私の周囲には毎年この季節になると、桜の開花状況やお天気に合わせて必ず突発で誘ってくれる友人がいます。この“突発で”が案外重要で、4月の新年度がはじまって間もない状況下でどれだけの瞬発力が発揮できるのか、社会人としての手腕を試されるイベントでもあるのです。残念ながら去年は仕事が調整しきれずに参加することができなかったので、今年こそはリベンジしたく待ち構えていました。
「集合!!」
ここは青山2丁目交差点から明治神宮外苑へと抜ける銀杏並木
春を思わせる暖かなウィークエンドの20時ともなると通りを行きかう人の数も多い。
そこへ1台、また1台と集結するカラフルなスポーツカー達
「召集!!」
約3時間前。
スマホからメッセージの受信音が立て続けに鳴る。
“今夜決行”
“20時”
“外苑の銀杏並木に集合”
今日こそくるのでは と、ここ数日待ちに待った召集の合図。
「出発!!」
今年の召集メッセージに応えた瞬発力高い系社会人は総勢9人。
全員が集合したところで、恒例の“春の夜桜都内プチツーリング”の開催です。
短時間で派手なクルマ達が9台も揃ったことから、偶然居合わせた通行人や観光客でそこかしこで撮影会が始まります。
召集メッセージの送り主である幹事から簡単なドライバーズミーティングを受け、いよいよ今年もスタートです。
美しい車達に華やかな助手席、そして日本が誇る夜桜 艶やかな夜の幕開けです。
参考までに今年の順路を簡単に紹介させていただきます。
①外苑銀杏並木→②青山霊園→③リッツカールトン→④アークヒルズ→⑤けやき坂→⑥明治通り(天現寺)
コースそのものは、通常時ならゆっくりまわっても1時間もあれば十分周れてしまうコースです。
一般的にはお花見と言えば日中に桜の木の下にレジャーシートを広げ、お弁当やお酒を楽しむものだと思われます。
ですが、このお花見は夜だし、レジャーシートの代わりに車のシート、もちろんお酒はありません。ただただ、港区界隈の桜の名所を車でめぐるのです。
ただ車で走るだけで何が面白いの?と思われる方がいるかもしれませんが、春の心地よい夜風と桜のシャワーを浴びる。しかも、それが気の合う仲間とのランデブーなら尚更気持ちいいのです。さらにオープンカーならいうことなしでしょう。
加えて写真撮影も楽しみの一つです。自慢の愛車と夜桜。車好きとしてはぜひコレクションに加えたい一枚ではないでしょうか。
もちろん日中でもいいのですが、都内の桜の一番の特徴としてライトアップが挙げられると思います。真っ黒な夜空にピンクに浮かび上がる桜は、お昼とは全く違う顔を見せてくれます。
今年の桜を見逃した方のために、ここで各順路でのベストショットを紹介させていただきます。
まずは②の青山霊園
墓地の中の通用路ということもあり、ライトアップ少な目で幻想的です。前を走るフェラーリ360スパイダーの赤さのせいでここが墓地であるということを忘れてしまいます。
③リッツカールトン ピンクのライトアップがひと際夜空に映えて華やかです。ここは、ライト自体もピンクに着色されているため、一際写真映えがいいです。
④アークヒルズ 桜の量が圧倒的です。道幅が狭く、桜の木の間隔も離れていないため、見渡す限りの空一面の桜のアーチとなり圧巻です。桜に囲まれたポルシェ911GT3(Type996)、タイトルを付けるなら“純潔”といったところでしょうか。
⑤けやき坂で一旦隊列を整えます。これだけ見事な夜桜だと見学の一般車も相当な数でています。信号などでどうしてもはぐれてしまうので、あらかじめ中継ポイントを決めておくことをお薦めします。今回の場合は見晴らしのいいここけやき坂です。夜桜はありませんが、東京タワーとパチリ。
⑥明治通り(天現寺) 道幅が広く見学者も少な目でゆっくり写真を撮るにはお勧めのスポットです。集合写真もここで撮るといいかもしれません。1台目の360スパイダーと2台目のカリフォルニア、同じフェラーリの赤でも並べると全く異なる色なことがわかります。360スパイダーは定番のロッソコルサ、カリフォルニアはF1と同じロッソスクーデリアです。桜のピンクとのコントラストも綺麗です。
今年のお花見はもう終わってしまいましたが、来年はぜひお花見ドライブやツーリングに挑戦してみてくださいね。
いわゆるお花見と違って、場所取りも買出しも必要なし。思い立ったその場で30分もあれば出来てしまいます。
カップルだけでなく、友人同士やファミリーにもお薦めです。
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