セカンドセンチュリーアストンマーティンをなんと一気に3車種乗り比べ

今回は、あの世界一有名なスパイ「007 ジェームズ・ボンド」の愛車としてお馴染みのアストンマーティンを、なんと一気に3車種乗り比べる機会に恵まれました。
早速、大いに主観の入ったレポートをさせていただきます。

念のためアストンマーティンについておさらい

アストンマーティンといえば・・・・・
  • 英国貴族の車
  • ウィリアム王子も成婚パレードでDB5を使用
  • 歴代全出荷台数の9割が実働車として現存していると言われるほど、全世界で大切にされている
  • 2013年に100周年を迎えた老舗プレミアムスポーツカーメーカー
  • 2015年に日本法人「アストンマーティン・ジャパン・リミテッド」が設立
  • 2017年アジア初のブランドセンターを青山にオープン レストア部門も設置
  • モデル名の頭につく「DB」は、一時期の経営者だったデイヴィッド・ブラウンの頭文字に由来する
  • 現CEOのアンディ・パーマー氏は元日産役員でカルロス・ゴーン氏の右腕
  • 毎年ニューモデルを7年間連続で送り出す セカンドセンチュリープランを継続中

 

 

などなど、ここ最近は話題に事欠かないメーカーとなっています。

 

つい先日もセカンドセンチュリープランの第三弾として最新のフラッグシップDBSを発表したばかり。

最も勢いにのるプレミアムブランドといっても過言ではありません

 

 

試乗の目的

今回の試乗の目的は、友人のはじめてのスーパーカー購入にあたり、どの車がいいのか試してみることにあります。

 

「車は乗ってみるまでわからない」

 

言葉の通りですが、本当にどれだけスペックシートが優れていても乗ってみると全くダメな車もあれば、試乗するとスペックシートや小難しいロジックなんてどうでもよくなるくらい素晴らしい車もあります。

 

読者の皆様も、車を買う際には絶対に一度冷静な目線で乗ってみることをおすすめします。

 

さて、今回のアストンマーティンの試乗の直前に実はライバルとなるフェラーリ・ポルトフィーノを試乗してきてしまいました。(ポルトフィーノの試乗の模様は別途お届けします。)

 

正直に申し上げると、走りの面では少々分が悪いかというのが大方の見方でした。

 

試乗開始

青山の国道246号沿いに居を構えるアストンマーティン東京ショールームに17時に入りました。

駐車場に並んだ今回の試乗車3台をみての第一印象は、

 

「フェラーリ・ポルトフィーノに全く見劣りすることなし!」

 

でした。

 

安心しましたが、外観で負けるようではアストンマーティンの価値はないので当然といえば当然です。

 

ポルトフィーノがイタリアらしいアグレッシブなデザインなのに対して、アストンマーティンは対照的とも言えるジェントルな気品あふれるシルエットです。

それでいて、明らかに筋肉質なボディは内に秘めた性能を誇示しています。まさに

 

「マッチョがタキシードを着た」

 

といった出で立ちです。

 

 

試乗車のラインナップとしては、DB11のV12とV8搭載エンジンの異なる2種類と、まだデリバリーも始まっていないV8ヴァンテージです。

 

このV8ヴァンテージは、日本に1台のみのアストンマーティンジャパンの持ち物です。

 

デザインはそれぞれの発表会でもじっくりと眺めたので、早速試乗してみましょう。

今回は特に試乗する順番も重要となってきます。

 

次のお伝えする順番通りに乗り比べることにしました。

意図は期待値が高い順とでもいいましょうか、

 

DB11はV12が本道、言ってみればダウンサイジングの産物でしかないV8に乗りV12の素晴らしさを最大限に感じ、そして、ヴァンテージのスポーツカー度合いを確かめる、という予想です。

 

 

この想像通りだったのかどうか、ぜひ続きをご確認ください。

 

① DB11(V8ヴァージョン) 念のためにスペックも振り返らせていただきます。

  • 全長×全幅×全高:4739×1940×1279mm
  • ホイールベース:2805mm
  • エンジン:V型8気筒3982ccツインターボガソリン
  • 最高出力:510ps/6000rpm
  • 最大トルク:70.9kg-m/2000-5000rpm
  • 0-100km/h加速:4.0秒
  • 最高速度:300km/h
  • 燃費:10.1km/L
  • CO2排出量:230g/km
  • 車両重量:1705kg
  • ミッション:ZF社製 8速AT
  • サスペンション:F ダブルウィッシュボーン、R マルチリンク
  • 価格:£144,900(2171万円)

走り出しての第一印象は、とにかく予想外にスポーティ、記憶の中にあるどのアストンマーティンをも凌ぐかもしれないほどにダイレクト感が強くリアルスポーツです。

 

かといって、ゴツゴツした突き上げ感やエンジンのアクセルレスポンスによるハンチング、ワザとらしい排気音は皆無、驚くほどジェントルでいてステアリングやペダルワークに対する車の挙動は、まさにスポーツカーのそれなのです。

 

全開加速からのアクセル全閉で後ろから「パ!パン!パン!」と、未燃焼ガスがマフラー内で炸裂する派手な音がします。

アストンマーティンらしからぬ演出だと思えばそれもそのはず、このV8版のエンジンはメルセデスAMGから供給を受けています。

 

例のホットインサイドVと名付けられたレイアウトを採るAMG GTなどに搭載されているアレです。

とはいうものの全体的な味付けや音の調律は、ドイツから借りてきたとはとても思えないアストンマーティンそのものです。

 

 

全体的に本当によくできた大柄なスポーツカーという好印象です。

これが、V12と比べて果たしてどうなのか楽しみです。

 

引き続きDB11のV12版と比較の模様をお届けします。

② DB11(V12ヴァージョン)

  • 全長×全幅×全高:4739×1940×1279mm
  • ホイールベース:2805mm
  • エンジン:V型12気筒 5.2L ツインターボ
  • 最高出力:608ps/6500rpm
  • 最大トルク:71.4kgm/1500-5000rpm
  • ミッション:ZF社製 8速AT
  • 車重:1770kg
  • 0-100km/h加速:3.9秒
  • 最高速度:322km/h
  • サスペンション:F ダブルウィッシュボーン、R マルチリンク

 

 

V8からV12に乗り替えて一番初めに来るのが快感の波です。

 

アクセルペダルを1cm踏み込んだだけで全身に伝わってくるV12エンジンの鼓動。

「やっぱりV12最高!」

と叫ばずにはいられません。

 

どんなギアでどんな回転数から踏み込もうとも、例え30km/hしか速度が出ていなくても、V12の官能性を教授することができます

ただアクセルを踏むという操作がこれほどの快感に変わるとは恐れ入りました。

 

と、V8と比べて良かったのはここまで。

ここからはV8の良さを確認するためにV12に乗ったかのような感想ばかりです。

 

とにかく鼻先が重い、エンジンルームだけでV8+80kgは伊達ではありません。

スポーツカーにとって軽量化こそが最高のチューニングと言われる理由がよくわかります。

加速・減速・コーナリングの全てにおいてV8の方がスポーティで優れているように感じてしまいます

 

それを裏付けるようにトルク・ウエイト・レシオは、V12が1tあたり51.4kg-m、V8が52.9kg-mとわずかながらV8の方が優れています。

 

それに拍車をかけるのがAMG製エンジンの低回転トルクの鋭さです。

発進やコーナリングでの立ち上がりで、トランスミッションまで別のものが採用されているのではと疑いたくなるくらい、とてもトルコン式ATとは思えないカッチリした加速を見せます。

 

 

ここまでV8の素晴らしさを語りましたが、所詮は好みの問題です。

 

全く性格の異なるスーパーGTとスーパースポーツだと考えてしまえば、V12の良さも光ります

GTカーとして考えれば、V8より圧倒的に雰囲気のあるエンジンや排気音、車重がもたらす重厚感や高速安定性など本来のDB11の姿はやはりV12にあるのだと思います。

 

この両者の価格差が意外にも少なく、わずか200万円とのこと、乗り出し価格を抑える効果は想像以上に少ないものの積極的にV8版を選択する理由は十分ありそうです。

 

③ V8ヴァンテージ
今回のもう一つのメインとも言える1台。
発表から1年弱待ちに待ったV8ヴァンテージに試乗できました。

しかし、前の2台、もっと言えばポルトフィーノと合わせて3台が強烈過ぎたのか?

 

全体的に大人しくまとまっており、刺激が少なくホイールベースが短縮されている割にはV8版DB11と比べても一体感が乏しくあまりいい印象を受けませんでした

もしかしたら、高速道路やサーキットで試乗すればもっと印象は違ったのかもしれません。

 

唯一よかったのは、17時に試乗を開始したため、あたりは段々と暗くなりヴァンテージのDB10譲りの特徴的なテールランプは夕暮れ時の空に映えて美しかったことです。

 

自分で乗っていると気が付きませんが、後ろから追いかけているとついつい見とれてしまいます。

もちろんDB11のONE-77のようなウイングマークを模したテールも、一目でDB11とわかりカッコいいです。

 

V8ヴァンテージにはいつかサーキットでもう一度試乗してみたいです。

おそらくは全く違った感想になることと思います。

 

試乗を終えて

同じシャーシの長短と2つのエンジンを使って、ここまで性格の異なる3台を生み出せる現代の技術とアストンマーティンの演出の巧みさに驚かされます。

 

どれをとっても紛れもないアストンマーティンであり、デザインからも走りからもそれが滲み出ています

ここまでベースグレードがいいと、この後出てくるDBSやニューヴァンキッシュに期待せずにはいられません。

 

そして、スポーツカーというカテゴリを見渡した際に、この車両本体2700万円という価格帯は今一番面白いと感じました。

同じ予算をどこにいくら割り振るかによって同じプレミアムスポーツカーというカテゴリ内でこれだけ違いを楽しむことができる!
車好きとして嬉しくて仕方ありません。

 

ほぼ同額のライバルでありながら、ポルトフィーノとDB11の違い様、そして、どちらも同じくらい優れていて好みの問題と言えるだけのバランス

本当に鎬を削るとは、こういうことを言うのではないでしょうか?

 

誤解を恐れずに言えば、以前のアストンマーティンなら一部のマニアを除いてはフェラーリのライバルにはなり得ませんでした。

しかし、このセカンドセンチュリーの車達は間違いなくライバルと言えます

 

いい車にいい販売体制、いよいよ日本のアストンマーティンが面白くなってきました!

 

 

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