後の値上がりも十分期待できるだけに車検を切ってこのまま残しておく選択肢もなくはありませんでした。
③ 車両確認
売却の決意が確認できたところで、現物のチェックから始めていきます。
ここからのチェックポイントは、どこに車を売る場合でも実施しておいた方がよい項目ですので直接参考にしてみてください。
プロに気付いてほしい点は目立たせて、気付かれたくないポイントはグレーゾーンにしておきましょう。
<確認のポイント>・・・⇒は確認結果です。
- 客観的にみて内外装の綺麗さ(傷や剥げ等がないか)
⇒この手の車の定番とも言えるフロアの錆や抜けが全くありませんでした。
後付のフロア補強材のおかげかもしれません。
車種的にも傷を気にするような用途の車ではないため、それほど神経質に小傷を探す必要はありません。
もちろん大きな凹みや割れは一応探しておきましょう。 - 車検証上の走行距離とメーター上の走行距離が逆転していないか
この手の改造車ではメーターパーツ交換のための逆転現状も多いです。
それほど目くじらを立てて追及されることもありませんが、念のため確認しておきましょう。
⇒もちろん車検証上とメーターの走行距離が一致しています。 - 装備品や車内備品が全て揃っているか(取扱説明書、スペアタイヤ、車載工具など)
⇒年式も古く、いろいろと手が入っている車なだけあって、取扱説明書やスペアタイヤ、車載工具などは欠品していました。
かろうじてスペアキーやカーナビ等の後付装備品の付属品や説明書だけは残っています。
逆に純正以外の装備品や改良点が大量にありますので、状況は悪くはありません。 - 後付の装備品は何があるか(ETC、エアロパーツ、社外ホイール、ルーフキャリア、ドライブレコーダー、社外カーナビなど)
⇒ETC、社外ホイールとマッドタイヤのセット、純正ホイールとマッドタイヤのセット、Bluetoothオーディオ、社外メーカーのスピーカーセット、ブーストメーター、ブローオフバルブ、社外マフラー、社外幌、サスペンションフルキット(コイル、ショック、ラテラルロッド)、リフトアップ、フロントグリルガードなどが追加されており、全て問題なく機能しています。 - 機関や機能に不具合箇所がないか(エアコン、オーディオ、ヘッドライト、エンジン、変速機の振動や異音がないかなど)
⇒機関系・駆動系概ね完調なのですが、残念ながらトランスミッションは2速と4速のシンクロが弱っています。
具体的には、走行中のシフトダウンでこの二つに入りません。
その他念のため下回り等確認してみましたが、錆やオイル漏れ等全くありませんでした。 - 消耗品の残量(タイヤの残り山、ブレーキ残量)
⇒タイヤの残り山は、どちらのセットも残り7部山といったところです。 - 定期点検の履歴(車検時期、エンジンオイルや各油脂類の交換時期)
⇒定期的なメンテナンスは所有者自身で行っていますが、特にそれを記録したものはありませんでした。
準備の中でも一番大事な意志の再確認と現状チェックができました。
引き続き車両の状態を少しでもよくすることから見ていきたいと思います。
④ 車両補修
今回の車両は山菜取りの用途で使う方が多くいるくらいですから、概観の綺麗さは問題にはなりません。
それでもやはり、汚いよりは綺麗な方が喜ばれます。
一通りの洗車をして、あまりにも汚れが酷い箇所は粘土やケミカルを使って綺麗にしておきます。
この手の車はタイヤのゴム面積が大きく視覚効果も出やすいので、タイヤクリーナーを必ず使いましょう。
⑤ 書類のチェック
いくら車が綺麗で完調だったとしても、例え新車だったとしても登録書類が揃っていなければ、日本では価値が付かないものと思ってください。
それだけに書類の確認は非常に重要で間違いが許されません。軽自動車の場合も同様です。
チェックポイントは以下です。
- 売却に必須となる書類(車検証、自賠責保険証書、自動車検査証記入申請書または申請依頼書への押印)が揃っているか
:揃っています。(軽自動車の場合は普通車と異なり、譲渡証や委任状はありません。また、それに伴って旧所有者の印鑑証明書は不要です。) - 車検証上の車の所有者は誰になっているか
:友人の会社名義になっていました。自動車検査証記入申請書または申請依頼書への押印も法人となります。認印でOK
万が一ローン会社や販売店になっている場合は、ローン残金を一括返済しローン会社の所有権解除用書類を取り寄せる必要があります。 - 売却時に有利になる書類があるか
:特に何もありませんでしたが、購入時にエンジンやタービンをリビルト品に載せ換えた業者とのメールのやりとりが残っていました。
⑥ 洗車、磨き
当然ですが、綺麗な車の方が汚い車より高値がつきます。
それほど概観の差が出る車ではないので、時間や手間をかけずにガソリンスタンドの機械式洗車で十分です。
実際に行った作業とかかった費用は以下です。
- 機械式洗車での撥水洗車:1000円
- タイヤワックス:200円(タイヤワックスは、黒い樹脂パーツ全てに塗布しました)
⑦ 写真撮影
車を売却する際に画像は必須です。
中古車専門店の買取査定を受ける場合には、もちろん不要となります。
ただ、思い出の写真としても活用できるので、できるだけ撮影しておいて損はないと思います。
一度じっくりと自分の車に向き合ってみてはいかがでしょうか?
撮影ポイントは基本的にはお決まりのセットと、特筆すべき点があれば追加する形です。
- 全景
- サイドビュー
- リアビュー
- 内装
- メーターパネル
- エンジンルーム
- トランク
- ホイール、タイヤ
- 付属品(オプションや社外パーツ)
- 不具合や大きな傷・凹み等あればクローズアップ
できるだけ詳細にたくさん撮影しておきましょう。
ただし、後々10枚程度にしぼる必要もでてきますので、その時のためにも選定できるようにあたりをつけて撮影してください。
車両価格の調査
一通りの売却前準備ができたところで、一体いくらくらいになりそうなのか各方面での流通価格を調査し、目標価格を試算します。
今回の場合は、友人からの希望で50万円を下回るようなら売らなくてもいいという指示を受けていました。
友人が探しに探して購入したときの価格は、110万円だったので、少々控えめの金額にも感じますが、本当に欲しいと思っている人が複数人現れないと、ニッチな市場だけにこの価格すら下回ってしまいかねません。
エンドの買い手から見た車両流通価格の調査
大手の中古車販売サイト(CarGooやガリバー、カーセンサーなど)で、同車種の中から色や年式、走行距離が似た個体を探しエンドの買い手から見た販売価格を調査します。
もともとの個体数も少なく、それぞれが独自の特徴を持ってしまっているだけに見極めが困難ですが、おおよそ50万円~70万円と言ったところでしょうか。
ヤフオク落札履歴の調査
同程度で似た装備の個体が見つからず、断念しました。
買取査定
大手G社と今勢いのあるB社に試しに査定してもらいました。
低年式の中古軽自動車で、しかも改造車とくれば高値が期待できるはずもありませんが、市場価値を知るための参考として。
結果は予定通り過ぎました。
これでも、想像していたよりは高かったのですが、価値をまるで理解できていません。
完全に時間の無駄でした。
B社:41万円
かなり意外でした。思っていたよりは高いです。
車の価値推移のプロセスを理解できていない方なら、喜んで売ってしまったかもしれませんね。
特にG社の後だったらなおさらです。もちろん、この価格でもリスクヘッジや利益が相当に入っています。
目標売却額決定
上記の調査結果から目標価格は65万円とすることにしました。
ただし、需要がばっちり噛み合えば100万円以上も狙えると思っています。
それだけに今回はこれ以上の数字が読めないのが正直なところです。難しいです。
ここまでで一通りの売却前準備は終了です。
いよいよ個人売買に出品してみたいと思います。
今回も定番のヤフオクを利用したいと思います。
ヤフオクを利用する理由
個人売買にはいくつもの方法があります。
主なものとして個人売買仲介サービス(Ancar、エンスーの杜など)やヤフオク、売買掲示板、友人知人への売却などが挙げられます。
それぞれについて、今回利用しなかった理由を振り返ってみるので、向き不向きの参考にしてください。
個人売買仲介サービス(Ancar、エンスーの杜など)
これらのサービスは趣味性の高い車を対象としており、閲覧者もエンスーと呼ばれるような車に理解のある方ばかりです。
今回の車両もまさに打ってつけなのですが、いかんせん時間がかかります。
売り手はすでに次の車を購入してしまっているだけに早く手放すことを希望しています。
趣味性が高い=車検を通しにくいといっても過言ではないため、車検の残期間も気になるところです。
そのため、今回は利用しませんでした。高値だけを純粋に狙うならもちろん利用をお勧めします。
売買掲示板
個人売買仲介サービスとほぼ同様です。
時間的猶予の問題だけです。
価格的にはぜひ積極的に利用するべきです。
友人知人への売却
かなりニッチなマーケットのため、さすがに友人や知人の中から欲しい人を見つけることはできませんでした。
ヤフオク
需要とうまくマッチさせることさえできれば、これほど心強いサービスはありません。
閲覧数そのものも相当多いので、欲しがっている人が必ず数人はみつかるはずです。
ヤフオク出品
改造点も多く、不具合も多少あり、いろいろと説明の難しい車です。
不具合をアピールし過ぎずに端的に事実を伝え、極力興味を持ってもらえる説明文を心がけましょう。
この手の車に詳しいことをアピールすることも効果的です。
今回の場合はどんな工夫を凝らしたのか、具体的に実例を交えながら詳細に渡って解説させていただきます。
商品タイトル
以前より業者の販売数が爆発的に伸びているヤフオクにおいては、中間業者を挟まない純粋な個人売買は大変貴重な存在です。
出品タイトルには必ず(個人出品)と入れましょう。
その他は、特徴をわかる人にわかるように端的に記載するだけで大丈夫です。
あまり知識のない人が買う車ではありませんので。
(個人出品)ジムニーCC 幌(JA12C)4座 純正パワステ・エアコン付き エンジン&タービンリビルド乗せ換え後約5000km リフトアップ
説明画像
ここで使用する画像は、売却準備の際に撮影した画像となります。
たくさん撮影した画像の中からタイトルとなる10枚を選びます。
今回の不具合箇所は画像で表せるものではありませんので、気にしなくて大丈夫です。
もちろん、他の画像についても説明文を見た閲覧者から追加画像を求められれば送付してあげましょう。
- 自分が一番カッコいいと思う角度でのフロント方向からの画像
- 自分が一番カッコいいと思う角度でのサイドが映る方向からの画像
幌と白いボディの対比がポイントです。 - 欠品しているスペアタイヤがわかるようにリアの画像
- 追加社外品もわかるようにメーター回りの画像
- シート表皮のよれ具合もわかるように運転席全体の画像
- 車外サスペンションシステムの画像
- 車内ロールバーの画像
- 改造車検を受けて正当に4座仕様になっていることを示すリアシート画像
- 改造点のあるエンジンルームの画像
- 付属品となる純正ホイールとマッドタイヤセットの画像
商品説明
これまでにも商品説明を記載する際の注意点や、コツについては何度か説明させていただきましたので、ここでは最初に実例をご覧いただきたいと思います。
希少なスズキ ジムニーCC幌(JA12C)の個人出品です。
ずっとジムニーの幌モデルが欲しくてJA12Cに的を絞って探し回り
ようやく約1年半前に手に入れました。
当初はいろいろ手がかかりましたが、おかげで今では素晴らしい仕上がりだと自負しています。
山の中を走り回って山菜を採ったりいろいろな遊びに使い、そろそろ次に欲しい車が出てきたので
可愛がってくださる方にお譲りしたいと思い出品しました。
<解説>=================================
本文中でも車名についてもう一度振り返り、検索ヒット率の向上を狙います。
自分がこれまでどれほどの愛情をかけてきたか、この車に的を絞って探し求めてきたかを語ることで、この機会を逃せば手に入らない車だということで理解させます。
そして、本来なら手がかかる=所有してからお金がかかる車だが、自分が全ての整備をやっておいたおかげで今後はそれほど費用をかけずに乗り続けることができるというメリットを掲げます。
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