
ということは、公道を走るすべての自動車に今のところ必要なのがタイヤで、高速で走り回る車の安全を保つために、このタイヤの定期的な交換とメンテナンスは不可欠です。
という訳で今回は、これまで述べにすれば何百台もの車のタイヤを販売してきた、元整備士である筆者が、その適切なメンテナンス方法から選ぶポイントに至るまで、事細かに説明していきたいと思います。
タイヤとは?
タイヤとは、広義では輪っか状の車輪のことを指しますが、今回説明していくのは、いわゆる、ゴムタイヤです。
まずはその誕生から、初期のタイヤの構造、さらに、担う役割の幅が増えていったことによる進化について詳しく見ていきましょう。
誕生秘話~子供にために~
タイヤを利用しているのは自動車だけではなく、自転車からオートバイ、航空機の助走と着陸のためにも使われ、およそ動力を得て道を走るモノにはゴムでできたタイヤが装着されています。
19世紀までは馬車や荷台、自転車などに取り付けられていたのは金属製や木製の車輪で、道路がアスファルト舗装されていなかった点も合わさって、その乗り心地は決していいものとは言えませんでした。
そのうち、それらの周りにゴムを装着したものが登場しますが、はじめは現在普及している多くのタイヤと違い、中に空気を含まないソリッド(すべてがゴム)タイヤのみの普及でした。
そんな中、スコットランドのエジンバラで獣医師をしていたジャン・ボイド・ダンロップが、息子が使っていた三輪車の不安定さに目がつき、その三輪車を使って空気の入ったチューブ式のゴムタイヤの実験に着手します。
10歳の息子の願いもあり開発されたそのタイヤは、ゴムで手作りしたチューブを鋲で木製の円盤に取り付け、空気を封入しただけのものでした。
ですが、悪路をものともせず息子の評価も上々!また、長く乗っても傷つかず、空気が抜けることはなかったのだそうです。
そう、現在ダンロップ・ファルケンの名前で知られる一大タイヤメーカーの礎を築いたのが、この自転車用タイヤの開発者であるダンロップです。
空気入りタイヤの開発者は他にいるとする説もある中、1888年に実用化と販売をしたのは紛れもなく彼が世界初で、その交通運輸分野への貢献は計り知れないものがあります。
自動車への利用
一方、自動車用の空気入りタイヤの実用化を果たしたのは、こちらも世界的タイヤメーカーの創設者であるフランスのミシュラン兄弟です。
彼らは、自身が開発した空気入りタイヤでレースに出場し、全1,000kmを超える行程でパンクを100回近く繰り返し、あえなくリタイヤします。
ただ、時速60km近くとそのレースの優勝者の速度を大きく上回っており、走行安定性はしっかりと確保していました。
そのため、翌年のレースでは出場者の多くが、空気入りタイヤに変更したのだそうです。
とはいえ、速度や車重からくる負担が段違い!
市販に向けては試行錯誤が続き、材料や構造について、数知れない改良が繰り返されていくことになります。
その中に、
- 釘などが刺さった際、すぐに空気が抜けてしまう。
- 熱がチューブによって放散しにくく、バーストなどのリスクが上がる。
などを理由に、当初主流だったチューブを無くすことがタイヤ自体の寿命を延ばし、その衝撃に耐える手だという考えが広まっていきます。
結果、自動車用チューブレスタイヤが市販されたのは、自転車用から遅れること60年たった1947年のこととなります。
まずは、アメリカのグッドリッチ社がバイアスチューブレスタイヤを、その翌年にミシュラン社がラジアルチューブレスタイヤをそれぞれ世界に向けて発表し、このうち、ミシュランの発表したラジアルタイヤが、現在まで自動車用タイヤの主流を担い続けています。
なお、ラジアルタイヤに対してバイアスタイヤは、
- 農業機械
- フォークリフト
- スペアタイヤ
- 小型バイク
などに採用されているますが、今回は汎用性の高いラジアルタイヤについて、以後はタイヤと呼び説明していきます。
タイヤが果たしている事

それほど、高度なテクノロジーによって設計・製造され、先人のあらゆる知恵が詰まっているのが、今の自動車についているタイヤたちです。
ですので、最新のブレーカーコードがどうしたとか、カーカスコードがどうだとかいう構造上の難しい話は置いておいて、ここからはできる限り分かりやすく、その役割と重要性について、触れていこうと思います。
正常に動くために不可欠
自動車にタイヤがついているのは、開発者のダンロップが求めた乗り心地の向上だけではありません。
自働車には「走る・曲がる・止まる」という3原則があり、車検の点検項目や法定24ヶ月点検なども3原則に沿って項目が設定されています。
字面だけ見れば、「なんだ当たり前のことじゃん!」と思われる方もいるでしょう。
しかし、乗用車ならば重さ1t越え、それを時速数十キロに達するスピ―ドにまで走らせ、曲がりしっかりと止まるためには、
2.グリップ力・・・路面をつかみ、指示通りの方向へ曲がる力を得る、操作性を左右する。
3.制動性・・・ブレーキ性能を左右、タイヤの劣化はブレーキ性能の低下につながり、酷い場合はスリップの危険性が高まる
を、タイヤが持っていなければいけません。
1と2についていえば、市販されているタイヤはその性能も飛躍的に上がり、通常の使用で摩耗が始まっても、運転に支障が出るほどの操作性低下や速度の違和感は感じないでしょう。
一番の役目は安全に停まることです!
上記で紹介したもののうち、最も安全性と直結しているのは3番、つまり、3原則のうち「止まる」に関わるブレーキ性能が下がってしまうことは、直接事故などの原因になってしまいます。
しかし、それを実感できている方はまずいない!なぜなら、ゴム製のタイヤは毎日少しづつ摩耗し、その制動性が低下している から。
人間の体でいえば爪が伸びたり、髪の毛が伸びたりする変化に近いほどゆっくりと、車はタイヤの摩耗によってブレーキで止まる距離が伸びていきます。
自動車を運転中、何か危険を感じてブレーキを踏む時間で進んでしまう距離を「空走距離」、実際にブレーキが利き始め停止するまでを「制動距離」といい、この2つを足したものが「停止距離」です。
タイヤの劣化によって少しずつ伸びるのは制動距離ですが、新品のタイヤ装着の場合、
時速 | 空走距離 | 制動距離 | 停止距離 |
40km | 11m | 9m | 20m |
60km | 17m | 20m | 37m |
80km | 22m | 36m | 58m |
100km | 28m | 56m | 84m |
と上表のように、当然、走行時の速度に応じて伸びていきます。
一方、劣化したタイヤを装着した車ではどうなるかで見てみると、
時速 | 空走距離 | 制動距離 | 停止距離 |
40km | 11m | 11m | 22m |
60km | 17m | 24m | 41m |
80km | 22m | 42m | 64m |
100km | 28m | 66m | 94m |
と、このように制動距離のみが増え、結果トータルの停止距離も伸びてしまいます。
新しいタイヤと劣化したタイヤの差は、時速60km走行でたった4mかと思った方は想像してみてください。
細かい住宅地の路地を走行中、急に飛び出してきた子供、危ないと急ブレーキをかけ幸いにも寸前で停止。
最近付け替えたばかりの新品タイヤの優れた制動性のおがげで、歩行者はもちろん運転者も助かったとします。
その時、付けていたタイヤが新品ではなく溝の減った古いタイヤで、制動距離が伸びてしまっているとします。
仮に、運転していたのが車長4mちょうどぐらいの「トヨタヴィッツ」だとすると、丸々その車体1台分、前に進んでしまうことになります。
たった4mと判断するかは読者の皆さんの判断にゆだねますが、路面が雨でぬれていたり、仕事などに疲れブレーキを踏むタイミングが遅れたりして空走距離が伸びると、この停止までの距離はさらに大きく伸びることになります。
タイヤが道路に触れているのはわずか・・・
車重を支えながら車両を前に動かすパワーをもろに受けるタイヤの強度が必要なのは、誰でも想像がつくでしょう。
そして、タイヤが多くの力を発揮する道路上で、アスファルト面と設置しているのは横10cm×縦15cm程度、わかりやすいものだと、官製はがき一枚程度の広さなのです。
ちょっとやそっとの摩耗や小さな傷などではそう簡単にトラブルになることはないと考えていると、設置する路面が、
- 雨でぬれている、
- 小石などが多く散らばっている、
- 夏場で路面温度が非常に高い
など環境が悪い時は、それらが大きなトラブルの引き金になる可能性もあることをよく覚えておいてください。
もし溝が無かったらどうなる?
ここまでは、タイヤの詳しい構造についてすっ飛ばしてきましたが、皆さんの目にも触れている地面に接しているタイヤの表面のことだけ少し説明させていただきます。
前項ではがき1枚分ぐらいと紹介したタイヤが実際にその役割をはたしている部分のことを、専門的には「トレッド」といい、そこに掘られている溝を「グルーブ」と言います。
この溝は各メーカー・各商品で異なり、ドレッドパターンと呼ばれて商品の顔としてその特徴を出すものですが、この溝が無かったらどうなるかご存知でしょうか?
もっとも有名なものでは、路面とタイヤ接地面の間に水の膜ができ、スリップしたり、ハンドルが効かなくなってしまう「ハイドロブレーニング現象」があります。
免許更新時や、安全運転教室などで講習内容として触れられることも多く、知っている方も多いでしょう。
そこまで至らなくとも、水を掻き出す役目を持っている溝が浅くなると、残された水の干渉で、制動性やグリップ力が低下することになります。
ただ、単純に排水のためだけにこのドレットは掘られているのではなく、単純な制動性やグリップ力だけを見ると乾いた路面では「スリックタイヤ」と呼ばれる溝のないタイヤの方が上になります。
事実、F1などのモータースポーツでは、ドライコンディション時のセッティングとしてとして使用されることもあります。
ただし、それはサーキットという小石やクギ、でこぼこなどのない路面での話で、異物が散在する一般道においてこのスリックタイヤでの走行は認められていません。
つまり、タイヤの溝は、公道上にあるあらゆる障害物などによってタイヤ自身が傷つかないようにする目的のためでもあります。
溝が減って浅くなると確認できる「スリップサイン」が、市販タイヤには必ずつけられています。
タイヤの適切な交換目安
さて、ここまでタイヤが車にとってどんな役目を持っていて、安全な走行のためにどういった機能を発揮するのかについて触れてきました。
ずっと使えればいいのですが、すり減って溝が無くなっていくしまう消耗品である以上、その交換がどうしても必要になってきます。
では、いったいどの程度使った時にタイヤは交換するとよいのでしょう、ここではいくつかの目安について触れておきたいと思います。
スリップサインが最もわかりやすい目安です
前項で触れたスリップサインは、タイヤの溝がその深さ1.6mmになると道路交通法上での「整備不良」となるのに合わせて、各タイヤメーカーがその高さに設定し、複数個所で確認できるようにしています。
つまり、タイヤの接地面とこのスリップサインが同じ高さになったら、法律上では「使用してはいけない」タイヤとなるので、交換をしなければいけません。
ちなみに、このスリップサインについては1か所でもそれば表面まで出ていたらアウト、もし整備不良として検挙されると、
- 違反点数2点
- 反則金9,000円
が課せられる可能性もあります。
何より、名前通りタイヤがスリップしやすくなるサインですので、自分だけでなく同乗者や、周囲の安全確保のために、これが確認できたらすぐにタイヤ交換をするよう心がけるべきです。
車種・用途によってすり減る場所が違うので注意
車にはいろいろな車種がありますが、それが変わるだけでタイヤの減り方が変化します。
一般的に、タイヤを長持ちさせるには接地面全体が均等に減ったほうがいいのですが、両端や中央部に偏ってすり減る「片ベリ」が出てしまうことがあります。
いくつか理由はありますが、一番考えられるのが車高の高さで、一般的にワンボックスやミニバンのタイヤは、その横触れの多さによって若干タイヤの両端の方が減りやすくなっていきます。
また、スピードが出やすくコーナリング時の負荷に合わせた設計になっているスポーツカーのタイヤも、特に前輪が両脇から減っていく傾向があります。
また、同じ車種でも交差点をたびたび曲がる街乗りの方が、基本的に長距離高速道路を運転される車より片ベリの傾向を見せます。
片ベリの弊害は多く、まずタイヤの寿命が短くなってしまうこと、さらに、特に車の内側の擦り減り具合に気が付かず、交換時期を見誤ってバーストなどの原因となってしまうことです。
さきほどのスリップサインのチェックに合わせて各車関係の店に依頼すれば、片ベリの有無もしっかりと頭に入れてチェックしてくれるので、数か月に1回は点検をしてもらうようにすると安心です。
使っている時間の長さも重要

接地面の擦り減り具合はその使用用途と走行距離によって進んでいきますので、年間数千kmしか走行しない車のタイヤは溝の減り方が非常に遅くなります。
走行距離で溝が減り交換の目安といったスリップサインが出るのは、走行状況にもよりますが、一般的に3~4万kmです。
仮に、3千kmしか走らないならば、10年近くつけっぱなしでいいのかと言えば、そうはいかないのがゴム製のタイヤの悲しい現実です。
長い距離を走っておらず、摩耗が進んでいなくとも、タイヤは常時、
- 太陽光線
- 水
- 油
- 熱
などにさらされ、主な原料であるゴムが劣化、ひび割れを起こしてしまいます。
このひび割れが大問題、専門的には「クラック」というこのひび割れも怖いバーストの原因の1つ。
しかも、摩耗が進んで発生するものより素人目でその確認が難しく、突然バーストが発生する可能性が高いため、注意が必要です。
年間走行距離が少なく、3年以上の長期間使っているタイヤを使っている方は、カー用品店などで一度チェックをしてもらいましょう。
バーストの恐怖~体験談~
タイヤの交換を適時行わなかったことで起こる最悪の事態について、ここでは触れなければいけません。
●溝が浅くなり障害物を弾き飛ばして本体に大きな傷を負った。
●3年を超える年数が経過し、ムの乾燥・劣化によって生じる大きなヒビが割れた。
●激しく縁石などに乗り上げ大きなダメージが加わる。
などのどれか、もしくはそれらが組み合わさることでよって、突発的なパンクが起きてしまうことをバーストといい、大きな事故原因の1つになっています。
筆者も様々な場所でタイヤの点検をし場合に応じてお客様に交換のおすすめをしてきましたが、いかんせん自動車のタイヤは安くなく、できるだけ長く使いたいと考える方も多いものです。
そのため、交換の必要性について理解はしていただくものの、実際の交換にまで至らないことも少なくはありませんでした。

後悔先にたたず~すさまじい爆音とてんやわんや~

主だったものは目視と空気圧点検などですが、ある若い夫婦の乗るワンボックスカーのタイヤを見てぎょっとしました。
前部2本のタイヤが大きくすり減っており、もはやスリップサインなどの話ではなく、その奥に普段隠れている内部構造のワイヤーが数か所飛び出してきているではないですか。
これは販売目的だけではなくお客様の安全にかかわってくること、すぐにその事実をお伝えし、すぐにでも交換することをおすすめしました。
さすがに若い夫婦もそれを見て考え始めましたが、どうもお金の持ち合わせの都合と、車内にいる子供たちのことが気にかかる様子。
ただ、お子様が同乗しているならば、よりその早期交換が必要と感じた筆者は、分割での購入などあらゆる選択肢を提示しました。
話すこと15分ほど、結局「今度必ず交換するから」ということでお帰りになることに、車内ではしゃぐお子様のことを気にかけながら、送り出したその瞬間でした。
「バーン!!!」
爆音のした方角をみると、送り出したばかりのワンボックスのタイヤが大破、つまり、スタンドの敷地内でバーストしてしまったのです。
すぐに車からお降りいただき、スペアとその場で付け替え、スタンド内は一時騒然となり、子供たちはショックで泣き出すは、一部スタンド内を使用禁止にしなければいけないは、混乱してしまいました。
結局奥様がカード払いで購入、付け替えをすることを決めたのですが、この時のご主人様の、
「こんなことなら言われた時すぐ交換しとくんだった。」
というお言葉と、なんだかバツの悪そうな表情が今でも忘れられません。
ただ、このバーストが公道上でなくて良かった、もし高速走行中などだったら…と考えると、今でもゾッとします。
命があっただけよかった!~お客様の事故~

あるお客様といっても、実は、いつもお金がなく乗っている車のメンテナンスもおざなりな筆者の学生時代の後輩です。
特にタイヤの劣化が酷く、いつも整備しないと事故に遭うぞと口を酸っぱくしていました。
ある日の午後だったでしょうか、筆者の携帯電話に着信があり、出るとその後輩単独でどうやら事故に遭ったとの話。
中古車店に勤めていた筆者を頼りに連絡をしてきた様子でした。
とりあえず急いで事故現場へ向かうと、そこにはひっくり返った後輩の車。
すでに警察による交通整理がなされていましたが、後輩は茫然とその様子を見待っていました。
びっくりするほどの激しい事故現場だったものの、どうやら後輩に大きなけがはない様子。
ただその場で見た瞬間に、自動車は廃車だなと感じました。
その日は病院に向かわせ、後日話を聞いたところ、いきなり助手席側のタイヤがバースト、ハンドルを取られ中央分離帯に激突し、気が付いたら車がひっくり返っていたのだとか。
急なバーストが走行中に起きると、ハンドルを取られ多くの場合制御不能となるので大変危険です。
この場合は当事者の命があっただけ儲けものというものでしょう。
判断はお客様に任せるしかありませんでしたが…
今回紹介した2件のケースだけではなく、以前筆者が交換を勧めても交換をしなかった方は多くいます。
もしかしたら、知らないところでバーストなどを起こしている可能性もゼロではありませんし、交換したおかげで将来の事故が防げたケースもあるでしょう。
ただ、当時は過剰にこのバーストについてお客様を脅してしまうのは本意ではなく、「お気をつけてお帰りください」程度にとどめて送り出していました。
ですが、今はその職を離れ1ライターとしてタイヤの重要性を訴えている身ですので、その経験から、はっきりと言っておきます。
「バーストは重大事故につながりますよ!」と。
タイヤのメンテナンス方法と選び方

第一は空気圧点検です
スタンドなどで進められるタイヤの空気圧チェックは、安全性を保つためにもタイヤの寿命を延ばすためにも最も手軽で、しかも、ほとんどの場合無料でできる最重要タイヤメンテナンスです。
タイヤの空気圧が少ないとタイヤ接地面の中心部がへこんでしまうため、上記で触れた両端の片ベリにつながるうえ、
- 燃費低下・・・倉庫甥中の変形が激しく、接地面が安定しないため転がり抵抗が上がり、路面へエネルギーがうまく伝わらなくなる。
- グリップ力の減少・・・一般的に設置面積が減少するため、グリップ力が低下しカーブ時に大きな横揺れなどが生じることもある。
- 異常発熱によるゴムの劣化・バースト・・・タイヤの形状変化が激しいため内部の温度が激しく上昇、ゴムの変質や最悪の場合バーストの原因にもなる。
などが起こる可能性があり、何も良いことはありません。
空気圧が高すぎるのも問題ですが、タイヤの空気圧は毎日少しづつ減り自然に上がることはありません。

適時なローテーションの有効性
車種や用途、さらに、前項で示した空気圧の不適合などでもし片ベリをしているのを発見した場合、その程度によってはローテーションという作業をすることで対処して引き続き使用をすることも可能です。
ローテーションとは、左右前後のタイヤを片ベリ具合に合わせて配置しなおし、全体的に均等な減り方をするように組みなおすタイヤメンテナンスのことです。
一般的に、ハンドル操作などの関係で前輪タイヤの方が摩耗スピードが早くなります。
日本の車ではその直進性能を高めるため、車を真上から見ると「ハの字」状に取り付けられており内側の方が先に減っていく傾向にあります。
折を見て「×」を書くように、タイヤをいったんホイールから取り外し付け替えることで、摩耗の均一化を図ることができます。

高価で高性能なタイヤやインチが大きく購入にコストがかかる大型タイヤの車種にお乗りの方は、やっておくとタイヤの長持ちにつながるのでおすすめです。
良いタイヤとは高いタイヤ?
タイヤについて値段でそれを選ぶ際に、「高いタイヤは長持ちする良いタイヤ、 安いタイヤはすぐに悪くなるタイヤ」という考えを持っている方が非常に多い気がしますが、それは大きな勘違いです。
普通、値段が張り高性能なタイヤの方がその制動性やグリップ力が優れているため、同じ走行条件であればリーズナブルなタイヤより早くその寿命がやってきます。
高い走行性能とパワーを持つスポーツカーに乗っていたり、高級車で静粛性を重視したい場合を除き、車の維持コストを大きく左右するタイヤ選びでは、「長持ちして経済的である」という点が重視されるはずです。
往々として、高性能タイヤはその購入金額は張るものの、その寿命や低燃費性能などといった経済性については度外視している商品が多いのが特徴です。
そして、特に筆者が主に扱ってきた国内の主要タイヤメーカーが販売しているリーズナブルな価格帯のタイヤについては、安かろう悪かろうという粗悪なものはありません。
かなりの高レベルで安全性能や経済性を兼ね備えた、いわば「良いタイヤ」に違いありませんので、安心して使用して大丈夫です。

まとめ
今回は車にとっての大きな消耗品の1つ、タイヤの基礎知識からその必要性、そして交換タイミングから長持ちさせるためのメンテナンス法まで、細かく網羅してみました。
最後にその選び方についても簡単に触れましたが、値段面だけでなく低燃費性に特化したものやワンボックス・ミニバン専用のもの、さらに、くぎを踏んでもパンクしないランフラットタイヤまで、近年タイヤはその多様化が目覚ましいです。
それらの詳しい選び方については、実際の商品紹介も含めてまた数記事に分けて詳しくお届けしたいと考えています。
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