フェラーリ試乗会「World’s Best Performance Driving Fair」の体験レポート

今回は限られた一部の顧客だけが体験する世界 フェラーリの試乗会の模様をお届けします。

2016年11月19・20日に“World’s Best Performance Driving Fair”が開催されました。要するにフェラーリの新しいV8モデル488GTBやカリフォルニアTに搭載されているターボエンジンが、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーを筆頭に栄誉ある賞の数々を受賞したのでお祝いに乗りに来てね、という会です。


私は20日(日)の回に参加させていただきました。
参加にあたっては、まず事前に送られてきたインビテーション(業界では淫靡テーションという声も)に同封されている予約用紙に、希望するモデルと時間を記入しFAXしておきます。後日、予約確定した旨が担当営業マンから伝えられる仕組みです。他の顧客とかぶっている場合はどちらかが譲ることになります。(大抵は先着優先ですが、一部例外もあり)

予約時刻ちょうどに会場となるコーンズ芝ショールームに到着しました。
大試乗会ということで、普段の町中ではそれほど見かけない色とりどりのフェラーリをショールーム周辺のそこかしこで見かけます。否応なくテンションも上がっていきます。
自分の乗ってきたフェラーリの駐車と試乗車の準備が整うまでの間のカフェタイムです。
単なるカフェタイムだけでなくもちろん人間側の準備もあります。万が一のときの事故の場合の責任等に対する誓約書への調印です。


いよいよ準備が整い試乗の順番です。
ここからは、あくまでも個人的な感想ですので参考までに

今回は488GTBを指名しました。実は約1年前の発表直後にも一度試乗しているのですが、実際にデリバリーが開始されプロダクトとして品質が安定してからどう変わっているのか知りたかったからです。

乗り込んでエンジンをかけてみての最初の印象は、アイドリング状態での回転の安定感や遮音が格段によくなっていました。
試乗ルートはほぼ自由で45分ほど好きなルートを走ります。(営業担当が同乗するかどうかは顧客のスキル等を総合的に判断していると思われます。)

まずは個人的にお決まりの試乗ルート、レインボーブリッジに向かいます。レインボーブリッジのループ部分では、コーナリングフォースやヨーモーメントなど旋回姿勢を試すことができます。その後にくる直線では、加速力やブレーキング、レーンチェンジ、アクセルオンオフによる荷重移動などの性能的な側面はもちろんのことながら、その他にも屋根替わりに首都高があるため音が反響しやすく、マフラーから奏でられるサウンドを楽しむこともできます。

フェラーリを試す上で、このサウンドという項目は他の車よりも遥かに重要な意味を持ちます。人によっては、この音にお金を出しているという人までいるくらいです。近年のフェラーリは相次ぐ排気量拡大の影響で音質が低くなっては来ていましたが、相変わらず美声を奏でていました。488GTB最大のトピックは、なんといってもダウンサイジングターボです。この自然吸気からターボへの変更がサウンドにどのように影響しているでしょうか?答えは酷い悪影響というほかないです。足と引き換えに声を失った人魚姫のごとく、速さと引き換えに音を失った跳ね馬といったところでしょうか。
ただし、簡単に引き換えになんて言えないほど凄まじい速さです。アクセルを鋭く踏み込めば、ほんの少しのターボラグの後、ダムの決壊の如く延々とトルクの波が押し寄せます。その後も回転の上昇に合わせて永遠に続くとも思えるパワー、パワー、そしてパワー。少々わざとらしく思えるほどの綺麗な出力特性ですが、そこは素直にありがたく受け取ることとしましょう。ワールド・エンジン・オブ・ザ・イヤーは伊達ではありません。速く走るということにかけては圧倒的に優れたエンジンであることに疑いの余地はありません。

それ以外の部分はというと、外観はピニンファリーナではなくフェラーリ本社のデザイン部門によるもので、458イタリアからそれほど大きな変更はみられません。個人的な好みからいうとほぼ完成していた458を少し未完成な状態に後退させてしまっている気がして残念です。
レインボーブリッジをお台場で折り返して、首都高に乗ってみます。高速道路に乗ると驚くほど印象が変わります。さっきまで少々固めに感じていた足回りもしなやかに動き、圧倒的なエンジン出力とツインクラッチシステムがもたらすタイムラグゼロの変速により痛快そのものといえるドライビングが体験できます。少々音が悪いことなんてすっかり忘れて、純粋にドライブすることの喜びがこみあげ、いつまでも終わりなくどこまでも走り続けたいとすら思えるほどです。

遅かれ早かれ、いつかは超高級車にもダウンサイジングターボの時代の波が押し寄せることは事実でしたし、それは回避不可能なことだったと思います。そういう意味ではフェラーリは、乗り越えなければならない時代の波を最高の形で見事に乗り越えたと言えると思います。

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