【体験談】カーシェア中に事故にあった場合の対処法と損害金の支払い・保険との関係

最近ではすっかり市民権を得て引き続き大流行中のシェアリングエコノミー。その中でも特に私たちの身近でもあるカーシェア。過去にもカーシェアについて、実際の体験談やオーナーとしての収支などをお伝えさせていただいてきましたが、この度始めてシェア中に事故を起こされてしまいましたので、その体験談を借りる側・貸す側の双方向からお話させていただきます。

 

警鐘

カーシェアが登場したことで、以前からあったレンタカー以上に誰でも手軽に店舗や対面での煩わしい手続きなしで車を利用できるようになりました。また、利用できる車種もこれまでのようなヴィッツから始まりクラウンで終わるようなプアなラインナップではなく、超の付くような高級車ですら格安で借りることが可能です。

お手軽で格安、そして超高級。果たして本当にそんな美味しい話がありえるのでしょうか?誰しも頭の片隅にはそんなはずがない!権利の裏には同等のリスクや責任が付きまとうはずだという意識があると思います。

もちろん、今回のレポートはイタズラにカーシェアに対する不安を煽りたいわけではありません。

万が一の場合を先に知っておいていただくことで、それに対する対策やリスクを先に理解した上で、正しく利用して欲しいということです。そうすることで、これまで以上に正しく楽しくカーシェアを利用していただける助けになれれば幸いです。

 

オーナー側の自衛として

忘れてはいけないのが、利用者だけでなく貸す側のオーナーにとっても同じだということです。

万が一の事故の際の対処方法を知っておくことで、泣き寝入りすることなく確実に損害を賠償してもらいましょう。事故がプラスになるとまで言うと言いすぎですが、せめて損をしないようにはしたいですよね。ただでさえ事故での格落ち(フレーム部分への修正が必要な事故では、修正後の車は事故車扱いとなる)による価値下落は保険会社の賠償対象外となってしまいますので

 

実例対象車と事故詳細

対象車両

今回事故を起こされてしまったのは、私がカーシェアで運用しているポルシェ・カイエン(タイプ955)です。約2年前に走行5万キロの固体を300万円で購入しています。

価格の上限を元々300万円に設定して探しました。なぜなら、私が利用するカーシェアでドライバー強制加入となる保険の車両賠償の上限が300万円だったからです。

 

事故詳細

シェアドライバーが利用中に片側1車線の道路をUターンしようとバックしたところ、ガードレールを見落としており、そのままノーブレーキでぶつけてしまったとのことです。不幸中の幸いにしてドライバーや同乗者に怪我はなく、単独での自損事故でした。車の被害も、リアパートだけで済みました。具体的には、上からテールランプレンズ、リアバンパー、リアゲート、マフラーのエンドピースです。

事故処理の煩わしさは、相手の有無や怪我の有無によっては大幅に変わってくるだけに、今回この程度の自損で済んだのは本当に幸いです。オーナー側の心理としても、自分の車が誰かを怪我させたり車内で怪我されたのではたまったものではありませんから。

 

事故発生直後に必ずやっておくべきこと

ほとんどがカーシェアに関係なくどんな事故の場合でもやっておくべきことなのですが、少しだけオリジナルなものがあります

カーシェアに特化したものについては、わかりやすくするために☆印をしておきます。順番に関しては、優先度の高い順だと思ってください。

・安全確保ぶつけてしまったからといって、被害の程度みたさにいきなり車外に飛び出してはいけません。気が動転すると人間は当たり前のことも見えなくなってしまうものです。

必ず一度深呼吸して周囲を見渡しましょう。一刻を争うケガ人がいない場合には、二次被害を防ぐためにも車両を安全な場所に移動させます。

・応急救護処置

もし、ケガ人がいる場合には、状態確認やその結果によっては応急救護処置を施します。

・消防への連絡(119番通報)

火災発生やケガ人がいる場合には、119番通報し消防車や救急車の出動を要請しましょう。一刻を争うため落ち着きながらも速やかな対応が求められます。

・警察への連絡(110番通報)

どんな軽微な損傷でも、後々もめない為に必ず事故証明をもらうことをお薦めします。特に自身の車でない場合には必須です。

・保険会社への連絡

個人的に契約している保険なのかカーシェア用に事前加入した保険なのかによって連絡先となる会社が異なるだけで、話す内容は同じです。

☆カーシェア仲介本部への連絡

シェア中に事故を起こしてしまったことを本部に報告し、その後の対応を相談します。

☆車両オーナーへの連絡

まずは、事故を起こしてしまったことに対する誠実な謝罪と各所への連絡済みであることを報告します。
次に修理や保障に関する今後の対応について相談します。被害の程度や修理に必要な期間を把握するためにも写真を撮って送付しましょう。場合によっては、オーナー側の保険を使用することにもなりますので、保険会社をきいておくといいかもしれません。

初動の段階ではこれらを必ず漏らさずに実行しておきましょう。後戻りはできない段階です。

 

初動時に最も気をつけたいこと

この初動の段階で事故を起こしたドライバーとして最も大事なことは、慌てず落ち着きながらも迅速に対処することで、二次的被害の発生を抑えることです。

次に大事なのはカーシェアオリジナルとなりますが、車両オーナーへの謝罪を含めた誠実な対応です。今後当分の間オーナーとのやり取りが発生します。オーナーにとっては、大切な車をぶつけられた上に煩わしい修理の手配までしなければいけなくなるのです。例え、もらい事故で自分に過失がなかったとしても、この部分に対してだけはきっちり謝罪しておきましょう。これはその後のオーナーの対応にも大きく関わってきます。

 

カーシェア中の事故に対する保険

万が一の事故のために加入するので当然といえば当然ですが、事故とは切っても切り離せないのが保険です。利用するカーシェアの種類によって保険の内容も様々です。

ほとんどの場合で、対人対物無制限運転者や同乗者に対する保障も手厚い契約内容となっているはずです。もちろん、この保障内容は事前によく確認しておくことをおすすめします。

 

車両損害に対する補償

車両本体に対する保障内容には、各社様々な考え方があるようです。

例えば、Caforeなら基本的には車両損害はオーナーが個人的に加入している保険で補填することとなっており、強制的にオーナーが加入する保険では30万円までしか保証してくれません

Anycaでは、ドライバーが強制的に加入させられる保険により車両損害は300万円まで補償されています

当然のことながら、オーナー心理としては保障されていない分については事故を起こしたドライバーに賠償を請求することを考えると思われます。

このことから、借りる車の現在価値と車両保障額の釣り合いが取れているかなどのリスク管理も事前に気にしておいた方がいいポイントとなってくることがわかります。車両価値と保障額が大幅に乖離している車については、借りるのをやめておくか、もしくは、オーナーに独自の対応策の有無を確認しておくべきです。

オーナーによっては、カーシェア用の保険で賄えない分の損害について自身で加入している車両保険の適用を前提としている場合もあります。

 

オーナー目線での車両保険

上記の保険の保障範囲内で事故が解決すればよいのですが、中には解決しないどころかドライバーに請求したところで、そのドライバーにも賠償能力がない場合も存在します。そんな場合はない袖は振れないという言葉の通り、オーナー側で立て替えることとなりそのまま泣き寝入りとなるケースも考えられます

大事な車を壊された上に、下手をすれば、他人の起こした事故の賠償までさせられることにもなりかねませんので、必ず任意保険に加入しておくことをお薦めします。

その際に車両保険も契約しておけば、ドライバー側の保障では足りない際も自身の保障を使って車を治し、翌年度以降に保険料が上がってしまう分についてのみドライバーに請求すれば、お互いに損をしなくて済むことになります

 

保険以外での保障

もちろん事故は起こってほしくないとは誰しもが思うところではありますが、車両オーナーにとって必ずしも損なことばかりではありません。

例えば、今回の事例でいいますと、私はあらかじめ車両の貸し出し説明文に以下のような内容を記載していました。

“事故が起こされた際には、修理が完了するまでの間貸し出しているものとして利用料をいただきます。”

これは、事故の修理が終わるまではカーシェアにも出せないのは当然のことながら、自身が乗ることもできないことへの保障を求める内容です。

事故さへなければ、いつでも自分の車が利用できたのに、レンタカーや別のカーシェアを利用しなくてはいけなくなる場合もあります。言ってみれば代車特約のようなものです。

 

今回は、修理までに2週間を要したため、24時間分の利用料×14日分を請求しました。

その間には、すでに入っていたシェア予約を3件断らざるを得ませんでした。これを11日分の利益がでたと受け取るのか、3件確定予約を断ったことによる信用低下の方が大きいと見るかは人それぞれだと思います。

 

修理対応

今回の修理対応は、私がいつも利用している馴染みの板金屋にお願いしました。いろいろな業界特有の慣習が通じるため非常に便利です。

人によっては、修理依頼や保険屋との交渉等いろいろと面倒に感じて、ドライバー側に修理を丸投げしてしまおうと考えるかもしれませんが、それは大間違いです。修理の出来栄えの問題や金銭面を考えた上で必ず自分で修理することをお薦めします

もし、馴染みの工場がなくても、インターネット等で検索すればすぐに見つかるはずです。町の修理工場にとって、こういった保険事故は一番の収入源でもあるため必ず厚遇してくれることでしょう。

その中には保険修理分の工賃バックの話も含まれます。(保険を使って修理した中の部品脱着・板金・塗装などの実作業工賃から数%を紹介料としてバックしてくれるものです。)

他にも、ついでに前から気になっていた小傷を一緒に消してもらうとか、いろいろなことに応用が可能です。ぜひ忌憚なく工場に相談してみてください。

重要な要素となる保険についてもお話しました。修理の対応が無事に終わり保険適用外の部分での負担が発生してくると予測されますが、一体いくらくらいになったのでしょうか?

 

 

カーシェア中に事故を起こした代償

オーナー側についての損をしないための対応方法が続きましたが、それは裏を返せばドライバー側の賠償責任に転化してしまうものがほとんどでした

それでは、具体的にドライバーとしてカーシェア中に事故を起こしてしまった場合、どのくらいの代償が発生するのでしょうか?

 

社会的制裁

社会的というと少々オーバーに聞こえますが、最悪の場合大げさなことにも発展してしまいます。

  • 利用者としての事故履歴が付き、大抵の場合はサービス提供者から利用停止処分になってしまいます。時間が経てば復帰できるのか、永久的に停止されるのかは対応状況によってもかわってくるようです。
  • 相手の有無や対応中の見解の相違状況しだいでは、訴訟にも発展してしまいます。

 

金銭的損失

  • 修理費(免責分)10万円(免責外分は約30万円で保険会社から支払われます。)
  • 修理期間中のシェア代金6,000円×14日=84,000円
  • 工場への修理入庫時と修理後引取り時の交通費約1万円合計194,000円

いかがですか?いくら保険に加入しているとはいえ、決して安くはない金額を賠償することとなってしまいます。

そして、修理代金が保険の保障範囲内だったからよかったものの、万が一上回っていれば、実費を清算するはめになり、よくてもオーナーの保険を使用したことによる保険料アップ分がさらに加算されることになってしまいます。

 

ドライバーとして交渉可能な範囲

代償を見て少し引いてしまった方のために、いろいろと取りうる対策も考えてみたいと思います。私がドライバー側で事故を起こしてしまったと仮定して、少しでも安く抑えるための策がないかを検討してみたところ以下が思い当たりました。

 

修理完了までは本当に使用できないのか?

事故の程度や箇所によっては、普通の使用には問題ないこともあります。修理のために工場に入庫している期間はしかたないとしても、せめて部品が入荷するまでの期間等は交渉可能だと思われます。

 

カーシェア用の保険を使わずにオーナーの保険を使う

大抵の場合カーシェアやレンタカー用の保険は免責金額が設定されています。(5万~10万円

それならいっそのこと最初からオーナー側の保険を使ってもらい、翌年以降の保険料値上がり分を支払った方が安く済む場合もありえます。交渉要素として、オーナー側には代車等の他の特約も使用できることやいくらかの迷惑料を支払うと伝えるといいでしょう。

 

自分の采配で修理する

オーナー側には、ドライバー側できっちりと責任もって修理することを提案します。そうすれば、ーナーとしては煩わしい手続きはなくなりますのでメリットのある話です。

融通の利く修理工場を探すために金額や条件面で相見積もりを取得して、少しでも保険バックを増やせば免責分くらいは浮かすことができるかもしれません。(ここで、不特定多数の方向けにおおっぴらに公開できるような内容ではないので、申し訳ございませんが、工夫次第ではいろいろと免責を浮かせる手段はあるはずです。)

 

カーシェア中の事故

振り返ってみていかがだったでしょうか?

ドライバーとしての賠償について、または、オーナーとしてのメリットについて、意外と安い、高い?感じ方は人それぞれあるかもしれません。ただし、ここに挙げた代償はそのほとんどが金銭面のみとなっています。

この他にも対応や相手によっては訴訟に発展してしまいかねないというリスクや保険会社・サービス提供者・修理工場等、様々な連携先との決して楽しくはない不慣れな電話対応や精神的負担が発生することを考慮するとデメリットは計り知れません。

少しでも軽減するための策を模索してみましたが、あくまでも軽減にしかならず根本的にはやはり事故を起こさないように細心の注意を払って、他人の車を借りているということを忘れることなく利用することが大切だと言えます。

オーナー側としては、今回の記事をよく頭の中にいれておくことで今後ドライバーが事故を起こした際には泣き寝入りすることなく、少しでも維持費の足しにできるようシミュレーションしておくとよいでしょう。

確かにドライバーの事故に付け込んでいるようで精神衛生的によくない場面もあるかもしれません。しかし、自分が大切にしている車を有償で貸し渡しているのですから、市場価値があるということを前提にすれば割り切って請求するしかないとも言えます。

もちろん、友人知人に貸している場合にはこの限りではありません。

オーナー・ドライバー双方ともにこれらのリスクをあらかじめ理解した上で、車と人間関係を大切に扱いながら利用していきたいものです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です