読者の皆様は残価設定型ローンという車の購入方法をご存じでしょうか?
残価クレジットやバリューローンなどと呼ばれているのと同じものです。
きっかけはフェラーリ、なんと新車だけならまだしも中古車にまで3年残価75%が適用可能になったというのです。
早速気になる中身を解説させていただきます。
可能な限り噛み砕いて専門用語を使わずに説明するので、お付き合いください。
残価設定型ローンとは?
通常のローンとは分割支払いを指します。
例えば1200万円の車を頭金0で購入するとして5年60回払いに設定すると、月々の返済額は20万円となります。(便宜上金利を計算外にしています)
残価設定型ローンとは、数年後の売却を想定して売却額を据え置きすることで、月々の返済額を抑えるローンです。
前述の通常のローンなら完済後に売却すれば、売却価格は自分に返ってきます。
この返ってくる分をあらかじめ返済不要としてローン元金から抜いておくのです。
例えば1200万円の車が、5年後に半額の600万円で売却できると仮定しその分を据え置きます。
そうすることでローン元金は(1200万円-600万円)600万円となります。
同じく5年60回頭金0で計算すると、月々の返済額は10万円となります。
通常のローンと比べて、なんと月々半額で乗れてしまう計算になります。
残価の設定ルール
それならと、据え置く残価を多くすれば月々の返済額をどこまでも小さくできる気がしますよね。
もちろん、そうはいきません。
残価の設定ルールはローン会社が様々な市場調査をして条件を割り出しており、上限が設けられています。
その上限以内ならいくらでも好きな値が設定可能です。
例えば、上限が5年残価50%なら売却時に少し手元にお金が入ってほしいなどの理由から、据え置き額を40%にしておくなどの設定が可能です。
設定期間経過後の選択と注意点
任意のローン期間経過後には、2つの選択肢の中から好きな方を選ぶことになります。
一つ目は車両を売却し残債を支払う。
二つ目は、引き続き新たなローンを組み車に乗り続ける。
ここで注目したいのが、当初の計画通りいかなかった場合です。
5年で残価50%と設定したにも関わらず、実際に5年経ってみると40%の値段しかつかなかった場合、足りない10%分は一括で負担することになります。(再度新たなローンを組んだ場合は一括ではない)
据え置き額はあくまでも設定であり、期間経過後に誰かがその金額で買取ることを約束してくれているわけではないのでお間違いなく。
驚異的!フェラーリの残価クレジット(バリューローン)は3年で残価75%
据え置き額の上限はローン会社が市場調査の上で決定するとお話しましたが、これは当然ですよね。
実態に即さない据え置き額を設定した結果、設定した支払期日になって多額の残債が発生し、支払い不能になる人がたくさん出ればローン会社も困ってしまいます。
そんなリスクを考慮した上ですら、フェラーリにはなんと3年残価75%が設定可能なのです。
しかも、新車だけならまだしも中古車までもが。
3年後に価値が75%も残る車をフェラーリ以外には知りません。
どれだけ凄いことか試算してみるとよくわかります。
フェラーリの新車ポルトフィーノの乗り出しは約3000万円です。
これを3年残価75%で計算してみたいと思います。(本来はオプションを抜いた車両本体にしか残価が設定できないなど細かいルールもあるのですが、今回はわかりやすさを優先するため単純計算させていただきます。)
3年後の据え置き額3000万円×75%=2250万円、3年間の返済額は残りの750万円となります。
月々の返済額は750万円÷36回=20.8万円、つまり最新型のフェラーリの新車に月々21万円で乗れてしまうという計算になります!(もちろん、駐車場代や保険料、税金、燃料代も必要になります。)
一つ前の型となるカリフォルニアTの中古価格が店頭2200~2600万円程度なことを考えると妥当な設定だと言えるのではないでしょうか。
中古車に当てはめるとグッと身近になります。
発売当時大人気で納車待ち2年と言われたカリフォルニアも、今では1600万円程度で購入可能です。
これに3年残価75%を当てはめてみると、月々の支払額は1600万円×25%÷36回=11.1万円となります。
なんと、月々11万円で近代のフェラーリオーナーになれてしまうのです。
普通のローンを組んでいれば、男気溢れる7年80回払いですら月々の返済額は20万円なのです。
中古としてこなれてきたカリフォルニアを80回払いで購入するのと、最新型のポルトフィーノを残価設定ローンで購入するのと、月々の返済額はほぼ同じという驚きの結果がでました。
残価設定型ローンの凄さがおわかりいただけたかと思います。
ただし、残価設定型ローンは走行距離を増やし過ぎないことや車両の状態を保つことも条件となりますので、くれぐれも注意が必要な点があることをご理解いただいた上でご利用ください。
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