車両保険は必要なのか?その保険金額と保険料気になる免責の存在とは

自動車保険
自動車保険の保険料を節約するため、車両保険に入るべきか、やめておくべきか悩むユーザーはたくさんいます。
ただ、本当にその仕組みを理解し、自分に必要なのかどうかしっかりと見極めて、それを決めているでしょうか?
今回は、若い世代で元の保険料が高いケースでは避けることも多い車両保険とはどういったものかについて、できるだけわかりやすく説明しながら、大きな意味を持つ「車両保険の免責」についても触れていきたいと思います。
なお、ここでいう自動車保険とは、自賠責保険を除く任意保険のことを指すものとします。

 

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車両保険とはどんなものなの?

まず、車両保険の概要と種類、そしてそれぞれどんなケースで保険金の支払いがされるのかなどについて、説明してまいります。

 

事故は自分だけの責任ではないのですが…

皆さんはいま現在、日本の道路を何台の自動車が走り回っているかご存知でしょうか?

普通乗用車と軽自動車、それにトラックやバスなど、4輪車と呼ばれるものだけでも2016年現在登録・届け出されている数は7,700万台。
中古車店などの在庫になっている車両もあるためすべてが現役とは限りませんが、少なくとも7,000万台以上の車が皆さんの足としてや物流などの確保のために決して広いとは言えない日本の公道で活躍しています。
これだけの車が信号や交差点を通過・すれ違っているとなると交通事故が起きてしまうのも当たり前で、どんなに安全運転に心がけていてももらい事故や自分の前方で不意に起きた事故に巻き込まれることだってあります。
また、人間は時にミスをしてしまい、自分の過失によって事故が発生するケースももちろんあり、自動車保険はその人的・物的損害を保険金という形で補ってくれます。


そのことを知っている賢明なユーザーはしっかりと自動車保険に加入をしていて、その加入率は85%を超えるほどになっています。
そして、自動車保険には事故相手の物的被害を補償する対物賠償保険というものがついているので、自分の車の被害の修理費などもそこから補償されるので大丈夫と思っている方がほとんどです。
しかし、ここに大きな勘違いが起こる可能性があります。

それが、交通事故において否応なしに発生する「過失責任割合」の存在です。

 

過失責任って何?

前項でも述べたように、「自分のせいではない」と考えられるケースでの事故でも、法律上あるいは自動車保険料の支払いにおいて、「完全なる過失なし」とされるケースは、実のところそれほど多くありません。

例を挙げるとするならば、

1. 停車していたときに加害者側が一方的に後ろから追突
2. 突然センターラインをオーバーして一方的に衝突
3. 赤信号であるにもかかわらず突然前進してきて衝突

などが相手方にあった場合のみ、衝突された側が「過失なし」にあたります。
ですが、どのケースも、ドライブレコーダーがあったり目撃者がしっかりと確保できている場合を除くと、過失が極端に少ないことを証明できても、完全にゼロであることを証明するのは難しいというのが実際です。
できるだけ保険金を少なく済ませたい相手側の保険担当は主その点を張してくるため、俗な言い方で「おかまを掘る」なんて言い方をする1のケースで相手が自己責任を完全に認めているケースを除き、あっさり10対0と認定されることは稀です。
2については、「避ける行動をとれたのでは?」とか、3では「クラクションを鳴らしたりはしたのか?」などと何やかんや理由をつけて、最終的に、9対1や8対2になってしまうこと少なくありません。

 

過失責任と対物賠償支払い保険金

ではここで、些少なりと過失責任を問われた場合の、過失責任割合と対物賠償保険金との関係について説明しましょう。

対象者をAとB、話しをわかりやすくするためにそれぞれの車の被害が、全く同じ100万円だったと仮定します。
事故発生時の過失責任について「過失なし」と 「9対1」の2パターンを考えてみます。

それぞれの対物賠償保険金支払いがどうなるのか表にすると、以下のようになります。

対象者 過失責任 相手の保険から支払い賠償金 不足分
A 0% 100万円 0円
B 100% 0円 100万円
A 10% 90万円 10万円
B 90% 10万円 90万円

「過失ゼロ」を認定された場合、Aは自分の車の損害分の補償をを全く心配することはなく、反対に、Bは自分の損害についてはすべて自腹を切るしか手がありません。

一方、少しでもツッコミどころがあってAが10%の過失を問われてしまった場合、つまり、「9対1」認定の場合、悪くないはずのAも自分の損害について10万円身銭を切らなければいけない羽目になってしまうのです。
これは自分が本当に悪くなかったケースで、反対の立場になることもありますし、お互いに信号や交通標識を守ったうえでの事故では 「5対5」や「6対4」などになることも多くなります。
そうなると、自分の車の被害への補償はもっと不足していきます。

車両保険は過失割合による不足分を補うことができる保険であり、契約車両ごと決められる「保険金額」を上限に保険金が下りる仕組みになっています。

 

相手がいない時はどうなる?

上記まで、車対車の事故について触れましたが、必ず相手がいるとは限りません。

  • ガレージの壁と衝突した!
  • 電信柱やガードレールに自分から突っ込んでしまった!
  • 田んぼに落ちてしまった!

などといった、自損事故もあります。
この場合には相手がいませんので、壊したガードレールや電信柱などの弁償金は自分の保険からカバーされますが、自分の車への補償はありません。
ですが、条件を満たした車両保険に加入していれば、これに対してもしっかりとした備えができます。

また、相手がいないもしくは特定できずに起こる車への被害には、

【不可抗力による被害への車両保険適用例】

イタズラによる外装ダメージ
交通事故を起因としていない火災やそれに伴う爆発
盗難による車両の消失
大雨・洪水による水没被害
飛び石・落下物でのフロントガラス等の破損
接触した車両がわからない当て逃げ

条件に合った車両保険の加入によって、これらの被害での修理費用等の支給も受けられます。

 

車両保険の種類と保険料の概算

さて、ここまで車両保険とはどういったもので、どんな時に保険料が下りるのかなどについて説明しました。
しかし、車両保険と言っても加入の仕方にいくつか種類があり、加入方法によっては上記で触れたケースでも保険金支払いが行われないこともあります。

それをしっかりと把握していないと、自分が求めていた車両保険の効果が得られないことになってしまうので、ここからはまず、車両保険の種類について触れてまいります。
また、それぞれの種類ごとや車両保険金額の違いによって、どのように掛け金が変化するのか、表などを使って整理して、その選択の材料にしていただこうと思います。

車両保険の種類

車両保険では「一般型」などと表現されることの多い上記で触れたすべてのケースで保険料が支払われるタイプと、一部が除外されるもののその保険料が若干安上りで済む「エコノミー型」と呼ばれるものが存在します。

自動車やバイクとの衝突・接触 電柱・建物などとの衝突や接触 あて逃げ 転覆・墜落 火災・爆発 台風・洪水・高潮など 盗難・いたずら 飛び石や落下物被害
一般型
エコノミー型 〇(※) × × ×

※・・・相手が特定できる場合に限られる、一般型では補償される自転車との衝突では補償されない。

上表の〇が補償されるもの、×が補償されないものとなりますが、

1. 無免許運転・酒気帯び・飲酒運転によって生じた事故への補償
2. 詐欺や横領など犯罪に絡んだ事故への支払い
3. 自然に生じた故障や消耗・摩耗・腐食などの修理費用
4. タイヤ単独の損害(事故が関与している場合と火災などで車体とともに受けた被害は適用)
5. 戦争や暴動による損害

などといった、各自動車保険会社共通の「保険適用除外事項」以外のケースでは、すべての車体被害について、一般型なら補償が受けられるため安心です。
なお、保険会社によってはこの一般型とエコノミー型を違う呼び方で表現していたり、もっと細かく車両保険適用の有無を分けて、3種、4種のパターンを用意しているところもあります。

車両保険への加入をするときは、通販型ならしっかりと公式サイトをチェック、代理店の場合は担当者によく仕組みを聞いて、その種類を決めるようにしましょう。

 

車両保険の保険金額の決まり方と保険料

対人や対物と異なり、車両保険はその車種や年式によってかけることのできる保険金額が違います。
基本的には「契約車両の時価」が保険金額にあたり、新車の場合ですとオプションや諸費用などを除く本体価格がその基準になってきます。
そして、当然と言えば当然ですが、車としての評価が高く「保険金額」が高くなるほど、それにかかってくる保険料も高くなります。

まずは、具体的に、現行の新車でいくつかその車両保険金額と車両保険料の見積もりをしたので、一覧表にまとめてみましょう。

【表1】

車種 新車価格 保険金額例 車両保険料
プリウス「S」
(2015年12発売開始)
247万円 330万円 一般型…33,180円
エコノミー型…15,030円
タント「L」
(2016年11月販売開始)
122万円 175万円 一般型…19,450円
エコノミー型…10,090円
レクサス「RX200T」
(2016年8月販売開始)
495万円 640万円 一般型…64,570円
エコノミー型…29,250円
ベンツ「E200クーペ」
(2017年5月販売開始)
682万円 730万円 一般型…85,610円
エコノミー型…38,790円

※某通販型自動車保険の公式HPでの見積り、ゴールド免許で15等級の30歳男性が記名被保険者で、運転者は本人限定であり、走行距離は5000~7000kmに設定。

今回は、普通の補償内容の総保険料から車両保険無しの保険料を差し引いて算出した「車両保険分」のみで比較してみます。
車両保険以外の補償部分は保険会社でその保険料がまちまちですが、新車の場合では保険会社の違いによって車両の価値評価はぶれることがないので、これが車両保険料相場そのものと考えていいでしょう。
また、エコノミー型にした場合、一般型に比べるとかなり安い保険料の上乗せで車両保険がセットできることがよくわかります。
高級車の場合それが顕著になっていき、ベンツに至っては実に倍以上です。

しかし、エコノミー型で補償されない盗難やいたずらの被害のリスクが上がることや自損事故による修理代の高騰などを考えると、一般型での加入もやむなしといったところです。
一方、軽自動車やコンパクトカーの場合ではいたずらなどの被害がグンと下がりますし、修理費も軽い自損ならそんなに高くないためこの保険料差は結構大きくなってきます。
保険料節約のため、大きな事故に発展することもある「車対車の事故」の補償がしっかりと得られるエコノミータイプでの加入という選択もアリです。

 

中古車の車両保険金額と保険料

新車以外の車両の時価は年々低下していくため、中古車は年式などによって保険金額が変わります。
全く同じ条件・車種(レクサスのみ同程度グレードに変更)で見たほうがわかりやすいでしょう。


【表2】

車種(すべて5年落ち) 中古車販売相場 保険金額例 車両保険料
プリウス「S」 110~125万円 130万円 一般型…26,680円
エコノミー型…12,540円
タント「L」 80~90万円 90万円 一般型…16,730円
エコノミー型…8,670円
レクサス「RX200T」 280~350万円 265万円 一般型…33,180円
エコノミー型…15,030円
ベンツ「E200クーペ」 250~300万円 加入不可 加入不可

※表1と同条件

上表がその具体例ですが、その価値判断は各自動車保険会社で異なります。
通販型やダイレクト型と呼ばれる自動車保険では現車を見ることなく車両情報のみでそれを判断するので、中古市場での取引相場価格が車両保険料の基準として採用されます。
一方、現車の状況を確認できる代理店型では、状態のいい車であればここで紹介した概算より高く評価され、併せて設定できる保険金額が上がる可能性はあります。
また、年式が古く価値が低い車体では保険金額ゼロ、つまり、車両保険に入りたくても入れない場合があります。
反対に、たとえばフェラーリやランボルギーニのように、新車価格が数千万円に達することもある「超高級」車種の車両保険加入を断るところも多くあります。

通販型自動車保険各社は自身の公式HPなどで、車両保険を引き受けられない車として高級車や一部スポーツカーが属する「車両料率クラス9」を明記しておりほぼ全滅という状況です。
車両保険どころか任意保険そのものの加入を拒否してくるケースもありますが、聞いたところによると、代理店型の中には車体価格1億円の車を年130万円ほどの保険料で引き受けたところもあります。

ただそれも、契約者との付き合いの長さや等級の高さなどから「事故は少ないだろう」と独自判断し、その高い保険料収入を得ようとする代理店型が加入を容認したレアケースです。

筆者の知り合いで、3,000万円のフェラーリの乗っていた方は、「入れる車両保険が無い」とぼやいたのをよく覚えています。

「受け入れる所もある」という程度でしかなく、基本的に車両料率クラスが9の車種や車両価格が1,000万円を超える車の車両保険をあっさりと受け入れてくれる保険会社は多くありません。
ちなみに、車両料率クラス9、

メルセデス ベンツ 「E240ステーションワゴン」
 ポルシェ 「986M」
 ランボルギーニ 「JFGE11」
 フェラーリ 「F110J」
 アウディ 「42BYHF」

などといった、そうそうたる海外高級車種の他に、日本車でも、

スバル インプレッサWRX 「GDB」
 トヨタ セルシオ 「UCF30」
 トヨタ ランドクルーザー 「UZJ100W」
 日産 スカイラインGT-R 「BCNR33」
 日産 シルビア「S15」

辺りが含まれています。

これらにお乗りの方は車両保険に加入したいときは、ネット加入できる通販型はあきらめ、ディーラーや保険を専門に取り扱う、自動車保険代理店を訪れるようにしましょう。
なお、上表で示しているように、新車では加入できるベンツの「E 200クーペ」が、型式の違う5年落ちでは加入不可です。

カッコで示した「型式」によって料率クラスは違うので、同じ車種でも型式が変われば「クラス9」になってしまう場合もあります。

 

車両保険は果たして必要なのか

車両保険の概要と適用されるケースや種類、そして、肝心の保険料まで触れてきましたが、その有益性はわかるもののやっぱり加入にはそれなりのお金が必要です。
新車時の保険料に合わせて、5年目の見積もりも紹介しましたが、それにはちゃんと理由があります。

実は、車両保険の必要性について大きく分かれるポイントになってくるのが、2回目の車検が終了するこの5年目だからです。
5年目のタイミングは新車ユーザーが乗り換えを視野に入れ売却を良くする時期ですが、多くの場合、新車購入時に組んだ「カーローン」の支払いが5年60回で終了をするからです。
ローンの残価が無く、次期車両購入によるローンとそれが被ってこないからですが、この期間中に車両が全損すると、車が無いのにローンが残るという、最悪のケースになる恐れがあります。
重ねてローンが組めるときは良いですが、残債のせいで新規のカーローンが組めないなんて場合も考えられるので、この時期には車両保険に加入しておいた方が何かと安心だと考えます。
車両保険に加入しておけば、仮に車を廃車にせざるを得なくても保険金でローンの残債が整理できる可能性が高くなります。
さらに、無事にローンが終わるまで事故で過ごせた場合は、高く維持されたリセールバリューによってえた売却益で支払った車両保険代も十分に取り戻せます。

一方、この5年目を境に車体の評価額はがくんと落ち込んでいき、車両保険金額もグングン低下します。
7年目や9年目のタイミングでは、最大でも30万円しか付けられないなんてことになってきます。
また、そのあたりの年式の中古車を購入した時も同様で、もともとのダメージもあるため、小さな傷などで車両保険を使う機会もメリットも少なくなってしまいます。
全損時でもその保険金の支給額は低くなっていしまうので、車両保険には加入せず手ごろな軽自動車の購入費用として浮いた分をプールしておいた方がいいケースもあります。

 

車両保険を使うと等級はどうなるの?

事故などで自動車保険を利用すると等級が下がってしまうという点は、車両保険もその例に漏れることはありません。
ただ、車両保険は自分のための保険であり、事故相手の補償のために存在する他の保険と違い、使う使わないは加入者の判断次第です。

そこで、車両保険を使うと等級がどのように変化し、どういったケースで使う使わないを判断すべきなのかについて、触れていこうと思います。

 

使うと絶対に下がります

自動車保険の利用が等級に関わってくるパターンは、大きく3つに分かれます。

  • 3等級ダウン事由・・・車対車の物損事故、あるいは自損事故による対人・対物補償の適用と車両保険料の給付。
  • 1等級ダウン事由・・・上記、【不可抗力による被害への車両保険適用例】参照。
  • ノーカウント事由・・・人身傷害・搭乗者傷害保険のみの適用。

見ての通りですが、車両保険を利用すると、どんなケースでも必ず1等級ダウンします。

 

時には使わない方がいいって本当?

相手がいる事故の場合、否応なく対人・対物保険に頼ることになるので3等級ダウンは避けられないことになりなので、どんなに小さな修理でも車両保険を使わないと判断する必要は全くありません。
また、盗難や水没によるダメージは甚大、盗難はもはや全損と同じことですし、程度にもよりますが、様々なトラブルを引き起こす水没車に対する評価ははっきりというと廃車に匹敵するほど低いものです。
1等級ダウンぐらいならばそれほど保険料はアップしない上に、割引率が下がる事故有期間も1年だけなので、その期間我慢すれば十二分に元は取れます。

考えておかなければいけないのは、いたずら書きなどの復旧や、飛び石などでの被害を車両保険でまかなうかどうかの判断です。

ペイントスプレーなどで、盛大に落書きをされ仮に全塗装をしなければならなくなっても、その費用は割高であるワンボックス車でも12~3万円が相場です。
部分的な落書きならもっと安く現状復旧できますし、飛び石などで仮にフロントガラスが破損して取り換えをしてもその費用は高くて5~6万円ほどです。
今回具体的見積もりを紹介したケースでは15等級で運転者範囲も記名被保険者のみとかなり保険料が安くなる設定でしたので、そんな少ない被害での適用も視野に入ります。
ただし、等級がまだ上がってない方や、運転者や年齢制限をかけることができないケースでは、元となる保険料が高いので注意が必要です。
弁償の必要がない自己の所有物への衝突による被害の修理に、車両保険を使用した時の3等級ダウンはもちろんですが、1等級ダウンですら、「車両保険使ったら逆に損をした!」なんてことにもなりかねません。

普段から、等級が下がることでアップする保険料をしっかりと把握しておくようにしましょう。

 

免責などからみる車両保険の選び方

最後は、気になっている方も多いはずの車両保険の免責について説明しておきたいと思います。
また、免責を付けるか否か?どの程度保険料が変わるか?にも触れると共に、車両保険加入を考える方が多い新車購入時に選択すべき特約についても説明したいと思います。

 

車両保険における免責とは?

単に言葉の意味を伝えるならば、

「保険事故が発生した場合、契約に基づいて保険金支払の義務と責任を負うが、特定の事項が生じたときは、例外としてその責任を免れること。」

というのが、損害保険における免責の定義です。

実は、車両保険の種類で触れた「車両保険適用除外事項」が特定の事項であり、そのまま自動車保険における免責事項となります。
ただ、ユーザーの皆さんが気にしている車両保険の免責というものは、少し意味合いが違います。

  1. 「0-5万円」
  2. 「5-10万円」
  3. 「10-10万円」

などといった、金額表記をされた「免責金額」のことのはずです。

酷く雑ですが、車両保険における免責とは、分かりやすく言うと、「いくら自腹を切らないといけないか」ということです。
上記の1番であれば、初回の車両保険利用では一切自腹を切る必要が無く、2回目は5万円は自腹を切らないといけないというもので、一般的に免責無しと言っているのはこのことです。

免責金額を付ける?付けない?

一方、2,3番のことを指して免責を付けると表現することが多いのですが、例えば、2番の場合で些細な修理のために車両保険を利用するとします。

仮にその修理費用総額が15万円だとしても、免責金額が初回5万円になっているので10万円しか保険金は下りず、5万円は自腹ということになります。
ところが、同じケースでも3番なら自腹は10万円で、こうなると上記で伝えた等級がダウンしてしまう軽微な被害に対する車両保険利用の必要性はなくなってきます。
じゃあ、「初回は自腹分のない「0-10万円」にしとけばいいじゃない」と思うかもしれませんが、そう簡単にいかないのが自動車保険です。

実は、上記で紹介した新車プリウスの車両保険料は免責金額を「5-10万円」で設定していますが、それを「0-5万円」に変更するとなると年あたり約6千円保険料がアップします。
反対に「10-10万円」、すなわち、必ず10万円の自腹が発生する設計に変更すると、年あたり5千円ほど保険料がダウンします。

保険料総額で見れば些細な値動きなので、「せっかく新車で購入したのだから、きれいな状態を保つために、小さな傷などでも車両保険を使って直したい。」と考えての車両保険加入であるならば、「0-5万円」設定にするのが◎です。

反対に、「些細なキズなどなら我慢をするか自腹を切って、等級を下げずに保険料をできる限り節約したい。」といった場合やすでに小さなダメージは車体に残っていることも考えられる中古車での車両保険加入時には、「5-10万円」や「10-10万円」設定をするとよいでしょう。

 

新車買い替えになってしまうことに備えるなら

免責と併せて、必要に応じてセットしておくと、新車ユーザーにとって心強い特約があるのでご紹介しておきます。
  • 「車両新価保険特約」
  • 「新車特約」
  • 「新車買替特約」

など、保険会社によって様々な呼び名は変わりますが、基本的にはどこの保険会社でもそのスペックは同じです。

修理費が契約時に設定した新車価格の50%以上であり、かつ、ダメージが残る可能性があるため、修理せずに6ヵ月以内に新車を再購入した場合には、保険金額を上限としてですが、新車の再取得費用を満額受け取れる特約がこれらです。
(※自家用5車種の新車で、保険始期日時点で初度登録から25ヵ月以内に限る)

通常の車両保険契約では、「修理をして乗る」ことが前提とされているために新車再購入費用にまで保険料が届きません。
しかも、大きな事故の場合はたとえ直しても修復歴ありの車体となるので、リセールバリューが急降下してしまいます。

この特約を付けておけばもしもの時にも真新しい車体をゲットできる事から、大変人気の高い特約となっています。
再度登場いただく新車プリウスの同条件で、3,500円程度を車両保険代にプラスすれば特約をセットすることが可能です。

 

セットすることができる2年間で7千円ほどの出費ならば、加入しない手はないと考えます。

 

まとめ

他の保険と異なり、車両保険は加入していなくても他人に迷惑をかけることは一切ないので、加入するかどうかを決定するのは全くの自由です。
ただ、車両保険に加入している方は全任意保険加入者中5割以上を占めており、5年落ちまでの車体の場合は実に7割が加入済みという事実からその価値を感じているユーザーも多いと思われます。

今回は、任意保険中の車両保険について皆さんが気になりそうなこと総括しましたので、自身の愛車に車両保険が必要かどうかを検討する機会にしていただけると幸いです。

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